第20話 新たな手掛かり、俺達の素性
……あ。
「れ、れん、蓮燔!」
「どうした?何か、すっごいテンション上がってるけど。」
「あ、あそこ、あそこ行きたい。だ、駄目か?」
商店街の中に一風変わった、アンティークな雰囲気を醸し出す店を見つける。何の店かは分からないが、行きたくて仕方ない。
「ああ、魔道具屋か。」
「魔道具。」
「魔法を組み込まれて作られた、俺達魔法使いじゃない人でも使えるようになってる魔力の込められた道具の事で、基本的に非魔法使いの為の物だから俺達が買おうとするとかなり高いんだけどな。」
「凄いな。それ、誰が作るんだ?」
「俺達の授業でも作るぞ?基本的には職人がやるんだ。付与師って言う仕事。」
「俺と蓮燔の将来の夢……って何だったんだ?」
「俺とお前はお互いに賢者になる事だ。」
「賢者。」
「大魔導師、みたいなもんだな。この世界には賢者って言う称号があってな?たった1人で大陸1つの命運を左右出来てしまう程の知識と魔力、そして技術を持つ者の事だ。俺達は2人でそれになろう、って。お互いの小さい時からの夢だ。」
「俺と蓮燔は……どれくらいの仲なんだ?」
「家が隣でさ、ここよりずっと遠い田舎の村から出てきたんだ。まぁ……俺もお前も、もう両親も家族も居ねぇんだけどさ。」
えっ、
「ご、ごめん。辛い事……聞いた。」
「気にすんな。さ、あそこ行くんだろ?お前、前からあそこ好きだったからな。」
「そうなのか。」
「外国の魔道具とかも売ってて、レシピを知る為によく2つずつ買ってばらしてたなぁ。」
「……改造魔?」
「いや、魔道具って作る人によって作り方が違うんだ。だから自分なりに工夫出来て楽しいってさ。」
「……蓮燔。」
「ブッ、フッフフフwww良いよ、行こうぜwwwフッ、アハハハッ!そんなに上目使いで見てこなくても行きたい所があれば声掛けてくれて良いってのwww」
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