第15話 朝はどうやら弱いらしい

 コンコン、コンコンッと優しい定期的に奏でられる音で目を開ける。

 レイは傍におらず、音は扉をノックする音らしい。

 フラフラと体を起こして少し警戒気味に扉を開ける。


「あ、その顔……ついさっきまで寝てたな?」

「……あぁ。」


 ……低い。俺、寝起きってこんなに声低いのか……。


「体調が悪いならもう少し寝てるか?」

「……何する予定なんだ?」

「買い物ついでに街まで行こうと思ってるけど。朝食食べて用意が出来たら直ぐに。」


 ちらりと机の上にある時計を見れば現在の時刻は午前9時。

 ……まぁ、寝た方か。


「……着替える。」

「おう。急ぎ過ぎて怪我すんなよ。」

「ぉお……。」


 普通に返事をしようとしたが声が出にくくてあまり出ず、蓮燔に笑われたので軽く膝を蹴飛ばしてから扉を閉めた。

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