第22話 ……え、これであんな状態なの?
「んふふ、フィルは良い子だね。」
「これでしばらくは元気かなぁ~。」
とうとう眠ってしまった師匠を師匠の部屋ではなく命喰達の部屋のベッドに運ばれて女性命喰達の添い寝や甘言やらでかなり落ち着いた呼吸を繰り返している。
まぁそれを見て安心した俺の足にも力が入らなくなり、ベッドの裾にもたれてウトウトすれば俺の両肩にするり、と沁み込むようにかなり大きな手が掛けられる。
あ、やばい。
立ち上がろうにもかなりの力なので痛くはないが沈み込む事は出来ても立ち上がる事は難しそうだ。
「、」
「くく、肩壊されると思ったか?」
「気持ち良いだろ?」
「師匠……に、も……同じ……ちか、らで。」
「やってるぞ?」
嘘吐け。
「あ、疑ってるでしょ。フィルはお師匠様以外に体触られた事ないの。」
「え、でもお前ら……。」
「そりゃ手を引いたり頭を撫でたり背中を押したりぐらいの簡単なスキンシップなら誰でもあるだろうな。……が、お師匠様に触れられている時以外は基本的にずっと意識が朦朧としてぴくりともしないぐらい安らかだからなぁ。それに、元々フィルは警戒心が高いんだ。……ま、つまり俺達はまだそこまで信用されてない訳だ。いつの日か、俺達にも警戒しないでくれる日が来てくれる事を毎日願ってるさ。」
試しにルフェイアが師匠の腰に手を添えてマッサージを始めるも少し唸って身をよじるだけ。「ごめんね」とルフェイアが告げながら頭を撫でて解放されればまた穏やかな寝息が響いた。
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