第20話 まともに相手してると身が保たん

「……なぁ。辞めてやってくれよ。」

「「「「い、や、だ。」」」」


 もはや恒例行事となりつつある、突然師匠が姿を消したかと思ったら命喰達にベッドで総攻撃を受けている構図。今も、顔は見えないがベッドで命喰達に虐められて低い唸り声を挙げながらもルフェイアさんの腕を弱々しく、びくびく震えながら掴んで抵抗する師匠が居る。

 以前、助けようと間に突っ込んでいったが見向きもしなければ師匠からこいつらを遠ざける事すら出来ずに隙を突かれた師匠の意識をいとも簡単に刈り取られてしまって以来相手にされないと分かっていて手を出すのが阿呆らしくなってしまった。


「……大丈夫なのかよ、本当に。」

「えぇ勿論。私達が愛し子にとって害のある事なんてする訳がないでしょう?」

「ちゃんと責任取ってるんだろうな。」

「ええ。ご飯も食べさせてるし、水分も定期的に取らせてるし、お風呂でも体洗うついでに一番体とか関節柔らかくなる機会だからマッサージしてるし。」

「……風呂でもやってんのかよ。」


 師匠休む暇ねぇじゃん。


「愛し子虐めるの、本当に楽しいの。だって可愛いでしょ?」

「知らねぇよ。」

「、ぅ……ぁ、」

「「「あ、堕ちた。」」」

「ん、本当?グロウディ、ほら近う寄りなさい。」

「何だよ今度は……。」


 師匠の所へ近寄ればかなり脱力した様子でぐったりと眠っており、そんな師匠の口の端からたらりと垂れる涎をルフェイアさんがそっとタオルで拭う。


「この顔を見てる時が一番安心なの。“嗚呼、油断してくれてるなぁ”って。」

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