第17話 大丈夫ですよ。直ぐ、強くなりますから

「うん、大分落ち着いたわね。……このままもうしばらくゆっくり休んでいてね、愛し子。」


 薬を飲んで直ぐに熟睡したらしい師匠は布団に呑まれて、命喰達に額のタオルを交換してもらったり、乾燥したタオルで汗を拭いてもらったりしている師匠を見て何度も思う。

 どうして、どうして俺はこんなに無力なんだって。


「……あの、ルフェイアさん。」

「んー?」

「……師匠の事、色々教えて下さい。魔法の事も、戦闘の事も、沢山。……師匠が安心して休めるように、こんな所に閉じこもって怯え続けなくて良いように強くなりたいんです。……駄目ですか。」

「んー……まぁ、私達としてもその方が嬉しいかな。愛し子はいつも私達の知らない所で無理も無茶もするからね。とりあえず、愛し子の体調が落ち着いてからでも良い?」

「全然大丈夫です。……今は、師匠の方が大事です。」


 待っててくれ、師匠。ちゃんと師匠が“頼りたい”って思える程強くなってみせるから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る