第16話 もうすぐ楽になるからね
「はーい。大丈夫、ちゃんと食べて。」
「もうちょっと、おう、それぐらいだ。もうちょっと頑張ろうな。」
「……ぃ、ぁ。」
「我儘言わないの。ほら。」
「……師匠。」
「この子、高熱出すと毎回こうなのよ?」
「だ、大丈夫なのか。」
「愛し子は抑圧されて育ったのよ。……だから、過去を思い出さなくて良いように多少強引でも早く解放してあげなくちゃいけないの。でも生きる為にも食事はちゃんと取ってもらわなくちゃ。……例え、私達が嫌われる結果になったとしても。」
ディアルードに背後から抱き込むように拘束され、ルフェイアに強制的に食事を取らされている師匠。
師匠の師匠、レーデルさんとやらから貰った錠剤を見せた途端に怯え、拒絶の言葉をずっと繰り返していた。
……もっと、もっと強くならないと。師匠がこうして何度も怯えなくて済むように、俺に遠慮して隠さなくて良いように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます