第6話 突然の襲来者
「……。」
「ふぃ、フィウルーティ!だ、大丈夫か……?」
「……グロウディか。……あぁ。」
ゆっくりと体を起こせば長らく使っていなかった王の寝室のキングベッド。
目にそっと手をやればもう涙は止まってくれたらしい。
「……ハァ。」
「……本当に、大丈夫なのか?何か辛い事があったら―――」
「大丈夫だ。……それよりも。」
ポチャン、ポチャン、とノックの要領で2度湖を突く音がする。
……?
「フィウルーティ?」
「……何か来た。グロウディ、ここを頼む。」
「え、ど、何処行くんだ?」
「……いや、迎え入れてしまうか。決して攻撃するなよ。」
パチンと指を鳴らせば外出用に使っている階段が展開された音と地響きが聴こえる。そのままベランダまで足を運べば白い、グリフォンの模様が入った鎧を着た集団が6人。白くてグリフォンの模様が入ったローブのような物を着ている男が1人見える。
……?
「グロウディ、あれが何処の国か―――」
「あれ、シフェルミュリア国だよ。ほら、この前行ったシルヴァスの街がある国だ。」
「嗚呼……確か、宗教国家だったか?」
「なんだ、知ってるのか。」
「少しは。……国旗までは興味がない。」
「でも、何で通したんだよ。シフェルミュリア国と言えば魔術師を悪と罵る教会を発足した国だ。幾ら師匠でも―――」
「あいつ等は丁寧にも俺の結界を2度もノックした。……つまり。」
「話があってここに来た……?」
「だろうな。さてさて、自身を正義と謳う教会様が一介の魔術師である俺に何の用なんだろうな。」
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