第5話 ……苦しいのか
ルフェイアとの契約も果たし、フラフラと階段を上がる。
……思い返せば、色々あったな。×××に×××されて、×××××を受けて、×××を×して。
「……あ?」
何も痛くないはずなのに、何も苦しくないはずなのに意図せぬ涙がポタポタを俺の足元を濡らしていく。
……おかしいな、もう……割り切ったはずなのに。
「クゥ?クルゥウ!」
「……ルディオ。」
階段を登り切り、南京錠を掛けていつもの簡易ベッドに戻れば、それの匂いを嗅いでいたらしいルディオがスリスリと甘えながらも視線はずっと此方を向いている。
何を……?……嗚呼、そうか
「心配……してくれてるのか。」
「クゥ!」
「……すまない、ルディオ。少しだけ……甘えさせてくれないか。」
何とかベッドまで歩いてから倒れるようにベッドに臥せばルディオはキュウキュウ鳴きながら傍まで来てくれる。その真っ直ぐ俺の心配をしてくれる優しい眼差しを見ていると痛いくらいに落ち着いた。
「……ルディオ。」
「キュウ!キュウゥウ!」
ルディオを撫でていると少しずつ睡魔が大粒の涙と共に俺を呑み込んでいく。
……そっか、俺は今―――
「……苦しいのか。」
「んな、フィウルーティ!!?」
ルディオの鳴き声がやたらと響くから心配して来てみれば明らかに変な倒れ方をしている上に右手でルディオを撫でていたであろうフィウルーティが倒れてしまっている。
な、俺が居ない間に何が……!!?
「おい、フィウルー……!?」
慌てて駆け寄ってみれば強く胸元を抑え、静かにボロボロと涙を流していた。
あの、フィウルーティが……?
「キュウ!キュウ!」
「あ、そうだ……何とかしねぇと……💦このままにしておく訳には……そうだ、あいつに💦」
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