救出と姫様
まず、場所を買うためにコルトン商会へと向かった。
フィリアとは一旦分かれて調味料などの買い出しに行ってもらう。
機嫌はまだ悪かったがちゃんということは聞いてくれるのだ。
けど早くなんとかしないと・・・
そう思っているとすぐにコルトン商会にたどり着く。その建物は2階建でこの街においてはかなり大きい建物だ。
「いらっしゃいませ!何か入用でしょうか?」
中に入ると店員と思われる男性が声をかけてくる。
「えーと場所が欲しいんだけどどんなのがあるかな?それとこれを。」
そう言って紹介状を渡す。
それを見てほほぅと唸る。
「なるほどSSランク冒険者の方でございますか。わかりました。我商会が提供できる最高の馬車を用意いたしましょう。おい!例の馬車を表に回せ!」
この男性の声に空いている数人の店員が動き出す。
「少々お待ち下さい。・・・ではこちらに。」
そう言って店の外に連れて行かれる。
「こちらが我商会で取り扱っております最高の場所になります。王都の馬車メーカーホースインによる作品で人数は五人乗りとなっておりますが丈夫さ、乗り心地、安全性とどれをとっても現在の馬車業界では最高のものとなっております。料金は大金貨五枚となっておりますがそれだけに見合った物と自負しております。」
大金貨五枚か。まぁ10億リム入って来たわけだし50万リムくらいなら全然問題ないだろう。
「わかった。じゃあこれを買うことにするよ。大金貨五枚ね。」
代金を渡す。
「確かに頂戴いたしました。ではこちらをお運び致しますがどちらに致しますか?」
「あっいいよ。俺スキルでしまえるから。」
「なんとそれほど広いアイテムボックスをお持ちなのですね。いやはや商人としては羨ましい限りです。」
俺はちょちょいとストレージにしまう。
まぁアイテムボックスじゃなくてストレージなんだけどね?
馬車も購入出来たので次に向かうことにした。
北門から出てすぐのところにホーリエ牧場はあった。
出てきた人に紹介状と馬車を見せると中に入って行き二頭の馬を連れてきた。
「この二頭が今うちにいる馬の中で一番立派なやつだい。大金貨4枚だけど大丈夫かい?」
どちらも茶色い毛をもう馬でがっしりとした体型をしておりとても力が強そうだ。
「うん。大丈夫だよ。」
俺は代金を渡して馬たちを馬車に繋いでもらった。
そしてフィリアを北門でまつ。
それから10分程でフィリアがやってくる。
「いい馬車が買えた見たいね。」
「うん。そっちも買い物ありがとね。」
「・・・ふん。」
え・・・この流れでまた無視をされてしまった。嫌われてんのかなーと思いつつも親愛の指輪が二つあるのを確認出来るのでそれを信じる。
そして馬を走らせて王都に向かうことにした。
それから数時間で夜も沈み今日はこの辺で野宿することにする。
俺は馬車の中に寝床を作りその間にフィリアが料理を作ってくれる。
今日の料理はどうやらロックバードを使った料理の様だ。
調味料のスパイスもほどよくあって肉も口の中で溶け出す様だ。
「フィリア美味しいよ。ありがとう」
「・・・そう。」
フィリアは少しだけ顔を赤くするも素朴に答える。
俺は料理を食べ終わりフィリアの方を向き直す。ちゃんと話をしないと行けないと思ったからだ。
「フィリアこの間は勝手に日記を読んでごめん。確かに嫌なことだったと思うけどそろそろ機嫌を直して欲しい。」
「・・・」
フィリアは無言で俺を見つめる。
もうこれしかないか?一か八かあたって砕けよう。
「フィリアこれから大事な事を言うよ。この間日記を読んで君の気持ちを知った。」
フィリアがびくっと反応する。
「勝手に読んで本当に申し訳ない。けどちゃんと答えをいうよ。」
フィリアは泣きそうな顔になる。
「フィリアこれを受けとっても欲しい。」
親愛の指輪を取り出す。
「これは親愛の指輪と言って持ち主と愛の絆を結んだ者に対となる指輪を与えるものなんだ。つまり両思いなら二つ目の指輪が出てくるってものなんだ。本体の一つ目は俺がそしてこの対の指輪はフィリアの指に、受け取ってくれるか?」
フィリアの瞳からきらりと滴が静かに流れる。
満点の星空の下彼女は「はい」と受け取った。
俺たちは左手の薬指にお互い付け合いそして短いキスをした。
そして馬車に二人で向かう。
「いいのかフィリア。」
俺はこんなところでという意味で彼女にきく。
「うん。早くアストと・・・」
彼女は俯き言葉は消える。
「わかった。」
俺は彼女を引き寄せキスをする。
今度は長いキス。
そしてフィリアの服に手をかけそして・・・・
・
・・
・・・
・・・・
ちゅんちゅん。
鳥の鳴き声で目が覚める。
昨晩は初夜ということもありかなり張り切ってしまった。
まさか俺があそこまで強いとは思いもしなかった。まさか神器ブリュレツィアの身体能力強化がここにも影響しているのだろうか?
フィリアには悪いことをしてしまったかもしれない。
もしこれから夜を断られたらどうしよう。そう思うとちょっと、いやかなりショックだ。
「おはよう、アスト」
「おはようフィリア。簡単だけど朝食作っておいたよ。」
「・・・ん、あっごめん!私が作るはずだったのに!」
「いいよいいよ昨日はちょっと激しかったからね。」
フィリアは顔を真っ赤にさせる。
「も、もう!その話はいいの!」
可愛すぎる。
「さ、さぁ食べようか。」
ちょっと気まずくなりながらも朝食を食べて出発した。
それから数日過ぎた。
相変わらず強すぎる俺だが毎日フィリアは相手をしてくれた。
ラブラブな新婚生活と言えるのだろう。
この間何も問題は発生せずに平和なものだったが旅は危険が付き物と言うくらい必ず魔物とはで会うのでようやくかと俺は思う。
「ギャルルルルル!」
そう少し奥から魔物の鳴き声が聞こえて来たのだ。
「とうする?迂回する?」
「そうだな。ドラゴンと言っても多分問題なく倒せると思うけどわざわざ危険に飛び込む必要ないもんな。」
そう思い迂回しようとした時、「きゃぁーーーー」と女性の叫び声が聞こえてしまった。
「アスト!」
フィリアは俺を見て叫ぶ。
「フィリア馬車を操縦してくれ!俺は先に行ってくる!」
俺は彼女に手綱を渡し、神器を手に取りかけた。
そして見えて来たのは馬車の残骸。それを囲むように倒れる騎士達の遺体。そして今にも女性を食べようとするドラゴンの食べられる側の少女だった。
くっ!
「間に合え!」
俺は叫び全力で駆けそしてドラゴンを最速で切った!その一撃で首が切れドラゴンは絶命する。
切れたドラゴンの顔が少女の目の前に落ち彼女は気を失った。
俺はフィリアを待ち、馬車に少女を乗せ騎士達の遺体をストレージに収納し王都へ再び進路を取った。
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