神獣と脱出

あれから1ヶ月が過ぎた。

食料や休憩は俺のストレージに入っていたものやフィリアの結界術のおかげでゆっくり休めお腹も満たせた。


それに何体かボス魔物を倒しかなり奥まで進んだと思う。


そして1ヶ月といえば今日新たにガチャが回せるようになったのだ。


「フィリア~ガチャ回せるようになったから回してみるよ。」


「あっまたきたんだね。今度は何が出るのかな?また強い武器かな?」


「さあ?どうだろう。」


早速回してみる。


「SSS以上確定定期ガチャ!」


するとぽんっと球体が手元に来る。


その球を回して開く。


すると


「ワウォーーーン」


目の前に5mありそうな狼が出てきた。


どうやら神獣フェンリルらしい。


俺も何故だか知らないがガチャから出たものの詳細が分かるのだ。


「大きい狼さんだねアスト」


「そうだなこいつは神獣フェンリルっていうらしい。」


フィリアは驚いた顔をする。


「え、神獣っておとぎ話の?」


「そうおとぎ話の。」


フィリアは俺とフェンリルの顔を交互に見ながら目をパチクリとしている。

少し落ち着いたのかまた話しかけてくる。


「ねぇこの子には名前があるの?」


「いやまだないからつけてあげないとな。」


「そうだねならフィンなんてどうかな!」


「フィンかいんじゃないか?」


俺は肯定する


「うぉーん!」


どうやらフィンもその名前を気なったようだ。


「頼もしい仲間もできたし今日も頑張ろうか」


「うん」


「ウォーン」


そして10分ボス部屋を見つけた。


意外に近かった。


そしてその扉からは今までとは比べられないほどの気配を感じる。


ごくりと息を飲む。


お互いの顔を見つめて覚悟を決めた。


「よしいこう。おそらくここを倒せば地上に戻れる気がするよ。それに今回はフィンもいるしな。」


「ガウガウ」


一息深呼吸をしたフィリアは落ち着き覚悟を決める。


「うん。絶対勝って帰ろうね!」


「おう!」


そうして俺たちは扉を開ける。


今までとは比べ物にならないほどの広さの部屋。中には仮面の様な硬そうな顔に目が三つそれに体も硬そうだ。そして翼を6枚はやしたその姿は堕天使のようだ。


戦闘態勢に入る。


「フィリアすぐさま絶界を展開しろ!フィルは俺と一緒に攻撃だ!」


「わかった!」


「ワウォーーーん」


すると堕天使は一つの目を光らせレイザーを発射する。


目一つずつからビームが出て三方向に攻撃してくる。それらを回避しつつ接近して斬り込む。


「かたい!」


その硬さはブリュレツィアですら斬れなかった。


フィンも翼に噛みつく。


そちらは攻撃が通る様で翼が一枚もげる。


「キャォワゥ」


悲鳴を上げながらレーザーが五月雨の様に打たれる。


それを避けようとするが避けきれずに被弾を浴びてしまう。


「アスト!今回復するからね!パーフェクトヒール!」


フィリアの回復魔法が飛んでくる。そのおかげで俺は全快する。


「ありがとうフィリア。」


俺は復帰してその間持ち堪えてくれていたフィンに合流する。


「フィンすまない!よし翼がに狙いで行くぞ!」


「うぉん!」


俺たちは翼を中心に攻撃を畳み掛ける。


1枚また1枚とついに全ての翼を潰した。


「tmjgtmajtxqjmt」


堕天使が言葉にもならない奇声を上げる。


そしてまた3つの目が光。


「レーザーくるぞ。散開!」


俺とフィンは散開し、攻撃から避けようとするがその攻撃は俺たちを狙ったものではなく3つが重なりフィリアの方に向かっていった。


「フィリア!」


極太レーザーは絶界にぶつかる。


極太レーザーが消え去りそして絶界も砕け散る。


そして堕天使はもう一度極太レーザーを放つ。


「嘘・・・」


フィリアは絶望の眼差しで小さく呟く。


「間に合え!」


俺は全力で駆けた。


そして俺はフィリアの前に立ちブリュレツィアでガードする。


「ぐっ。」


物凄い力で今にも押し潰されそうになる。


しかしブリュレツィアが打ち勝ち極太レーザーを跳ね返した。


消失したのではなく跳ね返したことにより極太レーザーが堕天使の心臓部分に当たり硬かった鎧の皮膚がボロボロと崩れて中からゴーレムのコアのような物が露出している。


それに俺とフィンが飛びつきブリュレツィアとフィルの牙がそのコアを砕いた。


「paakgwtmpdtm」


再び声にもならない奇声を上げてチリとなって消失した。


「フィリア!」


俺は放心状態のフィリアの元に駆け寄る。


「フィリア!フィリア!」


「え、うぅぐず。」


フィリアは気持ちを抑えきれずに泣き出してしまう。


俺は優しくフィリアを抱きしめる。


「私死んだと思った。もうダメだと思った。でもアストが助けてくれた。アスト、アスト、アスト。」


俺の名前を連呼して泣き、そして泣き疲れて眠ってしまった。


フィンも心配そうにのぞいてくる。


「大丈夫だ。疲れて寝てるだけだから。フィンお前もありがとな。」


「うぉん。」

堕天使が消えた場所に魔法陣が現れる。


おそらく脱出のための魔法陣だと思う。


俺はフィリアを抱き抱え魔法時に進んだ。


魔法陣の先は薄暗い部屋に繋がっていた。魔物の気配はなくこの部屋もダンジョンというより家のような作りになっている。


ぼーと辺りを見渡すといきなり真ん中に人が現れた。


と言っても本物ではなくどこか幻影のようだ。


30代くらいの男性が声を発する。


「ダンジョン攻略おめでとう。これはダンジョン攻略者に向けて残している記録である。ゆえに質問などは返せないので許してほしい。」


男は続けるので黙って聞く。


「私の名前はサナトア。このダンジョンを改造した天才科学者だ。私はこの世界の未来のためにこの記録を残している。まずダンジョンについて説明しよう。ダンジョンは元々邪神という存在が作り出した世界を滅ぼすための魔物の巣として作り出されたものだ。それを唯一神が魔物が外に出ないように封印を施しそして人間が成長できるように挑むようになったのがダンジョンだ。そして邪神とはこの世界を滅ぼそうとするもの。魔族や魔物を配下としている。邪神たちは魔族と魔物をこの世界に連れてきて滅ぼそうとしそれに対抗した唯一神と我ら人類による戦争が勃発した。我ら人類と魔族と魔物の抗争は過激化し邪神と唯一神の戦いも激しさをまし激闘の末邪神を封印し魔族たちを北の大陸へ魔物たちをダンジョンに押し込めることに成功した。しかしいずれ邪神は世界に復活するがしかし封印を施した唯一神は力を使い果たして眠りについた。いつ目覚めるかはわからないが邪神復活は確定事項だ。右に時計があるだろう。これがあとどのくらい残っているかはわからないがその時計が0になる時邪神は復活する。それまでに唯一神が復活するとは限らないために人類だけでも対抗できるようにするためにダンジョンを改良し救世主となる人材を探すことにしたのだ。ここにいるということはここのダンジョンボス堕天使を倒し救世主ということだろう。しかし堕天使程度倒せないと邪神には瞬殺されてしまうからな!もし時間があるならさらに鍛え邪神に備えてほしい。もし鍛える気があるなら東に向かえ。そこに無限のダンジョンがある。詳細はそこの机に地図を書いてある。では最後になるがどうか世界のために戦ってくれ。」


そう言って幻影は消え去り薄暗い部屋に戻り後ろの魔法陣がまた光使える状態になった。



言っていた時計を見やる。800年135日


あと800年・・・人類にとっては短いのか?けどこの時代に生きる俺にとっては到底生きていられないな。


「ん、」


フィリアが声を上げる。


すぐに駆け寄る。


「フィリア起きたか。」


「ここはどこ?」


「まだダンジョンのようだ。けどここは安全だ。」


「それに色々あったけど多分そこの魔法陣を使えば今度こそ外に出れるよ。」


確証はないが確信はあった。


地図も仕舞い込み今度こそダンジョンを向け出した。

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