第13話 俺の作る朝ご飯

俺は昨日の事を思い出し、桜を起こそうとしたが、

やめておいた。


だってあんな可愛い寝顔をされると寝かせてあげたくなるやん……


俺は部屋のある2階から降りて、リビングに向かう。


今は6時半。


家を出るのは7時40分ぐらいなのでまだ時間的には余裕がある。


「よし、朝ご飯と桜の弁当でも作るか」


最初は朝ご飯を作ろう。

お弁当も作らなきゃいけないので少し簡単にするか。

今日は……オムレツを作ろう。

なんとなく卵料理が食べたくなった。


オムレツは簡単だが、奥が深い。


まずは材料を揃える。


「3人分だから、卵6個にバター30g、塩コショウ……

ソースにはケチャップに赤ワイン……っと」


俺はさっとキッチンの上に材料を並べる。



─────本番はここからだ。



ボウルに卵を割入れ、泡立て器でほぐし、そこに塩コショウを加えてしっかりと混ぜる。


作った卵液をザルで漉す。こうすることで卵液のキメを細かくし、カラザを取り除く。


めんどくさい作業かもしれないが、このひと手間を加えるだけで、綺麗な仕上がりになる。


「お兄ちゃん、おはよう〜……あ、何作ってるの?」


桜がリビングから顔をヒョイと出す。


「おはよう桜。今はオムレツ作ってるぞ」


「おお、お兄ちゃんのオムレツは絶品だからなぁ…」


桜はうんうんと、首を縦に振る。


「じゃあ楽しみにしておけ。にしても今日は部活ないんだな。」


「うんっ!!今日は朝練ないんだぁ」


「あ、桜。お前のお弁当作ろうと思ってるんだけど………」


「ううん、今日はいらな〜い。

友達が私にお弁当を作ってもらうことになってるからね〜」


俺はそっかと一言言って、フライパンを手に取る。


にしても、友達がお弁当作るって……

すごいな……そいつ……


どんだけ桜の事好きなんだよ。


「いかんいかん……さっさと作らねば……」


自分の作業を再開させる。


手に取ったフライパンに火にかけ、そこにバターを入れ中火で溶かす。


バターが全部溶けたら卵液を一気に流し込む。


ここからは時間が命だ。

俺たち兄妹が好きなのは半熟なので結構タイミングが難しい。


「すっ………」


俺は息を吸う。ここからは秒刻みの作業となる。

完璧に仕上げてみせる……!


フライパンを前後に揺すりずつ、卵液を混ぜる。

動かし続け、大きく固まらないようにする。


半熟状になったら火を外し、濡れた布の上でトントンと上下に動かす。


濡れた布に当てることで熱くなりすぎたフライパンの温度を下げることで美しい半熟状になる。


「よいっしょっと……」


フライパンを奥に傾け、手前から中心に3分の2ほど奥から包むように折りたたむ。


折りたたんだらフライパンを手前に傾け、向こう側の卵を折りたたんでオムレツをフライパンの奥に寄せ形を整える。


「ほっ……と」


オムレツを手前にひっくり返し、フライパンを強火にかけ、表面が固まったら滑らすように盛り付ける。


これをあともう2つ作る。





「…………こんなもんかな」


俺は3人分のオムレツ作り終え、あとはソースだ。


普通にケチャップだけでもいいのだが、赤ワインを加えるとコクが出る。


フライパンに赤ワインを入れ、強火で煮つめる。


赤ワインがほぼ無くなるまで煮詰まったらケチャップを加え、沸いたら火から外し、オムレツにかければ…………


「完成……っと」


「出来た〜?」


桜は測ったようなタイミングで桜がキッチンにやってくる。


「おう、タイミングバッチリ。出来たぞ」


「じゃあ私は運んでくね〜」


「頼んだ」


俺はサッと洗い物をし、親父の珈琲を淹れる。

ミルクとシュガーも追加で。


親父は珈琲が好きなくせにブラックは飲めないんだよなぁ……


「あ、親父。おはよう」


親父がスーツ姿でリビングに入ってくる。


「おう、おはようさん」


「ほい、コーヒー」


コトっといつもの親父の定位置の席の前に

珈琲を置く。


「早く食べよっ!?お腹ぺこぺこだよぉ〜」


「わかった、わかった……」


桜が急かすので頭を撫でて宥める。

久しぶりの俺の神の手の登場だ。


「じゃあ………」


俺はタイミングを合わせるように全員に顔を合わせる。そして……


「「「いただきます」」」




そう言って、楽しい朝食の時間が始まった。













───────────────


※作者からのただの雑談


これを執筆する前に、「衛○さんちの今日のごはん」っていうアニメを見たので、料理しているのを書きたくなりました。


(F○teシリーズを知っている人へ、

聖杯戦争なんてなかった。いいね?)


文字だけで料理を表現させるのってすごく難しいんですね……この話を作るのに結構時間がかかっちゃいました。


それでも分かりにくいのはただ単に俺の語彙力がないだけです()


頭が痛い。


それにグーグル先生にもお世話になりました。


6月から学校が始まり、そして話のストックが無くなったので投稿ペースが大幅に減ると思います。


部活も20日から再開するので休日もあまり書けないかも…?


まぁ、気長に待っていてくれると嬉しいです。


長くなりましたが、是非、これからも「モテなかった(過去形)俺のラブコメディ。」をよろしくお願いします。

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