第11話 邂逅
シャロンはサキを連れて丘まで歩いていった。
早く葛城と晴人に会わせてあげたいという思いから、急ぎ足だった。
【遂に手に入りましたね死者蘇生の能力】
【あんたずっと黙ってみてただけじゃん。彼女こっちに引き込むの大変だったわ。】
【手を出さない方がいいと思って静観してました。】
【まあいい。葛城と晴人のところへー。】
しばらくして丘に着いた。
「ここは?」
「私達〔家族〕が集まるところだよ。ここでいつも集合して話し合ってる。」
「んでその家族とやらはどこに」
「あっ…まだ朝だったね(笑)ごめんごめん。夕方にいつも集まってるからまだ会えないよ」
「それまでどうするんですか。」
「あなたの能力試しに使ってみない?」
「やりません。」
「なんで。」
「根底にあるものは変わらないと言いましたよね。」
「と言ってもその能力を発動させる前にどんな能力か確認しない?」
「しません。」
「この石頭ぁ!」
「石頭で結構」
しばらく口喧嘩が続いた。
夕刻
紅音は学校から帰宅してるところだった。
朝来た公園に差し掛かった。
「アグノさんいないかなぁ。」
公園を眺めていると
「あっー!」
公園の向こう側から歩いてくる人影に見覚えがあった。
アグノである。
「アグノさんここでーす!」
その声に気づいた様子で、こちらに駆け寄ってきた。
「悪い悪いちょっと遅れた。」
「いえいえ大丈夫ですよ!さぁ、こちらへ!私達が集まる丘まで案内します!」
「着いていきマース」
【あのさ。なんでこの子には葛城恵子みたいにドラゴニックアーツ使わなかったの?】
【んなもん決まってんだろ!攻撃してこなかったからだよ!】
【馬鹿】
そんなやり取りをしてる中、歩みを2人は続けた。
「ここです!」
目の前には小高い丘が聳えていた。
時刻は18時半になろうとしていた。
2人は駆け上がった。
「ここかぁ。って誰もいなくね」
「そのうち来ますよ」
「あら、久しぶりですこと。アグノ」
後ろから声をかけられた。
振り返ると黒いオーラに身を包み、白龍と黒龍を従え、体長を超える翼を広げて、不気味にシャロンが立っていた。その隣には見たことも無い。包帯のようなものに体が巻かれていてミイラのような見た目で細く、鎖を足に巻き付けている女性の竜人がいた。
「久しぶりですな。シャロン王女」
互いに睨みあいから始まった邂逅。果たしてどうなるのか?
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