第11話 眠たくて

「……ただいま。」

「お帰りなさいませ、お嬢様。まずは―――お、お嬢様!?」

「え、ちょ、ご主人様!?」


 ……あれ、あんまり……力、入らない。

 屋敷の入り口まで迎えに来てくれたシルアの腕の中に倒れ、そのまま酷い睡魔に捕まってしまう。

 眠る、前に……。


「ルーザ、は……ルーナと……同、じ。だから……」


 全てを言い切る前に意識が吹っ飛んでしまった。最後に、4つの叫び声が聴こえた気がした。




 ……あったかい。今、私は……何処に居るんだろうか……。

 体は優しく暖かい温もりに包まれ、鼻腔には森林浴でもしているような落ち着いた優しい匂いがする。


「うにゃ……?」

「しぇ、主!大丈夫ですか!?」

「お、お嬢様!お体に何か異常は!?」

「わ、悪い、ご主人様💦言い忘れてた💦」

「言い、忘れ……?」


 あれ、ルーナは―――


「カルストゥーラお嬢様……♪」


 ルーナは私のベッドで、私の腕の中でスヤスヤと眠っているルーナが居る。


「ルー、ナ……?」

「あの国の結界、俺が作った物なんだが……危害を加えた者の強い睡魔を呼び覚ますんだ💦」

「……成程、な……。……効果、は……どれ……くらい……?」

「もう切れてもおかしくないぐらいだが……。た、多分ご主人様は魔法を受ける前から疲れてたんだよ。」


 ……私、が……?


「主、良ければこれを機にお休み下さい💦」

「あまり無理は「あの、ハイエルフは……?」

「え?あ……服を着替えさせ、今は私の部屋で強めの睡眠薬で眠らせております。」

「……。」


 ゆっくりと体を起こし、廊下へ進む。


「ご、ご主人様!?」

「……邪魔、すんな。」


 早く……。早く……

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