第7話
結局、遼ちゃんからのメッセージは社交辞令だったんだろうな、と思えるくらい時間がたった頃。講義と講義の間の休み時間にスマホを弄ってるところに、久しぶりに遼ちゃんから『今度、ランチでもどうですか?』というL〇NEにメッセージが届いた。
人気俳優、お仕事も忙しいんだろうな、っていうのは理解できる。むしろ、そんな忙しいのに、一般ピープルの私に連絡をくれただけ、ありがたいと思うべきかもしれない。
そんな遼ちゃんと、
それに、ランチだったらお酒を飲んで酔っ払いもしないだろうし、自分も勘違いしないでいられるだろう、と判断して、『いいですよ』と返事した。
すると、すぐさまピロンっと返事が来た。
まさか、待ち構えてた?
『明日とか、どうですか?』
「ん~」
宙を睨みながら考える。
明日は、講義が午前中に一コマあるだけだったはず。
『午後からは時間あるので何時でもいいですよ』
『大学まで迎えにいきます。場所どこですか?』
……え。それは、やばいでしょ。今注目の俳優さんなんだし。
校門のところにいる姿を想像したら、なんか冷汗が出てきた。絶対、すごい人だかりになるに決まってる!
結局、お店に直接伺う約束をして、場所と時間を決めた。
遼ちゃんの指定してきたお店はイタリアン。大学のある駅から二つほどいったところ。聞き覚えのある店名だったから調べてみたら、結構有名なお店でちょっとだけビビる。お財布の心配があったから、こっちもチェック。夜のメニューの値段とか、絶対、自分じゃいかない値段だけど、ランチタイムは少しリーズナブルっぽいので、少しだけ安心した。
そして改めて遼ちゃんとランチ、ということにワクワクすると同時に、今さっきまでリアルタイムでやりとりしてた事実に気づき、『繋がってた』感にゾクゾクした。
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