俺は紳士なんだから!

 「はあ、今日は色々あったな……」


 声に出てしまうほど色々なことが起こりすぎたんだ未来から告白されたと思ったら一緒に住むことにはなるし……

 まあ未来の作ったご飯はおいしかったな、さすがは一人暮らしが長いだけのことはあるな そうだ、こうやって家に人がいるのは未来にとって久しぶりなんだよな。

 明日起きたら朝ごはん作るの手伝わなくちゃな。



 あれ? ここは?

 なんとも懐かしい雰囲気の場所だが……


「今日もつっくんの家行っていい?」


 と可愛らしい声が聞こえてくる。

 その声の主は小学生一年生の頃の未来だった。


「勝手にしなさい」


 そう興味もなさそうに言うのは未来の母ではなく親戚のおばさんだ。

 彼女は物心つく前に両親を交通事故で亡くしていて親戚の家に引き取られたのだ。


「やったー!! つっくん! 今日は何して遊ぶ?」


 そう言われた途端意識がはっきりしてきた。



「んん…」


 目を開けるとパジャマ姿の未来が枕元にいるではないか。

  神様ありがとう! と思いながらも理性が利くうちにリビングに避難した 。

  未来の様子からしてトイレに行った後に迷ったってとこか。

 俺は目が冴えてしまったのであることをしようとパソコンを持ってきた。

  あることとは生まれてから誰にも口外したことないことだ。

  もちろん家族にもだ。

 おい、どうせえっちな動画でも見るんだろ? と思った奴、パイルドライバーすんぞ。



「さて、やるか」


 パソコンを開きソフトを開く、そこにズラズラと文を綴っていく。

 そうなのだ、俺は自慢じゃないがプロのラノベ作家なのだ 褒めてくれてもいいんだぞー。

ただ今はそんなこと言っていられない。 実は今日は締め切り二日前なのだ、今日は金曜日だから明日ゆっくり書こうと思っていたが未来がいるとなると別だ、手伝いやらで時間が作れない可能性が高いからな。



そんなことを考えながら書いていると気づいたら朝になっていた。


「うう、おはよー」


 と未来が起きてきた。


「おはよう」


 と返しコーヒーを出す。

 俺だってコーヒーくらいは作れんだぞ! なめんな!


 未来は目が覚めてきたのか嬉しそうに「おはようが言える人がいるっていいね」と笑顔で言ってくる。

 やめろ、朝から心臓に悪い。


「しかも、つっくんだしー」


 とご機嫌のようだ。


「つっくんは学校ではやめろよ」


 今も恥ずかしいんだから。


「そんなことよりなんで俺のベッドに来たんだ?」


「あ、夜中にトイレ行きたくなってそこから記憶ない……」


「気をつけろよ一応俺だって男なんだし……」


そんなことしないけどな! 俺は紳士なんだから!


「つっくんなら全然いいんだけどなー、もう恋人なんだし。」


「俺はそんなことしないからな。」


「えー、じゃあつくろ?」


「だから俺たちにはまだ早いって!」


「え、朝ごはんだよ?」


「っっ!」


 やってしまった、えらい勘違いじゃん。 

 しかもラノベとかでありそうなやつだし……



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