第12話 皆の為に

“蒼渓清、実は大事な話があるの。”

“何、凍氷冷?”

“実はね、この国は危険な国なの。”

“危険な、国……?”

“そうよ、危険な国よ。”

“どうして?町には炎も上がってないよ?”

“この国は戦争好きなの。”

“!”

“戦争好きだから当然、強い国なの。しかもこの国は特別な能力や力を持つ人間を子供の内に攫ってきて、教育するの。“お前は戦う為に産まれてきた”ってね。”

“!”

“だからこの国は危険な国なの。でもね、大丈夫。蒼渓清は私達が守るから。私と蒼渓清でお母さん達の分も、幸せになって、毎日を楽しんで、生きていこう。”

“うん!”

“でも、その為には準備が必要なの。だから蒼渓清も手伝ってくれる?”

“うん、何でもするよ!2人でいや、でも……。”

“どうしたの?”

“……凍氷冷、私どうしても叶えたい夢が出来ちゃった。でも、凄く難しい事。”

“聞かせて。”

“ここからずっと遠く離れた所で朱緋蓮や奏碧奈、凍氷冷、固岳晶、痺零紫ひれいし、妖夢幻、幽羅陰、輝光皇、雷電彩、空天翼、そして私で……皆で毎日幸せな日常を過ごしたい!そんな幸せな日常を過ごす為の国が、世界が、家が、居場所が欲しい!”

“!”

“駄目……かな?”

“そんな訳ないじゃない!凄く素敵な夢よ!”

“!”

“でも、驚いちゃった。まさか、私と同じ事を教えるなんて、ね。”

“凍氷冷も!?”

“うん♪私達の手で現実にしよ!”

“うん。私、頑張る!”

“蒼渓清。絶対に言う事聞いてね?私達が生きる為に。夢を実現する為に。例えそれがどれだけ悲しく、辛い事でも。絶対に言い付けを守ってね。”

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