第13話 「約束したから」
「そうだ、凍氷冷と約束した。」
「!」
「ナルウミ!」
「大丈夫か!?」
「うん……。」
「悪い、俺が……加減が足りなかった。」
「ゲンムは……悪くないよ。」
「えっ……?」
「私が、悪い……。」
「ナルウミ、何か“見た”のか?」
「思い出した、封印してた記憶、を……。」
「封印してた、記憶……?」
「帝国を出る前の、記憶……。」
「「「「!!」」」」
「レイとの、約束を……。」
「……。」
ゴンゴンッ。
校長室側の扉を激しく叩く音が聴こえてくる。
「……行かなきゃ。昨日鍵、閉めちゃってたから……怒ってる、かな?」
ふらつく足で起き上がる。
「!」
バランスを崩し、倒れそうになる。それをシュウが支えてくれる。
「クウ、ナルウミと一緒に行ってやってくれ。俺とソーナは“ここに居ない”事になってるから。」
「シュウ……。」
「1人で背負うな、少しは頼れ。」
「ごめん、ありがとう……。」
「ああ、分かった。ナルウミ、今日は何もするな。良いな?」
「……分かった。クウ、行こう。」
「うん……。」
2人は寝室を後にする。
クウは私をソファに座らせ、扉の鍵を開け、扉を開けた。
「君は昨日の……。ナルウミは、大丈夫か?」
「……。」
「ナルウミ!」
「大丈夫!?」
「うん、大丈夫……。ちょっと嫌な事を思い出した、だけ……。」
「今日はじっとしてろ。」
「そうよ、皆には私達が言っておくから。」
「君、名前は?」
「え、あ……💧」
「良いよ、いっそ皆も紹介しよ。」
「うん、私はクウ……。宜、しく。」
「宜しく、私達で良かったら何でも聞いてね。」
「わ、分かっ……た。」
「クウ、皆も呼んできて。」
「え、あ、うん。わ、分かった💦」
「!」
「朱髪がシュウ。碧髪がソーナ。赤紫髪がゲンム。黒髪がユウ。黄緑髪がクウよ。」
5人は名前を呼ばれた順に頭を下げる。
「全員私の幼馴染よ。」
「!」
「まだ3人居ないけどね、その内来ると思うわ。」
「そうか、いや……驚いた。こんなに人が居たとは💦」
「勝手に、申し訳ありません……。事情があって、ナルウミの所で、暮らす事、に、なり、ました……。宜しく、お願い、します……。」
シュウは緊張しながら、驚きながら、怖がりながら挨拶をした。
「そんなに堅くなるなって💦」
「そうよ、気軽に、気軽に💦」
「と、とは言って、も……。」
「シュウ達は他人恐怖症なの。」
「あっ、それで……。」
「大丈夫だ、ここには君達の事を悪く言う奴は居ない。安心してくれ。」
「は、はい💦あ、ありがとう、ござい、ます💦」
「そっか、シュウ。君達はナルウミの幼馴染、なんだ。じゃあ安心出来るや。」
「えっ……?」
「ナルウミを宜しく頼む。」
「えっ、あっ、はい!も、勿論、だ!」
「さて、と。じゃあ私達は仕事に戻るわ。後、宜しくね。」
「何かあったら直ぐ呼んでくれ。」
「は、はい!」
……パタン。
「フ~……。」
シュウは恐怖と疲労で崩れ落ちた。
「こ、怖かっ、た……。」
「お疲れ、様……。」
「ナルウミ!」
「ごめ、ん。私、も。疲れ、ちゃった、みた……い。後、宜、し、く……」
「限界、だったんだな。」
「フ~、でもびっくりしたよ。急に皆も紹介する、だなんて。」
「隠し通せないと思ったんじゃない?」
「ああ、その可能性もあるな。」
「でも、これで良かったと思う。」
「まぁな。」
「クウ、ちょっと手伝って。寝室から枕と布団持ってこよ。この状態じゃ、首痛くなるし、風邪引く。」
「うん。」
「さて、と。今度はどんな夢見てるん、だろうな……。」
「「……。」」
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