管狐
管狐1 夢ー紫苑
ずいぶんと昔の夢を見た。
紫苑が六つの頃、しばらく預けられていた本家の夢だ。年の近い本家の子どもたちと拾った、仔犬の夢。
紫苑の頬がふと緩む。懐かしい記憶だ。
「ふふっ……」
思わず声が漏れる。
ずいぶんと昔の夢を見た。
目の前に落ちた、文字どおりの青天の
拾ってきたのは犬の子でなければ狸の子でもなく、
ポチの思い出に目を細めた時、紫苑の中の狐がぴくりと震えた。
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