第2話

初デートはテーマパーク。


出発の駅にて。


朱莉ちゃん。

「ごめん待った?」


玲奈ちゃん。

「10分くらい待てずに何が大人ですか。」


朱莉ちゃん。

「お詫びのうまい棒。」


玲奈ちゃん。

「さっき何か言いましたか?」


朱莉ちゃん。

「私のうまい棒は何か?やっと来たうまい棒と言いました。」


玲奈ちゃん。

「記憶と一致しますよ。」


手を組んで移動。


テーマパーク。


遊園地コーナー。


玲奈ちゃん。

「なんか大人向けの乗り物はないんですか?」


朱莉ちゃん。

「爆走ゴーカート。」


玲奈ちゃん。

「日頃の鍛錬の成果を見せましょう」


ゴーカートがあってエンジン式であったので。


レーサーのように爆走して事故寸前。


最高速度に達したり。


無理なカーブをしたり。


無謀とも言える運転でも。


ゴーカートの性能や特性を見極めたら。


危ないシーンが無くなりました。


玲奈ちゃん。

「少し諧謔が過ぎましたかね。」


朱莉ちゃん。

「いいえ。」

「とーっても昇天しそうでしたなあ。」


玲奈ちゃん。

「楽しめて何よりです。」


観覧車は楽しめました。


玲奈ちゃん。


キャラクターマスコットに背後から突き。


キャラクターマスコット反撃してくる。


ひらりと避けつつじゃれている姿を見て。


朱莉ちゃん嫉妬する。


朱莉ちゃん。

「私のれなちゃん取らないでよ。」


玲奈ちゃん。

「私の獲物を取らないでよ。」


ぷくーっと膨らむ朱莉ちゃん。


ちょっと雰囲気が悪くなりつつ。


アトラクションは一種の演劇で。


テーマは宇宙旅行。


隕石が降ってきたり。


UFOに遭遇したり。


機械が故障して生還したりする宇宙開拓アトラクション。


一種の演劇のようで楽しめました。


玲奈ちゃん。

「さっきのはなしで。」


朱莉ちゃん。

「何の事?」


玲奈ちゃん。

「かわいいです。」


朱莉ちゃん。

「れなちゃんも。」


擦り寄って。


ベンチにて。


百合全開なふたりに対して。


ちょっとにんまりしている女の子も。


百合花(ゆりか)ちゃん。

「お姉ちゃん彼氏できたんですね。」


美桜ちゃん。

「今日ここに来ているとは知っていたけれど。」

「あそこまで進んでいるのね。」

「遠くから見ておくわ。」


渚(なぎさ)ちゃん。

「新時代の女の子はあんなふうになるのかあ。」


美桜ちゃん。

「女性だけは遅れているわよ。」


渚ちゃん。

「歴史においては。」

「女性の進歩は大幅に遅れています。」

「それは大多数であって。」

「一握りの女性は男性と同格ってこと。」


美桜ちゃん。

「どうやら神様は人を平等には作らなかったみたいですなあ。」


渚ちゃん。

「それは平等の意味が違うかと。」


百合花ちゃん。

「発見されたら邪魔しちゃいます。」

「立ち去りましょう。」


このテーマパークは「喜劇」をテーマにしたアトラクションが多く。


とても満喫できました。


玲奈ちゃん。

「わたくしの生も喜劇になりなさい。」


朱莉ちゃん。

「それいいかも。」

「わたしの生もコメディであれ。」


テーマパークでいっぱい遊んで。


夜になる帰りの道。


駅は割と暗くて。


花壇の公園があり。


7時頃かな。


朱莉ちゃんが玲奈ちゃんにキスを敢行。


朱莉ちゃん。

「かわいい。」


玲奈ちゃん。

「うふふ。」

「わたくしも女性であるという事実に気付きました。」

「どうもありがとう。」


朱莉ちゃん。

「好き。」


ふたりは解散。


この日の初デートは喜劇そのものでしたよ。

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