第4話 地球外生命論
子供が持つ、この世の全てに対する好奇心は、
自分が存在することになった世界を理解するために必要で、
その対象はなんら方向性を持たず、およそあらゆる事に向けられる。
共通項はただ一点、「未知」であるという事だけだ。
当然、俺にも子供時代はあった。
そして、ひたすら「未知」なモノへの好奇心のままに、
持てる五感の能力と、
残念ながら、とびぬけて優秀とは言えなかった頭脳を、
様々なものへ向け、行動していた。
枕元でカマキリの卵を孵化させ、顔中カマキリまみれになったり、
バケツにいっぱいのカエルを捕獲してきて、その鳴声で家族を不眠にしたり、
初めて見た「タバスコ」を「ケチャップ」だと思い込み、
一口で泣くほどの量を勝手にかけて、食べられなくしたり、
爆竹を犬のう〇こに刺して火をつけ、破裂させ、
自分を含めた悪友共々、付近一帯を大変なことにして、
近所のおじさんに怒鳴られたりしていた。
そして、その当時、その年代の男の子の当然の流れで、
テレビやマンガに登場する、
地球を守るヒーローだとか、怪獣だとか、宇宙船だとか、
そういうモノに興味を持った。
でも残念ながら、俺には、
何かを極めたり、夢中になったり、
突き詰めたりする能力はなかったし、
そういう事よりも、もっと直接的な人間関係構築に必要な知識や
学校での勉強を強制された結果、
そういうモノへの興味を口に出すことは、
一つ歳をとるごとに無くなっていった。
しかし、である。
もう、こんな歳になったけれど、
興味そのものを無くしたわけではないのだ。
もちろん、架空なものと現実との区別は、
大人としての分別の範囲内では、きちんと判断しているつもりだが、
それでも「未知」なモノへの興味は尽きることがないのだ。
どんなに、常識外なことであろうとも、
宇宙レベルで考えれば、あるゆる事象や物事が
「絶対に存在しない事」の証明など、不可能だと思うからだ。
だから、俺はいまでも、
「未知」なモノ「不可思議」なモノは、大概信じている。
①地球外生命は絶対に存在している。
UFOに乗って地球にきていたりするかは別として、
無限ともいえる宇宙空間の中で、
生命が誕生したのが、地球だけであることの方が、
どう考えても確率が低いし、ありえないと思う。
②宇宙人も、おばけも、UFOも、UMAも、秘密結社も、古代文明も、
世の中の不思議なモノ・コトは、全部存在すると信じたほうが、
ただ、ただ、楽しい。
結果、俺の家の本棚には、
この歳になっても、そういう関連の書籍が並び、
女房からは、なかなかに冷ややかな対応をされている。
(でも、本望だ!)
「論」とは言いながらも、
俺は誰にも強制もしないし、共感も求めないし、反論も受け付けない。
ここにあるのは、
「俺だけが信じている正論」
である。
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