第36話
魔族という古来から続く。
魔術師の一族がおり。
代々黒魔術を受け継いでいましたが。
最近は数を減らして。
殺し屋家業も廃業。
彷徨っている連中は。
主犯格を数人殺害して。
使い勝手の良い傭兵としてたらい回しになっています。
今日はショッピングモール。
財政状態が良好なので。
久しぶりに散財。
すみれ。
「遣り繰り上手が金銭の鉄則。」
乃土香。
「金銭はすべての必要に応じる。」
日葵。
「お金は大事だよー。」
「金銭欲?」
「健全な欲求と言いますか。」
「お金を求めるのは必要な事だと思います。」
「食べ物と同じように。」
すみれ。
「それには賛成するわ。」
「否定してもいいことないでー?」
乃土香。
「あれ?エセ関西弁まだ直らないの?」
すみれ。
「そうみたい。」
「本物の関西人に教えを乞うしかないみたいや。」
苺花。
「学べ、さもなくば、去れ。」
日葵。
「Aut disce aut discede.」
すみれ。
「ラテン語はステータスなんやけど。」
日葵。
「アウト・ディスケ・アウト・ディスケーデ。」
すみれ。
「お見事。」
乃土香。
「こうして堂々とお買い物できる。」
「あの気違いどもめー!!」
苺花。
「酷い戦乱は去った。」
「市民はスケープゴーティングに陥っていたかな。」
すみれ。
「スケープゴートが必需品?」
「批判的思考を持たないロボットめー。」
「なんてね?」
日葵。
「他山の石。」
「経験は愚者の、理性は賢者の教師。」
すみれ。
「人は試されると獣に過ぎない事が明らかになる。」
「戦争で足手まといだったのは大衆だったわ。」
「酷い戦争は終わった。」
日葵。
「平和は戦争から生まれる。」
苺花。
「それはギリシャやカルタゴの王などの伝記を残したネポスの言葉だよ。」
「そのままの意味を持つ言葉。」
すみれ。
「最初に平和は存在しなかった。」
「自然状態は平和で無かったけれど。」
「戦争を覚えたことで平和も知った。」
日葵。
「日頃の鍛錬の成果だよ。」
乃土香。
「そうだよ。」
「その日を摘め。」
すみれ。
「いい具合。」
「みんなキレキレやなー。」
高級品に目を通した後。
安物を見てみる。
すみれ。
「なんかテーマに沿った。」
「芸術的なコーデにしたい。」
日葵。
「ファッションはいつも芸術的。」
「これなんかどう?」
ロングスカート。
大人の女性向け。
かわいい花柄で。
上下の統一感がある。
すみれ。
「まあ悪くはないわ。」
苺花。
「マントみたいに上着に被れるって。」
すみれ。
「うわあかっこいい。」
荷物が増えていく。
そこそこの価格でした。
乃土香。
「さて休憩を挟まないと。」
すみれ。
「そうしよっか。」
走ってくる女の子を目撃。
全力疾走。
お店に突入して。
怪しい術を使って隠蔽。
万引きした。
すみれ。
「御嬢さん?ちょっといい?」
魔族。
「えーと。」
「しくじったってことでいい?」
乃土香は杖をどこからか取り出して。
燃える石を先端にセッティング。
この石はとある場所の海底に実在しており。
理由もなく燃え続ける為に。
常に水に漬けて保管されている鉱石。
乃土香。
「手柄頂きっ!」
魔族の攻撃。
苺花。
「なにするの!」
すみれ。
「当たらなければいいの。」
手袋の中の鉤爪が仕込んであったものの。
敏捷性に優れる魔法少女に攻撃が当たらず。
万引きの魔族は必死に逃げようとする。
すみれ。
フレアで攻撃。
激しい炎を前方に発射。
電子ビームでもあり。
強い衝撃波が発生。
魔族はとっさに避けるものの。
かすって吹っ飛ばされた。
そのまま壁が半壊。
倒れた魔族。
グレネードを手に持つが。
すぐに追撃される。
乃土香。
「焼け死ね!」
乃土香は杖を回転させて。
魔族に叩き付けた。
大爆発して。
魔族重傷。
すみれ。
「あの時の生き残り?残党?」
日葵。
「一応はさっきまで味方でした。」
苺花。
「通報したよ。」
同じショッピングモール。
帰宅しようと。
使いの者が来ている。
千夏。
「国会議員の特権って快適なんですけど。」
従者。
「まあ羨望の的になる前に。」
「立ち去りましょう。」
美香。
「こんな豪華な車もあるんだ。」
「この車のミニカーある?」
従者。
「どこかで見かけましたが。」
千夏。
「購入した時に模型をプレゼントされてますからー。」
「それで良かったらあげますけどー。」
美香。
「やった!」
魔族の子。
「あんたがチカね?」
千夏。
「それはこちらの子の事ですよー。」
美香。
「私がチカだけど?」
魔族の子。
「は?どうでもいいわ!」
「勝負よ!」
美香に近接攻撃を繰り出すものの。
間合いを測って攻撃を回避。
魔族の子は深追いして。
美香。
相手のパンチに対して。
左手で払いのけて。
半身で避けつつ。
攻撃を入れるも。
いまいち効かない。
魔族の子。
「ぎゃあ!顔に当てるな!」
千夏が逃亡。
美香。
「私はミカ。」
「チカはあっち。」
魔族の子。
「そういえば特徴が・・・なにしてくれてんの!」
魔族の子は追いかけていく。
千夏。
「阿保に構ってないで行きますよー。」
美香。
「ちょっと手を抜いたかな。」
高級車で退場。
魔族の子。
「追いつめたぞ!」
チカ。
「ワードウシヨウ。」
魔族の子。
「ふざけているの?」
チカ。
「ココデショウブダ。」
魔族の子。
「無様な姿を撮影してやるから!」
魔族の子は近接攻撃。
今度はヒットするも。
破裂して消えてしまった。
おまけに毒ガスがまき散らされて。
魔族の子は麻痺して動けなくなった。
千夏。
「囮を食らったみたいですねー。」
美香。
「ドッペルゲンガー。」
「あんなんで引っかかるんだね。」
千夏。
「設定通りにしか動かないんです。」
「途中で気付いてもいいんですけど。」
美香。
「自分の水準で物を語っているから。」
「相手が大幅に劣っていたらああなるの。」
千夏。
「そうですかねー。」
「納得です。」
乃土香はお手柄。
乃土香の名声が上がったので。
ひとりで喜んでいる。
警察にバカ正直に話して解放され。
ショッピングの休憩にと。
フードコート。
すみれ。
「さっきの見ていると。」
「善良市民ってなんなん?」
紗莉奈がやってきた。
紗莉奈。
「非常に善人なので何の役にも立たない。」
日葵。
「それはそうだよ。」
すみれ。
「今日はやけにキレキレやなあ。」
「このあとどうする?」
苺花。
「バッティングセンターがあるとか。」
すみれ。
「いいかも。」
「そっち行こう。」
バッティングセンターで勝負。
どのくらい好成績になるか?
すみれ。
「あかんわ。」
「球速違う。」
日葵。
「最高170出るとか。」
苺花。
「私の番?」
「だめー!打てない!」
紗莉奈。
「行けそう。」
「ほら打った。」
紗莉奈がヒット3本で勝利。
あかねちゃんと合流。
あかねちゃんもチャレンジ。
やっぱり打てない。
あかね。
「高性能マシンみたい。」
「いま話題になっている。」
すみれ。
「え?あの悪名高い究極の投手?」
「どうりで打てないと思った。」
紗莉奈。
「テレビ・爆炎体育会で有名な。」
「トンデモマシンだから。」
「これ打つのは猛者くらいなものかも。」
すみれ。
「確かに。」
「それでは野球の魅力について語ってみる?」
あかね。
「野球はのんびりスポーツです。」
紗莉奈。
「野球の魅力について誰も語らない。」
「さっきまでは。」
日葵。
「野球って独特な味があるし。」
苺花。
「サッカーは解り易いけれど。」
「野球って簡単なスポーツ。」
「意外に奥が深くて高度。」
乃土香。
「サッカーは自由自在に動ける。」
「サッカーボールが飛び回るのが魅力みたい。」
「野球は勝負あるのみ。」
紗莉奈。
「サッカーボール自体に魅力があったりして。」
「サッカーが簡潔なのに比べて。」
「野球はシンプルなのに。」
「ひとつひとつの技術が物を言うし。」
「野球好きにコメントを貰えば。」
「魅力については得られるかも?」
すみれ。
「サッカーが人気なのは。」
「ボールを追いかけたり蹴ったり。」
「自由度と爽快感から来ているみたい。」
紗莉奈。
「野球は基本的に一騎打ちだから?」
あかね。
「たぶん人の趣味に寄るものだと思います。」
「有益な議論です。」
すみれ。
「ちょっと汗かいた。」
紗莉奈。
「他行く?」
すみれ。
「カワラバトがたくさん居る公園があるわ。」
「異議が無いなら行くよ。」
カワラバトの公園。
数えるほどで50羽が歩き回っている。
苺花。
「ハトの餌。」
「さあて襲撃されますよ。」
苺花に群がるカワラバト。
ひょいっと避けて肩に止まらせて。
手から食べさせる。
すみれ。
「ずんぐりむっくりかわいいな。」
あかね。
「自然体のかわいさ。」
日葵。
「この態度がなんとも言えない。」
苺花。
「おいしい?」
「ちょっと多いんだけど。」
紗莉奈。
「掴んでみる。」
「感触いいね。」
すみれ。
「生で見るとたまらない。」
「ずんぐりむっくり。」
「仕草も好き。」
カワラバトの大群が襲来。
退却。
全員購入したハトの餌。
余ったので。
そこら辺に放り投げました。
強い個体は最初に投げた物に集まるので。
おびき寄せて。
後方に重点的に投げて。
弱い個体がゲット。
争奪戦は女の子の頭脳プレーにて。
泥沼化していく。
退場。
すみれ。
「もう夕方くらいになる。」
「解散でええな。」
紗莉奈。
「お昼のランチから。」
「チカが居ない。」
乃土香。
「ミカちゃんも一緒に帰りました。」
「オンラインゲームの大会があるとか。」
すみれ。
「シャルロッテがミカちゃんと組んでいるって聞いているけれど。」
「動画配信?」
「エンターテイメントを届けるってのも。」
「社会貢献のひとつの形なのかも。」
あかね。
「何らかの社会貢献が出来れば一人前だよ。」
「公の場を重視するのは当然。」
すみれ。
「働いて食べて寝る。」
「これすみれちゃん。」
「とっても虚しいと思ってるん。」
「最後に墓地に入るためにそういう態度でいるんやから。」
紗莉奈。
「食べるために生きるな。」
「生きるために食べよ。」
「この言葉の意味が分からないみたい。」
「情けない。」
「何を学んで大人になったのか。」
日葵。
「そこまで虐めなくてもいいと思うけれど。」
苺花。
「にしても。」
「働くだけで終わるのは酔生夢死。」
「シャルロッテちゃんの行動は合理的だと思う。」
すみれ。
「すみれちゃんもいろいろやらないとあかんな。」
「今日はけっこう有益だったわ。」
乃土香。
「正しく自由に語れ。」
紗莉奈。
「そう!それ!」
乃土香。
「とりあいずどこの港に向かっているのかな。」
「どっちの港に航海しているかわからないならば。」
「順風なんてありはしない。」
あかね。
「世界地図とかコンパスがあればいいね。」
日葵。
「私に至っては。」
「さまようしかないかな。」
乃土香。
「さまよう人がみな道に迷っているわけではない。」
あかね。
「その通り。」
すみれ。
「その日を摘め。」
「すみれちゃんそれ出来たでー。」
「あっ。」
「もう4時20分。」
「解散。」
「遅くなるといろいろ困るよ。」
苺花。
「またねー。」
乃土香。
「少し急ごう。」
「5時には家の中!」
日葵。
「最後に記念撮影すると。」
「今日を摘んで花になるよ。」
「花冠。」
すみれ。
「やるしかないわ。」
撮影タイムを10秒に設定。
女子高生のフィルムが記録され。
この日は黄金色でした。
Carpe diem.
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