第32話

暴力革命。


人民が武力で国家権力を握ろうとする革命。


民衆扇動によって突如発生した暴動。


一部二十万の暴民が暴動を頻発させ。


経済や治安。


交通網を破壊。


言い掛かりで暴行される一般市民も多発。


自衛隊が発砲するなど。


いきなり激戦と化しています。


有事の切り札である魔法使いに動員依頼が出されて。


暴徒の大半が原因不明の体調不良に陥り。


魔法攻撃が加えられるなど。


暴徒は初戦から敗戦気味。


魔法少女は基本的に激戦には参加しません。


未成年ですからね。


依頼されたのは。


付近の様子を伝える係。


夜の公園で密会。


すみれ。

「何か変わったことない?」

「些細な事でもいいから。」


千夏。

「集団で固まっている事は明確ですねー。」

「街の様子は変わりませんよ。」


紗莉奈。

「集団になった時しか暴れないみたいだよ。」


苺花。

「首謀者がいるみたいだけれど。」


日葵。

「でも暴民は統率が取れてないよ。」

「どっちかと言うと。」

「集団毎に勝手に行動している?」


すみれ。

「戦争には必ず目的が必要。」

「目的の達成が不可欠。」

「権力を握ろうと言うのであれば。」

「それはかなり無謀だと思うなあ。」


あかね。

「前々から政治不信が大きくて。」

「なんか暴説がいっぱい出回っていたよ。」

「積み重ねから来る愚行だと思う。」


乃土香。

「なんか王様は独裁とか言っておいて。」

「今度は民衆の独裁だよね。」


美香。

「王様は自分勝手と言いながら。」

「本当は民衆の方が三倍は自分勝手なんでしょ。」


あかね。

「自由意思によって堕落することも。」

「悪化することもできる。」

「自由を行使して悪い方に使い。」

「平等と称して悪平等になった。」


すみれ。

「文明がいきなり高度化したから。」

「たぶん。」

「単純な頭なんだと思うわ。」

「人間の脳はパターンを識別するから。」

「そういう所を上手に突いたんやな。」


あかね。

「現代人は脆弱性を持っているから。」


美香。

「偶然成立した考えにすぐ同調するとか。」


乃土香。

「そうそう。」

「たまたまそうなった展開に同調する。」


日葵。

「人間の愚かな知恵が具現化したような。」

「あれで自分たちを誇っているのは。」

「なんか滑稽だよね。」


苺花。

「少しばかり発展した程度で。」

「増長するなんて。」

「頭が可哀そう。」

「あれって。」

「現代版の一揆だよね。」


すみれ。

「自由を行使した結果は現代の様子を見れば分かるわな。」

「ほんと。」

「自由を行使して。」

「悪を選ぶことも正義を選ぶことも出来る。」

「二の句が継げぬ。」

「依頼はこなすで。」

「現場主義として。」

「街の様子を報告するんや。」


紗莉奈。

「首謀者くらいならなんとかなるよ。」


苺花。

「智謀があるから。」


すみれ。

「ん?どういうこと?」


紗莉奈は使い勝手のいい従者を持っていて。


従者を暴徒のリーダーらしき人物と接触させ。


オンライン会議にも出席。


支持者と偽って情報を抜き取りました。


小雪・小毬姉妹に情報を転送。


首謀者の割り出しに成功して。


続々と逮捕者が出ています。


一役買ったみたいです。


再び夜の公園。


すみれ。

「お手柄っ!!」


紗莉奈。

「やる時はやるんですよ。」


苺花。

「連携抜群!」


日葵。

「今後とも戦争は続くでしょうけれど。」

「民に優しい民主主義。」

「反対に民衆を甘やかして。」

「民衆が腐敗するものだと知りました。」


あかね。

「直接民主制は衆愚政治。」

「間接民主制は何かの失敗に辿り着く。」

「人類は経験を通してでしか学べないみたい。」


すみれ。

「人間の知恵を誇るくらいやから。」

「憐れやなあ。」


乃土香。

「驕りというものはあるあるですよ。」


美香。

「学べば学ぶほど。」

「発見がたくさんある。」

「時には人間の愚かな部分。」

「時には賢明になることも。」


あかね。

「人知には限界があるんだと思うよ。」


千夏。

「明知を持っている人なんて存在しますか?」

「霊知まで獲得する人なんて見たことがありませんねー。」


すみれ。

「知恵の有無で人って内容が大幅に異なるから。」

「にして首謀者がいくら逮捕されても。」

「ほとんど暴動が終わらない。」


シャルロッテ。

「今日もやっているネ!」


紗莉奈。

「あれ?この人。」


苺花。

「そうそう。」

「あの人。」


すみれ。

「今日は何しに来たんか?」


シャルロッテ。

「リーダーとか言うヤツに。」

「おだてて。」

「調子に乗らせてヤッタネ!」

「相当なうぬぼれがあるヨ!」

「でも黒幕はイナカッタカラ。」

「悪感情の積み重ねだとオモウヨ。」


すみれ。

「あんなに簡単に行ったのは。」

「あんたの工作なわけね。」


シャルロッテ。

「情報交換シタイネ。」

「今後とも夜会に参加シタイヨ。」


すみれ。

「小毬ちゃんが言ってたけれど。」

「あんた二重スパイで活躍したって。」

「構わないで。」

「日時はその都度変わるから。」


シャルロッテ。

「ワタシハ大活躍シタヨ。」

「しばらく日本で遊んでいるカラ。」

「滞在期間中にアイマショウ。」


しばらくして。


小雪・小毬が報告書を作成。


何かしらの偶然で発生した説。


テレビの情報を鵜呑みにしたり。


思い込み。


妄想から出た論文など。


推測や憶測など。


多種多様な話に同調してしまい。


政治不信や感情論が重なり。


暴徒化したという。


付和雷同の見本市。


複雑化した構図が背景にあり。


これは有力視された。


二週間後には。


暴徒は鎮圧されたものの。


社会が一般市民と暴民とで二分化されてしまった。


今後とも紛争の火種になりそうで。


政府は対策に追われている。

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