第24話
東京2020年オリンピック。
待望の大会であり。
日本人がもっとも楽しみにしていた。
世界的なイベント。
遂にその日を迎え。
開会式となりましたよ。
各国から観光客が訪れるこの地で。
テロリストと手を組んだ最後の魔女たちと。
過激派魔法使いの集団による。
大規模テロが予告され。
すみれちゃんも駆り出されて。
みんなで歩き回るように指示を受けました。
すみれ。
「遊びがてら散策していよう。」
千夏。
「手柄のチャンスなんですけど。」
すみれ。
「森の中から探し物?」
千夏。
「遭遇できればチカの手柄なんですけど。」
あかね。
「それだけの説明で通じるんだね。」
紗莉奈。
「魔女が相手でも囲んでしまえばなんとかなる?」
すみれ。
「相手の正確な強さも分からないうちに計算しないの。」
苺花。
「あのマスコットなにかに似てる。」
日葵ちゃん。
「模倣から進歩を重ねるのも芸術や科学の正道なのでは?」
乃土香。
「言い得て妙。」
美香。
「遭遇できたらラッキー!的な。」
とりあいず1グループで捜索中。
二十代の女性。
魔法使いの衣装。
それなりの美人がやってくる。
パィスベル。
「お待たせー!」
すみれ。
「師匠。」
「お久しぶりです。」
パィスベル。
「調子いいみたい。」
「そのまま軌道に乗ってみよー!」
千夏。
「この人有名な魔法使いじゃないですかー。」
紗莉奈。
「最強がどうしてこんな所に?」
パィスベル。
「なにって?」
「いちいち理由が必要なの?」
「来てみたかったから来てみた。」
すみれ。
「何か敵の情報でも?」
パィスベル。
「適当に探せばいいんじゃない?」
すみれ。
「えーそんな。」
パィスベル。
「下手な鉄砲も一応は的を狙って撃つ。」
「それで?」
「弾丸でもばら撒くの?」
「無駄弾は撃たないわよ。」
すみれ。
「ああなるほど。」
「それでは一緒に昼食でも。」
「露店がいっぱいだから。」
あかね。
「それだけの説明で通じるのかあ。」
紗莉奈。
「そんなに呑気でいいの?」
乃土香。
「テロリストがいるんでしょ。」
美香。
「やっつけないと。」
苺花。
「私は楽観視してますよ。」
「自分の義務を果たすだけ。」
日葵。
「作者の死。」
「と言われる現象。」
「話し手の言葉と受け手の解釈が一致するとは限らない。」
「ジャック・デリダ。」
「差延。」
あかね。
「受け手が間違って解釈するなんてよくあることだよ。」
「解釈次第でいろんな印象が与えられる。」
「一言でやばいと言っても解釈が様々で。」
「発言の意図とは違う解釈なんて普通でズレはいつものこと。」
パィスベル。
「そゆこと。」
「フロネシス。」
すみれ。
「私はいつでも中庸です。」
「臆病ではなく勇敢。」
「でも無謀ではありません。」
「優れた人間性である徳。」
「幸福の条件ですよ。」
千夏。
「他の魔法使いはどうしたんですかー?」
パィスベル。
「走り回って。」
「情報収集していますー。」
すみれ。
「所で攻撃するとしたら。」
「何が思いつきます?」
日葵。
「爆弾とか自爆?」
「でも対テロ用の兵器で溢れているよ。」
「そこに対戦車用のバリケード。」
「とてもじゃないけれど無理。」
パィスベル。
「判断材料も無いのに推論はできない。」
「そゆこと。」
すみれ。
「なるほど。」
あかね。
「それだけの説明で足りるんですね。」
苺花。
「怪しい場所かあ。」
紗莉奈。
「データ・リンクが表示されている。」
乃土香。
「省エネ行動してます。」
美香。
「体力は温存だよ。」
すみれ。
「無人偵察機も複数飛んでいますし。」
パィスベル。
「街中で攻撃しても分は無いよね。」
すみれ。
「それでは遠くからロケットでも飛ばしますか?」
「なんて。」
パィスベル。
「いやそれ実際されたら困る。」
日葵。
「本当にやったら?」
あかね。
「そんなまさか。」
「でもそれだと。」
「街中でありとあらゆる無人兵器やテロ対処ツールを突破できる。」
すみれ。
「ちょっと無人地帯ないかしら。」
紗莉奈。
「埋立地からなら狙えるよ。」
「あそこ半分廃棄されているから。」
パィスベル。
「ちょっと見てくる?」
すみれ。
「私達はそうします。」
パィスベル。
「決まったね。」
沿岸部の埋め立て地で。
半分廃棄されていて。
コンテナや廃棄品が溜まっている場所があるのです。
自動車の廃品やパーツ。
かつてジャンク・ショップの営みがあって。
それっきり寂れた場所。
パィスベル。
「いや明らかに変な車両があるんですけど。」
すみれ。
「これはなに?」
「カバーの下には。」
「これロケットじゃないですか?」
あかね。
「短距離ロケット砲?」
紗莉奈。
「データ送ります。」
アサシン壱。
「見つかったか。」
アサシン弐。
「この際は戦ってもらう。」
アサシン参。」
「容赦はしないからな。」
苺花。
「いい位置を取りました。」
「射撃します。」
すみれ。
「まいかちゃんいつの間にそんなところに。」
魔女壱。
「見られちゃタダじゃおかないよ。」
魔女弐。
「仲間をやられた分があるんだわい。」
パィスベル。
「はいはい全滅して貰うよ。」
乃土香。
「突撃。」
美香。
「突貫。」
すみれ。
「アルケー。」
すみれちゃん。
炎を纏い。
激しく渦を巻く。
魔女壱があっさり撃破される。
乱戦になるも。
突撃したアサシンが次々に倒され。
戦闘力の低さに驚く。
苺花。
「相手なんか弱くない?」
すみれ。
「魔女のことです。」
「わざと弱く見せて油断を誘っているんや。」
苺花。
「なるほどそれで。」
「引っかからないよ。」
パィスベル。
「食らいなさい。」
「太陽光線!」
光の球。
周囲に炎を纏って。
相手にホーミングして焼き尽くす。
魔女弐倒される。
いい所なしで敵は全滅。
すみれ。
「これは一部隊に過ぎないのでは?」
パィスベル。
「あたしも思ってたよ。」
「本部に連絡してみる。」
紗莉奈。
「偵察機のパターンを読んでいたか。」
もう3部隊いて。
味方の魔法使いが攻撃して撃破しましたが。
すみれちゃん。
遠くのほうに不審船を発見。
すみれ。
「望遠鏡があった筈。」
パィスベル。
「確かにあれ変だよ。」
「直感。」
すみれ。
「手軽な100円望遠鏡。」
「小柄で性能は?」
パィスベル。
「あれもロケット砲だよね。」
すみれ。
「本部に連絡!」
紗莉奈。
「データ共有ばっちり。」
千夏。
「魔女たちにトドメを刺しますかー?」
日葵。
「捕虜にすれば情報が貰えるから。」
「駄目だと思う。」
美香。
「もうちょっと歯ごたえがあればいいのに。」
乃土香。
「きっとろくなものが残ってないんだよ。」
味方がやってきて。
捕虜を引き渡し。
すぐに自衛隊の攻撃機と。
アメリカ軍の攻撃ヘリが上空に現れました。
結果として。
自衛隊が不審船にロケット砲を確認した為。
撃沈。
お手柄。
すみれ。
「スタジアムに戻ろう。」
パィスベル。
「味方の魔法使いだらけだよ。」
すみれ。
「盲点になっている場所とか。」
パィスベル。
「それなら知ってるよー。」
苺花。
「また歩くのね。」
日葵。
「今度はタクシーがあるよ。」
野球の試合が行われている付近で。
ウロウロしているすみれたち。
スタジアム内に不審者が数人いて。
味方の魔法使いが中に入らせずに撃破したと報告がありました。
魔法少女だらけのこの街。
敵は中々無謀な作戦です。
敵のリーダーが特定されて。
味方が追跡していきました。
大公園。
佐々木公園まで追いかけて。
戦闘が発生しているそうです。
大会に支障なし。
パィスベル。
「怪しい所をチェックしておこう。」
すみれ。
「みんなそうしよう。」
地下駐車場。
ひとけの無い場所を捜索中。
会議している黒服の連中を偶然にも発見。
すみれ。
「戦術は伝えた通り。」
あかね。
「いいよね?」
日葵。
「私も即席で指揮・継続します。」
パィスベル。
「あなた方はなんかの新興宗教ですか。」
黒服達。
「そんなところだ。」
「何か用でも?」
パィスベル。
「いいや。」
「テロリストが此処に逃げ込んだと報告があってね。」
黒服達。
「テロリスト?」
「そんな馬鹿な。」
「わたしたちが?」
パィスベル。
「撃破命令が出ているんだなー。」
黒服達。
「ふははは。」
パィスベル。
「なんて冗談ですけどね。」
黒服達。
「この野郎!」
いきなり攻撃してくるも。
ひらりと回避。
黒服10人と戦闘開始。
すみれ。
「あんたら本物なんかい!」
黒服達。
「カマかけやがって!」
すみれ。
「アルケー。」
炎を纏って。
自由自在に操り。
相手は接近できず。
近づくと焼かれて。
魔法の火で炙られて倒れていく。
パィスベル。
「あたしが好きなの?」
黒服達。
「いちばん強い相手は最初に倒さなければ。」
ひらひら避けるパィスベル。
攻撃を打ち払い続ける。
紗莉奈。
「バック・アタック。」
日葵。
「いただきます。」
黒服。
「ぐわっ!」
苺花。
「わあ!」
黒服野郎。
「この!当たれよ!」
美香。
「横からこんにちは。」
黒服野郎。
「んぐわあ!」
乃土香。
「これは上物だ。」
「その首貰い受ける!」
すみれ。
「大将首を貰い受ける。」
黒服。
「ぬう・・・。」
千夏。
「逃げないでくださいよー。」
影が多い地下駐車場で猛威を振るうチカ。
あらゆる影が襲撃し。
黒服達は思うように戦えない。
散開しつつ。
優柔不断に陥った敵から攻撃して。
相手を減らしつつ。
個人の能力で押し続ける。
必然的に十字砲火を浴びて。
敵の数が減る。
パィスベル。
「そんな口説き方じゃ女は落とせないよ。」
黒服。
「これでは分が無いな・・・。」
黒服野郎。
「逃げるしかない。」
千夏。
「待ち伏せしてましたよー。」
黒服野郎。
「うおおおぉぉぉぉぉ!?」
すみれ。
「そんなものかいな?」
「本気を出していませんね?」
「遊んでいるのかな?」
黒服。
「戦闘に余裕があるのか・・・。」
「戦い抜いた猛者のようだな・・・。」
パィスベル。
「意外にも互角じゃないの。」
格闘戦で次々にダメージを与えていき。
数の優勢を失った黒服たち。
特にすみれちゃんに接近できず。
エネルギー砲も炎で打ち消され。
パィスベルの動きの速さと正確性に翻弄されていく。
チカの支援攻撃が強力無比で。
お互いに支援を行う魔法少女同士の連携に苦戦。
黒服達ついに全滅。
黒服。
「投降はしない。」
すみれ。
「させんよ。」
黒服に熱線攻撃。
近接打撃。
黒服気絶させられる。
地下駐車場の戦闘に勝利。
黒服はテロリストの一団でした。
佐々木公園にて。
小雪。
「アキシオン・ブラスター。」
地面が凍結する。
さらに周囲に絶対零度の効果。
リーダーたち怯む。
小毬。
「マイクロ波攻撃!」
マイクロウェーブを受けて。
リーダー失神してしまう。
悪あがきする残りの幹部は。
魔法使いに囲まれあっさり倒される。
リーダーを捕虜にすることによって。
人質にテロ行為が不能になりましたよ。
多数の捕虜を今度は人質にしたので。
テロリストは応戦できず。
狙っていた囚人も特別処置で。
処刑すると脅したので。
テロリストは目的を達成できなくなり。
この日の数か月後に。
次々に逮捕されて。
新聞が賑わう結果を迎えます。
善後処置に尽力しているすみれたち。
歩きながら。
パィスベル。
「あたしの探知能力はどうでしたかー?」
すみれ。
「さすがに真似できない。」
日葵。
「そんな特殊能力があったのかあ。」
「すごーい。」
あかね。
「みんな手柄があったし。」
「遅れは取らなかった。」
千夏。
「すっかり戦闘に慣れたんですけど。」
苺花。
「相手の動きの癖が共通しているから。」
「とうとうやられたりはしなかったなあ。」
乃土香。
「1回に5機倒せばエースだよね?」
パィスベル。
「それは戦闘機の話。」
乃土香。
「同じようなものじゃない。」
パィスベル。
「うん。」
「確かに適用できると思う。」
美香。
「中々相手もやるもんだった。」
すみれ。
「相手さん雑魚ばかりになったわ。」
「思ったより弱かった。」
あかね。
「自分より強いかと思っていたけれど。」
「結果的には相手そこそこだったなぁ。」
紗莉奈。
「一匹の羊に率いられたオオカミ100匹よりも。」
「一匹のオオカミに率いられた羊100匹のほうが勝る。」
「集団もリーダーがいないと意味を成さない。」
「よってリーダー不在の集団は何の意味も無い。」
あかね。
「それはそうですよ。」
「集団がいてもリーダー不在なら動物の群れのほうが優れている。」
美香。
「とりあいずすみれちゃんがリーダーで成果がある。」
乃土香。
「確かに上手に機能している。」
苺花。
「リーダーがいるとこんなに強いの?」
千夏。
「連携は大切なんですけど。」
「全員の力がひとつになるのはみんなの理想なんですけど。」
紗莉奈。
「そうだよ。」
「リーダーによって私達はやっと機能したんだから。」
すみれ。
「いいチームワーク。」
「連携もここまで来ると強い強い。」
苺花。
「私は上手じゃないけれど。」
すみれ。
「全員が必要やで。」
苺花。
「そっか。」
すみれ。
「とりあいずノートがあるんや。」
「歴史から導き出した善い目的。」
「まずオリンピックを有意義に過ごすこと。」
「なるべく満喫すること。」
「自分の果たすべき義務を悟り実行すること。」
「それでいいん?」
美香。
「ミカは反対しない。」
乃土香。
「まったくそのとおりだと思う。」
苺花。
「それでいいと思う。」
「理由を述べられる。」
千夏。
「目的を持って過ごさないと。」
「確かにだめですねー。」
あかね。
「私は補佐するね。」
紗莉奈。
「情報が更新されている。」
日葵。
「提案。」
「自由パトロールですよね。」
「少し遊んでもいいんじゃ?」
すみれ。
「まず意見を聞かせてな。」
「道理にかなった方針が必要やで。」
みんなそれぞれ雑談して。
カフェに入って昼食。
パィスベル。
「すみれちゃんは他の女性とは違う。」
すみれ。
「すみれちゃんは独立者やで。」
「みんながAならすみれちゃんはB。」
あかね。
「女性の腐敗を目の前にして・・・。」
美香。
「あるある。」
乃土香。
「愚かな女を見ていたら。」
「自然に自分を改めた。」
日葵。
「ひとむかし前は愚者の女で溢れていたよね。」
「愚か者を見ているうちに自分を改めるようになったよ。」
「あれはひどい。」
すみれ。
「みんな同じなんやな。」
パィスベル。
「ああも愚かな有様を見せられては。」
「そうなるだろう。」
千夏。
「あんなの女じゃないんですけど。」
苺花。
「それで失望と絶望して。」
「マシな男性と女性を探すようになって。」
「歴史上の英傑や賢者たちの男らしさに惚れ込んだり。」
日葵。
「そうそう。」
「伊達政宗公とか最近では特にかっこいい描かれ方しているよね。」
「歴史上の人物のかっこよさがある。」
美香。
「偉人の女性の勇気と強さは素晴らしいわ。」
乃土香。
「あれらに感化されるわけですよ。」
すみれ。
「そこに共通点があったんやな。」
パィスベル。
「おいしいものが運ばれてくる。」
すみれ。
「午後はどうするん?」
「相談しよう。」
午後は適当にふらついて。
夕方になる前に電車に乗って帰宅しておりました。
東京2020はまだ続いております。
魔法少女もその一部となって。
お祭りのように。
共に喜びました。
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