第22話
普通に発現して能力を使いこなした魔法少女。
あかねちゃん。
ノートにいろいろ書いていますよ。
待ち合わせ場所。
ハトと遊んでいるすみれちゃんを発見。
あかね。
「ハトさんいっぱい。」
すみれ。
「自分から寄ってくるんだ。」
あかね。
「ずんぐりむっくりたまらない。」
すみれ。
「でしょ?」
「ハトはたまらない。」
「特にカワラバトは模様の違いもあって。」
あかね。
「そうそう。」
「仕草も何気にたまらないよね。」
すみれ。
「なんともいえない魅力~。」
今日は小雪ちゃんと小毬ちゃんの元に行くのです。
あかね。
「名門姉妹。」
「データがあるよ。」
すみれ。
「英才教育を受け。」
「独自のアレンジを連発。」
「遂には独自の秘術を編み出し。」
「必然的に司令部の管理役に任命された。」
あかね。
「男尊女卑が覆されるのは愉快。」
「男尊女卑を覆すのは楽しい。」
すみれ。
「なんでも覆されるものやで?」
あかね。
「それはよくあることだよ。」
「賢明」というタイトルで著作を続けている。
本業は作家。
これまでの歴史を整理整頓して。
忠実に伝える。
歴史読本を制作中とのこと。
姉が資料を獲得・編集。
妹が執筆を担当している。
そもそも家の書庫に大量の本が保管されており。
飛びついた結果。
身についた「知恵」であった。
知恵を持つに至った姉妹。
小雪。
「いらっしゃい。」
小毬。
「この地域の魔法少女を管理しております。」
すみれ。
「それで頼みというのは?」
小雪。
「派閥がそれぞれあって。」
小毬。
「争わないで。」
「できるだけ。」
すみれ。
「相手と戦闘になるん?」
小毬。
「無益な戦いだけはやめてほしいから。」
「近況が分からないの。」
小雪。
「みんなにも伝えておいて。」
「できれば説得して欲しいな。」
「情報が足りないから。」
すみれ。
「コンタクトしてみるわ。」
あかね。
「任せて。」
豪邸を後にして。
次の日曜日。
魔力の気配がする女の子をひとり発見。
公園でひなたぼっこしていた女の子。
日葵。
「すべてを疑え。」
「という言葉を基に。」
「そう思っている自分がいる事だけば本物。」
「いかなる人の考えにも根拠が実在せず。」
「誰もが何かしらの事象についての絶対的な根拠が無いと見出した。」
「人について失望しました。」
「別の生き物と思いましょう。」
「彼らは新興宗教の信者だと思いましょう。」
あかね。
「もし~。」
すみれ。
「あれまあ。」
日葵。
「あれ?」
「すみれちゃん?」
すみれ。
「やっほー。」
「てなわけ。」
日葵。
「小雪ちゃんと小毬ちゃんに言われたの?」
すみれ。
「なんかあるようやなあ。」
日葵。
「なんか良くない噂があって。」
「それでみんな惑わされているから。」
「ほとんどの娘が沈黙しているから。」
「大丈夫だと思うわ。」
すみれ。
「姉妹の懸念があったんかあ。」
あかね。
「とりあいずコンタクトしているの。」
日葵。
「気を付けて。」
「みんな敵かと思って疑っているから。」
あかね。
「友達?」
すみれ。
「うん。」
「お嬢様。」
「兵法に熟達しているので。」
「やられた事は一度もない。」
「無敗記録の保持者。」
あかね。
「すごいなー。」
日葵。
「そんなあ。」
「わたしの情報はこれだけ。」
「気を付けてね。」
すみれ。
「忠言ありがと。」
あかね。
「目標は隣の地区だよ。」
緑と木々の住宅街。
木々が生い茂って。
村みたい。
すみれ。
「ここにおるんかな?」
紗莉奈。
「何か用?」
庭でお茶を飲んでいた女の子。
すみれ。
「伝言があってな。」
紗莉奈。
「あんたかわいくない?」
「一緒にお茶しない?」
すみれ。
「喜んで。」
あかね。
「うぇ!?」
お日様ぽかぽか。
紗莉奈。
「わたしは好きなものの為にひたすら行動するのです。」
「周囲に魔法少女が数人いたけれど。」
「僅か数か月で自壊した。」
「残ったひとりになった。」
「そして移住した始末。」
「旅行で外国の旅行で出会ってねー。」
「シャルロッテっていう娘に感激。」
「お手本に自分を磨いているよん。」
「魔法は操縦系。」
「艦船や車の運転技術が発達したかな。」
「操縦なら。」
「なんでもこなせる女の子ってわけ。」
「遊覧飛行に何度も成功したし。」
「スカウトもある。」
すみれ。
「並みの女の子じゃない。」
紗莉奈。
「そっかー。」
「わかるかー。」
苺花。
「あれ。」
「女の子連れ込んだの?」
すみれ。
「あの人も?」
紗莉奈。
「二股じゃないからね!」
一緒にお茶します。
苺花。
「わたしははじめから。」
「魔法少女の能力が低く。」
「それ故に可能性に賭けてみた。」
「能力について探求を繰り返し。」
「結果的に負けない戦い方が身についたの。」
紗莉奈。
「すごい娘だよ。」
「特殊能力が豊富で。」
「パターンなどを解析したり。」
「システムに侵入でき。」
「暗闇で目が見えるなど。」
苺花。
「夜の世界に詳しいから。」
「いろいろと使えるとか言われて。」
「いろいろと依頼も来る。」
「特にレスキューチームが好んでくれる。」
「闇から発生する強力なエネルギーを使用できるよ。」
紗莉奈。
「まいかは地味に強いよ。」
「一緒にお茶していたほうがいい。」
「敵味方がはっきりするもの。」
「そういうわけで。」
「とりあいず今はみんな沈黙している。」
「チカ達は見なかった?」
「あの姉妹は最新情報が欲しいらしい。」
あかね。
「そういうことだったのね。」
すみれ。
「ちょっと行ってくる。」
苺花。
「今度は二股許さないからね。」
紗莉奈。
「女の子は好きだけど。」
すみれ。
「結婚まで行けるといいね。」
苺花。
「わたしはファンのひとりよ!」
すみれ。
「そうなの?」
紗莉奈。
「地下アイドルやっていたから。」
あかね。
「すごっ。」
小田原城の中で。
美香と乃土香。
将棋で遊んでいる。
すみれ。
「おお?」
「これは邪魔したかな。」
美香。
「なに?」
「また小雪?」
乃土香。
「私達は沈黙しているだけ。」
「一緒に遊んでいる時点で大丈夫よ。」
千夏。
「新しい人ですかー?」
「チカたちは何も問題ありません。」
あかね。
「確かのどかちゃん。」
「魔法少女について研究している学者。」
乃土香。
「魔法少女に憧れていたけれど。」
「自分にまわってくるとは思わなかった。」
千夏。
「魔法を解き明かしたいと思っている娘ですよー?」
「研究員のひとりでー。」
「現在は仲間の魔法使いと。」
「各種の実験や研究を続けているんですー。」
「大学に入ることが決まっていたりもするよー。」
すみれ。
「天才少女現る?」
あかね。
「そんなハイグレードなモデルなんですかね?」
千夏。
「自力なんだってー。」
すみれ。
「自力でやるとは。」
「これは偉人の再来ですかね?」
あかね。
「自分の力でやった時点で。」
「尊敬に値するわあ。」
すみれ。
「敬意ですなあ。」
乃土香。
「やーん。」
美香。
「ミカです。」
「かつてアイドル志望で。」
「仲間と一緒にオーディションに行ったり。」
「仲間と一緒に部活を立ち上げるも。」
「見定めて。」
「自ら立ち去って行った女の子です。」
乃土香。
「ミカは何気に凄い経歴の持ち主。」
「はじめから勝ち目が無い計画だった為。」
「早めに身を引いて。
「数年後に仲間はグループを解散している。」
「魔法少女となって。」
「可憐な容姿で返り咲くも。」
「消極的に活動している。」
千夏。
「けっこう頭いいんですよ。」
「人より早くに気づいたんですからー。」
美香。
「恥ずかしい・・・。」
千夏。
「チカはチカで抜群だったんですよ。」
「自分の才能に溺れましてー。」
乃土香。
「才子才に倒れる。」
「なまじ才能のある者は。」
「自分の才能を過信しがちであり。」
「そのためかえって失敗することをいう。」
千夏。
「これ以上はうまく行かないとある時から悟りましてー。」
「自分の路線を変更したんですー。」
「全員が行く道から意図的に外れ。」
「多彩な芸を身に着けた。」
「最高の援護役ですよー?」
「最近は魔法使いや軍隊の訓練で。」
「敵役を務めたりもしているんですー。」
すみれ。
「なんか美学そのもの。」
「人って美術になるんかな?」
「非凡な女の子の集い。」
「みんな自分を持っている。」
「私も自己紹介しますね。」
あかね。
「わたしも。」
けっこう打ち解けました。
最初からフレンドリーな女の子たちで。
一緒にボードゲームで遊んでいます。
夕方になりましたよ。
美香。
「そういえば美咲とか亜実のグループには行かないで。」
すみれ。
「適当に済ますつもりやけれど。」
千夏。
「あいつら凶暴なんですー。」
乃土香。
「あんまり感じのいい連中じゃないから。」
すみれ。
「忠告ありがとう。」
あかね。
「報告しよう。」
すみれ。
「そうやなー。」
小雪ちゃんと小毬ちゃんは。
現状把握しました。
というのも。
司令部の業務で忙しくて。
自分の地域の事が把握できなくて。
半年も過ぎたからです。
小雪。
「情報ありがとう。」
小毬。
「頼れるなあ。」
すみれ。
「このくらい簡単や。」
「また頼んでもいいよ。」
小毬。
「その時は是非よろしく。」
帰り道。
あかね。
「わたしのこと・・・好き?」
すみれ。
「へ?」
あかね。
「最近の女の子は。」
「女の子同士でするみたい。」
すみれ。
「そうなんか?」
あかね。
「なんてね。」
すみれ。
「女の子は好きやでー。」
あかね。
「そっか。」
はじまりの物語は。
さりげなく訪れて。
これが起点になったのです。
女の子はどうあるべき?
「問い」が生じて。
考えさせられました。
この時から女性への探求が開始されて。
女性にして女性を知らず。
女性にして女性を知る者。
だんだんと進歩・成長です。
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