第12話

奥の部屋。


地下への階段があって。


進んでいく。


大きなホール。


大きな祭壇がある。


謎の人物が出迎えた。


金色の重装甲鎧にローブ。


すみれ。

「あんたか?なにしてるん!」


魔神。

「我は魔神。」

「人間は魔法を何に使った?」


すみれ。

「冗談かい?」


魔神。

「見るが良い。」


全身から黒いオーラを出した魔神。


強力で。


部屋一面を覆い尽くす。


すみれ。

「なんや?本物やんけ!」


あかね。

「魔神っていうのは本当なんですね。」


魔神。

「汝らは何に使った?」


すみれ。

「すみれちゃんきっかけを掴んだんや。」


あかね。

「わたしはきっかけになりました。」


魔神。

「許さんぞ人間。」

「しかしお前たちはその力を良い方向に使ったようだな。」

「そろそろ調べねばなるまい。」

「いままで魔法を我を介して与えてきたが。」

「何に使っているか見てまわることにした。」

「その力を自分の物にできるか。」

「すべての者にチャンスを与えよう。」

「今日見た事を誰にでも言うがよい。」

「ワタシはここに居続けるぞ。」


魔神消える。


すみれ。

「なんてものを見たんや。」


あかね。

「魔法の原点は。」

「いにしえの秘術と言うけれど。」

「出エジプト記にも記されている。」

「魔神が仲介していたのね。」


気配が消えた地下室で資料を集めて。


小雪ちゃんと小毬ちゃんのもとへ。


役所の大きなビル。


すみれ。

「そんなん見たんや。」


小雪。

「そんな!あれが本物だったなんて。」


あかね。

「知ったの?」


小毬。

「魔法学者にとって。」

「存在が突き止められていたけれど。」

「まさか。」


あかね。

「他にもいると思うけれど。」


すみれ。

「うちらに来るんなら他の娘も目撃しとるんちゃう?」


小毬。

「他にも目撃者?」

「今は居ないけれど・・・。」


すみれ。

「というわけで調査終了や。」

「また何かあったら頼んでや。」


退場。


小雪。

「魔法使いの新しい展開?」


小毬。

「それは正式化するという意味じゃない?」


いろいろ調べていると。


世界において。


他にも目撃者が複数いたそうです。


魔神が出現してから。


魔法が元々は災いの力であると知りました。


だから扱うのが難しく。


それでもって良い目的に使う事が簡単にはできない。


それを知った途端。


テストのような出来事があって。


何かしているうちに。


魔法が自分のものに。


これまで不思議な力に過ぎなかった魔法が。


わたしのものになっていました。


前より自由に強く扱えるのです。


すみれ。

「知り合いの魔法少女は合格したようやな。」


あかね。

「世界中の魔法使いの3割が脱落して力を失いました。」

「この新しい力を得て再出発。」

「テストに合格したのかな?」


すみれ。

「あれが原点やからしょうがないやろ。」

「歴史的に認められていて。」

「出エジプト記。」

「旧約聖書に載っているのが魔法やから。」


あかね。

「元々の姿に還ったのかあ。」


すみれ。

「良い目的に使おう。」

「魔法はわたしの一部。」


あかね。

「そうだよ。」

「これからも魔法と共に。」


すぐに。


戦争がありました。


でも。


戦争は仕掛けた側の敗北に終わりました。


敵国の政治家が魔法使いの襲撃を受けて。


拘束されて人質にされてしまい。


政治家が魔法使いの猛威に晒されて。


それどころではなく。


敵側が中立国を介して和睦を提案。


戦争はあっけなく終結しました。


すみれ。

「将来なにする?」


あかね。

「画家。」


すみれ。

「同志やね。」


あかね。

「もちろん。」


魔法少女の派閥も合併するなどして。


前みたいな派閥争いは無くなりました。


女の子の美しい姿。


特別な女の子の美学。


最近は川で遊んでいるわ。


水遊びやけん。


太陽の日の下。


鳥が舞い。


花吹雪が躍る。


いにしえから伝わる。


魔法という秘術は確実に受け継がれ。


その後も何度でも歴史に華を添えています。


魔神は受け継ぐ者を欲しがっていたのかな。


いまになってそう思いました。


すべては人類が力を手にする過程。


それは人の望み。


人の業でもあって。


奇跡。


第一章「完」

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