第19話 興味があるモノとないモノの差
————————あれから3人でチキンやピザを囲んで話をした。
【カフェ】
【カフェのドアが開く】
叶「いらっしゃいませ」
謎の女「………」【静かにレジに近づく深めの帽子をかぶった女】
叶「ご注文お決まりでしたらお伺いします。」【笑顔で接客する叶】
謎の女「あの……満島叶さんっていますか?」【下を向きながら尋ねる女】
叶「あの、それなら俺ですけど…何かご用でしょうか?」
謎の女「そっか。あなたが満島叶さんなんですね。」
叶「失礼ですが…俺お会いしたことありましたっけ?」
謎の女「いいえ。私、久米月くんに聞いてきました。」
【春希も顔を出す】
叶「……………」
謎の女「
叶「与長…華月…さん?」
春希「えー!!!この前の雑誌で青葉と一緒に写ってたモデルの?」
華月「はい!久米月くんにこのカフェのコーヒーが美味しいって聞いて来ちゃいました♡」【満面の笑みを浮かべる華月】
春希「そうなんですね〜ありがとうございます。」
華月「それと………久米月くんがいつも言ってる『満島叶くん』にも会ってみたくなって…」【叶に笑いかける華月】
叶「……………それはどうも。」
春希「えーっと、何飲まれますか?お決まりでしたらお伺いしますよ。」
華月「じゃぁ〜アイスのバニララテお願いします。」
叶「はい。かしこまりました。『なんなんだ。コイツ…』」
春希「与長華月ちゃんって、今人気のモデルさんだよ。最近は女優の仕事も少しずつ始めてるみたいで、CMとかにも出演してる。」
叶「春希さん詳しいんですね。」
春希「もちろん、私ミーハーだから」【そう言いながら笑う】
叶「そうなんだ。俺全然興味なくて…」
春希「そうだよね。満島くんは興味があるものとないものがハッキリ分かれてそうだし…。」
叶「………」
春希「えーっと。【雑誌を探しに行く春希】あー、これよこれ。」
【叶の前に青葉と華月が一緒に写っている広告のページを広げる】
叶「あ!これ駅のホームで見たことあります。でっかくどーんって…」
春希「写真でもかわいいけど、やっぱ実物の方が断然可愛いわね。」
叶「………………」【不満げな表情の叶】【笑う春希】
【叶の部屋】
【叶の携帯が鳴る。画面には『青葉』の文字】
叶「はい、もしもし〜」
青葉「あっ!叶〜もしかして寝てた?」
叶「今寝ようと思ってた。」【嫌みっぽく言う叶】
青葉「そうなんだ。ごめんね。じゃ、また今度電話するよ」
叶「ちょっと!!いいよ。別に…仕事は終わったのか?」
青葉「【クスッと笑う青葉】うん。今さっき終わって帰りの車の中だよ。そういえば、さっき姉貴からのメール見たんだけど、カフェに華月ちゃんが来たんだって?」
叶「あー。久米月くんに聞いてきましたとか言ったぞ。」
青葉「アイスバニララテ飲んだって…」
叶「春希さんが言ってたのか?それ。」
青葉「ううん。華月ちゃんから…」
叶「………携帯番号まで交換してるんだ。」【明らかに怒っている口調の叶】
青葉「あ、あー。この前聞かれて…。」
叶「何簡単に教えてるんだよ。バカか。ファンの子とかマスコミに目つけられるぞ。」
青葉「何回も共演してるし、友達だし、一応事務所の人にも言ってあるし…。もしかして怒ってる?」
叶「誰が?」
青葉「叶が…。なんか口調が拗ねてる時の口調だから。」
叶「怒ってません!何で俺がお前に怒るの?意味わかんない!理解不能!!」
青葉「【笑う青葉】」
叶「何笑ってるんだ!?」
青葉「素直に…嬉しくて。」【優しい口調の青葉】
叶「…………は!?お前バカなのか?あー、聞くだけ無駄か」【焦る叶】
青葉「ちょっと前だったらこんな風に叶と会話できるなんて考えてもみなかったからさ。」
叶「……………」
青葉「あんまり会ったことないのに一目惚れしちゃって…思いあまって告っちゃって…嫌われちゃって…結構辛かったけど…今は叶の1つ1つの反応が嬉しくて愛おしくて…」
叶「………恥ずかしい奴だな。お前」【ぼそっと呟く叶】
青葉「いいんだ〜。恥ずかしい奴で」【笑いながら答える青葉】
—————————いつのまにかイライラする感情は消えていた。
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