第18話 手伝いましょうか?

——————————————なんか、すげぇモヤモヤチクチクする。


叶『青葉は、あれからどんどん人気になり、それと比例するように休みがどんどんなくなっていった。女性のファッション雑誌にも抜擢されるようになっている状態……』


【カフェ】

咲良「ねぇ、兄さんすごすぎだよ!今注目したい新人モデル1位にランクインしてる〜。我が兄とは思えない…信じられないよ。」【雑誌を見ながら話す】

春希「そうだね〜私も信じられないもん。カフェも、青葉のおかげでたくさん人が来てくれるようになったけど…」

叶「春希さん、誰も雇わないんですか?」

春希「一応探してはいるんだけど、なかなか見つからなくてね」

咲良「お姉ちゃんの場合は、見つからないんじゃなくて…見つける気がないんだけどね〜」【小声で言う咲良】

春希「ちょっと〜咲良、聞こえてますけど〜」

咲良「おっと」【笑う咲良】

叶「……じゃぁ、俺手伝いましょうか?次のバイトの子が決まるまで」

春希「えっ!?ホントに?満島くん学校とか忙しいんじゃないの?」【笑う咲良】

叶「忙しいって言ってもテスト期間中だけだし、その代わりテスト期間中は、このカフェで勉強させて下さい。特別に」【笑顔で言う叶】

春希「もちろん!満島くんさえいいなら大歓迎よ〜!」

咲良「これは…きっと兄さんも喜ぶね〜」【ニヤニヤしている咲良】

叶「からかうなよ〜」【まんざらでもない様子】

春希「…なんかさ、満島くん変わったよね〜素直になったというか、笑顔が増えた気がする」

叶「…そうですか?何も変わってないと思いますけどね〜」【ごまかしながら言う叶】

春希「そ?ま、いっか。じゃ早速週末からお願いしてもいいかな?」

叶「はい。」【元気良く返事をする叶と笑う咲良】


【カフェ〜週末の夜〜】


春希「満島くん、今日はお疲れ〜初日大変だったでしょ?」

叶「春希さん、この状態を人を雇わずに回してたんですか?スゴイですね〜」

春希「そうよ〜やっぱ一緒に働くなら一緒に働きたいと思う子とじゃないと。

叶「でも、なんで俺を雇ってくれたんですか?」

春希「満島くんは、お店のこともわかってくれてるし、とっても良い子だってこともわかってるしね。」

叶「…どーも」【照れる叶】

春希「これでも飲んで休憩してから片づけしない?」

叶「はい!」【作ってくれたカフェラテを受け取る】


【カフェのドアが開く音がする】


叶「あ、すいません。今日はもう閉店で…」【顔を上げた途端固まる叶】

青葉「お疲れさま、叶」【笑う青葉】

叶「…………え!?なんで?」

青葉「姉貴に叶がこのカフェ手伝ってくれるって聞いて、来ちゃった♡」

【持ってきたチキンやピザを見せる】

叶「春希さんに?………」

春希「そう!満島くんが働いてくれるって言ったその日にね〜青葉も喜んでくれると思ってさ」

青葉「叶、ありがとね。」【改めて言う青葉】

叶「気にするな。カフェのことも春希さんのことも咲良ちゃんのことも好きだし、少しでも力になればと思ってさ。」

青葉「叶〜俺は?」

叶「うるさい。さー食べよー♪」【チキンとピザを開け始める叶】

青葉「叶、ひどいよ〜」【子供みたいにいう青葉】

叶「ハハハー」【笑う叶】

春希「仕事は大丈夫なの?」

青葉「うん、ひとまず終わった。今日朝から撮影でさ。明日は、10時くらいからかな。」

叶「体調は大丈夫なのか?あんまり無理するなよ」

青葉「叶〜心配してくれるんだ?嬉しいよ〜」

叶「…………」

春希「あんた満島くんの前でそんなんなの?笑えるし、満島くん呆れてるじゃん〜」

青葉「うるさいよ!本当に嬉しいんだよ〜」

叶「今の姿ファンにも見せたいよ〜」【と言いながら笑う】



————っていうのは、嘘。誰にも見せたくない。ってことは言わないでおこう。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る