第17話 温かな気持ち

————————————今日は気分がいい…と思ってた。


【カフェ】


叶「どーも」

春希「いらっしゃい。」

叶「カフェラテお願いします。」

春希「青葉に渡せたみたいね」

叶「あ、あの時はありがとうございました。」

春希「いいえ。こちらこそありがとう。いつも青葉を気にかけてくれて」

叶「そんな気にしてません!」【言い切る】

春希「はいはい。すぐできるから待っててね」【笑いながら言う】

咲良「久米月くん、ねぇねぇコレ見た?」

叶「何を?」【携帯の画面を見せる咲良】


『今日特集するのは、話題のモデル久米月青葉くんです。読者モデルとしてデビューし、いろいろな雑誌に登場しています。女性にも人気ですが、男性の間でも人気です。』【撮影現場を特集している番組。インタビューもしている】


叶「…………」

『今回撮影している雑誌も楽しみですね。』【女性のモデルと撮影している様子】


咲良「兄さん別人みたいだよね。」【笑う咲良】

叶「ホント…別人みたいだ。」【落ち込んだような表情】


『特集を組まれて以来、青葉はまた忙しくなった。休みもないほどだ。』



【大学】


【メールする叶】

『おはよう。今日も仕事だよな?あんまり無理するなよ。』

叶「…………メールってこんなに難しかったっけか?」

叶の友達「おっす!何だ独り言か?」

叶「………………」

叶の友達「あからさまに無視すんな!」

叶「……………」

叶の友達「あっ!叶これ見たか?」【ある雑誌の写真を見せる】

叶「………何だこれ。」

叶の友達「久米月くん、女の子のファッション雑誌にも男性モデルとして登場してたみたい。今話題の人気モデルだって。この前はテレビに出てたもんな。まるで芸能人だ。知り合いっていうだけで鼻が高いよなぁ。」

叶「…なんだよ。ニヤニヤして。ムカつく…」【呟く叶】

叶の友達「ん?なに?また独り言か?」

叶「…………」【携帯を確認する叶】



【学食】

【トレイを持って席に着く叶】


女子学生1「青葉くん、本当かっこいいよね。」

女子学生2「ここら辺に青葉くんのお姉さんがやってるカフェがあるらしいよ。行ってみる?」

女子学生1「マジで!?行こう行こう!」【盛り上がる女子学生2人】

叶「………おっ!?」【携帯が鳴り、名前を見ると青葉】

【学食の外へ走る叶】

叶「もしもし」

青葉「あっ!叶〜、今メシ中だった?」

叶「…お、おー。青葉は?」

青葉「俺?俺は休憩中。10分後くらいにまた撮影始まるよ。」

叶「メシは?食ったのか?」

青葉「ううん。後で食おうと思ってさ。それより……」

叶「ん?」

青葉「声が………聞きたくなって…ハハッ」【苦笑いする青葉】

叶「…………恥ずかしくないのか?」【赤面しているが必死に平常心を装う】

青葉「恥ずかしいけど……言いたくなる時ってあるじゃん。」

叶「俺はない!とにかく、仕事頑張れよ!」【焦って電話を切る】

【また携帯が鳴る。今度はメール】

『パワー注入完了!頑張ってくるよ!☺️ありがとう!』【思わず笑ってしまう叶】



————————————ただの、メールと電話なのにな。【胸元をおさえる叶】

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