第11話 水族館デート

———————————一体何をやってんだ俺は!!


琴音「ちょっと、叶!急に飛び出してどうしたの?大丈夫?」

叶「あ、あー………ちょっと急に気分悪くなってさ。ホントごめん。」

琴音「…………そっか。じゃ、今日はもう帰る?」

叶「そだな。ごめんな。」

琴音「わかった。」【寂しそうな表情の琴音】

【歩いて行く2人】


【金曜日】

叶『突然、琴音からメールが来た。』

[叶、この前の埋め合わせ!明日、水族館に連れてって!]

叶「水族館って…」

『俺は、琴音のリクエストを聞くことにした。当然だ。俺の愛する恋人なんだから…。』


【翌日】

———翌日の天気は快晴で、外でデートしたいくらいの青空が広がっていた。


叶「なぁ、こんなに天気がいいのに水族館で本当にいいのか?」

琴音「いいの!私は、叶と水族館に行きたいの!早く行くよ」

【叶の手を掴み引いて行く叶】


【チケットを買って中に入る2人】

琴音「楽しみだな〜。ねっ」

叶「う、うん」

【叶の肩を叩く琴音】

叶「なんだ?」

琴音「ね、あれって久米月くんじゃない?」

【叶が視線をやるとそこには、青葉と親し気な女性の姿】

琴音「久米月くんもデートなのかな?」

叶「さぁな。」【不機嫌な表情】

【走り出し青葉に声をかける琴音】

琴音「久米月くん!偶然だね。こんなところで会うなんて」

青葉「あ、えっ、琴音さん!?」【明らかに驚いた様子の青葉】

【叶がゆっくり近づいてくる】

青葉「満島くんも、あれ?デート?」

琴音「そうなの!あの〜こちらは?」【青葉の隣の女性に話しかける】

青葉「あー、紹介するね。こっちは…」

咲良「初めまして。私は、宇野咲良うのさくらと申します。」

琴音「初めまして。私は、柚原琴音で、こっちは満島叶です。」

咲良「あれ?お二人は恋人同士ですか?」

琴音「そうなんですよ。わかります?」【照れたように腕を組む琴音】

咲良「お似合いですね。ねっ、青葉」

青葉「あーそうだな。」

叶「………………行こうぜ」【不機嫌な表情の叶】

琴音「えー、せっかくだから一緒にまわろうよ。」

叶「は!?何で一緒に!?」

琴音「お二人が迷惑じゃなかったら」

咲良「私たちは構いませんよ。青葉は?」

青葉「俺もいいですよ。」

叶「………」

琴音「じゃ、決まり!行きましょう!」

【青葉と咲良は前を歩いて叶と琴音は後ろ】


【大水槽の前】

琴音「わぁ、見てみて!すごいよ〜。めっちゃキレイ!」

叶【隣を気にしているような様子】「…………」

琴音「叶!聞いてる?」

叶「あっ、ごめん。考え事してて…」【笑って誤摩化す】

琴音「…なんか久米月くんと咲良さんお似合いだよね?」

叶「…そだな。」【下を向いたまま答える】

琴音「気になる?」

叶「は!?何で?俺が気にする必要ねぇじゃん」

琴音「だよね!じゃもっと奥に行こう!」

叶「あー。」【後ろ髪を引かれつつも琴音についていく】


【青葉も2人のことが気になる】【咲良も2人のことを見る】


【夕方になり水族館からの帰り道】

琴音「叶…ちょっと話さない?」

叶「あっ、あー」


【コーヒーを持ちながらベンチに座る2人】

琴音「なんか叶さ、心ここに在らずって感じじゃない?」

叶「!!!!」


———————————俺は本当に最低な奴だ!

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