第10話 モヤモヤの正体

【大学内】


叶の友達「最近さ、叶イラついてない?機嫌悪いっていうか」

叶「いや!コレが普通だ。イラついてない!」

叶の友達「返し早っ!そんならいいんだけど…。何か抱えてるのかなって思ってさ。聞いてみただけ。」


【何かを思い立ったように携帯を取り出す叶の友達】


叶の友達「ねぇ、これ見て!久米月くんのインスタなんだけど、フォロワーがかなり増えてるんだよ。最近、読者モデルだけじゃなくて、色んな雑誌に出たり、広告の仕事もしてるみたいだから。これから色んな場所で見る機会多くなるかもな。」

叶「…興味ない。」【完全に強がる叶】

叶の友達「でさ、気になるツーショット見つけたんだけど…ほれっ」

【画面を叶に見せる。そこには女性と楽しそうに笑う青葉の姿】

『コメント欄:何かこの女と仲良すぎ!ムカつく!』

叶の友達「なんか可愛い子と一緒にいるよな〜。モテる男はやっぱ違うわ〜なぁ」

叶「用事ないなら俺行くから!!」【そう言って歩いてく叶】

叶の友達「ちょっと叶〜何怒ってんだよ!待てよ!」



【1ヶ月後】


叶『なんだかんだで一ヶ月が過ぎた。未だに俺のモヤモヤは収まってはくれない。これが何なのかもわからない状態。イラつく…。』

琴音「久米月さんスゴイよね〜最近じゃ、女の子の間でかなりの話題だよ。モデルの仕事が忙しくて、カフェに来ることも少なくなったもんね。サイン貰っとけば良かったな〜。」【雑誌を捲りながら話しかける琴音】

叶「そうだな〜……なんか別人みてぇ」【青葉の特集ページを見てつぶやく叶】

琴音「姿は見えないけど、今日は来るのかな?」

叶「さぁな。」

琴音「聞いたりとかしないの?」

叶「しないかな。携番知らないし…」

琴音「え!?嘘!?友達だよね?連絡とか取らないの?」

叶「うん。全然。」

琴音「……」【ドアの開く音がしてそっちを視線をやる2人】


【青葉と例の女性が2人で入ってくる】

青葉の姉「いらっしゃい!今日は仕事終わったの?」

青葉「うん。終了。コーヒー飲みたくなって、ちょうどそこでばったり会ってさ。一緒に来た。」

女性「偶然だよ。すごすぎ!」【笑顔の女性】

青葉の姉「そっか。あんたはカフェラテでいい?」

青葉「うん。莉子はキャラメルマキアートだよな?」

女性「うん。ホットね。」

青葉の姉「了解!そこ座って待ってて。あんた疲れてそうだから、姉ちゃんが作ってあげるよ。」

青葉「おっ、サンキュー♪そこ座ろうか」

青葉の姉「あっ、そういえば満島くんと琴音ちゃん来てるよ。」

青葉「おっ、マジ!?」【叶を見つける青葉】


琴音「こんばんは〜」【手を振る琴音】

叶「…………」

青葉「こんばんは。あっ、今日もデートだ」【と言いながら笑う青葉】

琴音「まぁね。久米月くんは、仕事終わり?」

青葉「そう。朝から撮影でへとへとだよ。でも姉ちゃんのコーヒー飲みたくなってさ。」

琴音「あの…1つ聞いてもいいですか?」

青葉「ん?何?」

琴音「さっき一緒に入って来た女性って誰なんですか?仲良さそうに話してるから気になって。」【小声で聞く琴音】

青葉「あー、紹介するよ。彼女は…」【急に叶が立ち上がる】

叶「興味ない!俺帰るわ!」【席を立ちカフェを出る】

琴音「ちょ、叶?…すいません。追っかけなきゃ」【後を追う琴音】

青葉「……………」【心配そうな表情の青葉】


———————————クッソ!何やってんだ俺!

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