第9話 イライラの感情
【叶の部屋】
【かばんを置き、ソファに腰掛ける叶】
叶「あの笑顔は何なんだ。クソ!あいつ俺のこと好きって言ったよな。それで、好きな相手に彼女ができたら落ち込むだろ。普通…。でも、ダメージあんまり受けてません〜みたいな余裕な顔しやがって。俺が逆だったらかなりショックだけどね。そいでもってあの余裕な笑顔は何だよ!ムカつく!!」【頭をぐちゃぐちゃにする】
【携帯が鳴る】
叶「おっ、LINEか…琴音だ。」
[叶、明日カフェでランチしない?その後映画でも見に行こうよ♡]
叶「オッケーっと。とりあえず、シャワーでも浴びるか。目を覚ませ俺!」
【そう言いながらシャワールームへ向かう】
【大学】
叶「なぁ、普通好きな奴に恋人ができたらショック受けたり、あからさまに落ち込んだりするよな〜?」
叶の友達「うん、まぁそうだわな」
叶「そんな感じ全然…ってか全く感じねぇんだよ。アイツから…」
叶の友達「アイツって…久米月くん?」
叶「うん。ノーダメージ…。」
叶の友達「何?お前それで元気ねぇの?」
叶「いや、そういうわけじゃないけどさ…」
叶の友達「そういうわけあんじゃん!でも、それでよかったんじゃねぇの?彼女欲しかったのは当然として、お前が、彼女ができたら久米月くんが諦めてくれるかもしれないから、彼女作るって合コンも行って、カフェも頻繁に通って、実際に彼女できてさ。」
叶「うん」
叶の友達「じゃ、やったーうまくいった!わーい!って喜ぶとこだろ?普通〜」
叶「うん」
叶の友達「なのに、何で落ち込んでるの?悩んでるの?え?」
叶「知るかよ!そんなの〜」
叶の友達「逆切れかよ!何にダメージを受けてるのか考えてみろ!」
叶「……………」【机に顔をうずめる】
『何だ。このモヤモヤとした中途半端な感情は…』
【次の日】
【カフェに到着する2人】
【窓越しに女の子と仲良さそうにしている青葉を見つける叶】
叶『……………!』
琴音「入ろ〜」【叶の腕を引いて中に入る2人】
青葉の姉「いらっしゃーい!」
青葉「いらっしゃい」
叶「…体調はもういいのか?」
青葉「あー。おかげさまで元気になったよ。ありがとね。」
青葉の姉「そうそう。満島くんありがとね。一晩中青葉の看病してくれたんでしょ?お礼にドリンク奢るから何でも注文して。琴音ちゃんもね。」
琴音「ホントですか?ありがとうございます!」
青葉の姉「あんたが注文聞いて責任持って作りなさいよ。」
青葉「わかったよ〜ご注文どうぞ。」
琴音「じゃ、私はキャラメルマキアートのホットと今日はサンドイッチも食べに来ました。」
青葉「そうなんだ。ありがとう。新作とかも出てるから、好きなの選んでね。満島くんは?」
叶「俺は、カフェラテにするよ。サンドイッチは……」
琴音「私エビとアボカドのサンドイッチにする!叶は?」
叶「……おすすめはあるのか?」
青葉「おすすめというか、個人的に好きなのは、シンプルだけど厚焼き卵のサンドイッチとかかな。」
叶「じゃ、それ。」【素っ気ない態度】
青葉「……了解!今日はお代は結構です!俺の奢り」【笑顔の青葉】
琴音「わーい、ありがとうございます。」
叶「悪いな。なんか…」
青葉「ううん。こちらこそ迷惑かけちゃってごめん。ありがとうね。」
【満面笑顔の青葉】
叶「とりあえず、席に座ってれば良いよな。」【動揺ぎみの叶】
琴音「…………座ってよっか。」
【席に着く2人】
叶『くっそ!調子が狂う!!』
【ドリンクとサンドイッチを持ってくる青葉】
青葉「お待たせ〜お腹空いたでしょ?ゆっくり食べてってね。」
叶「ありがとう。」
琴音「ありがとうございます。いただきます!」
【はにかんで去って行く青葉】
【カウンターのところに来た時に女性に止められる】
【肩を叩いたり、ボディタッチをしながら親し気に話す青葉と女性】
叶「…………」【見ないようにするが気になる】
琴音「叶〜サンドイッチめっちゃ美味しいよ!」
叶「……………」
琴音「叶ってば、食べないの?」
叶「あっ、ごめん。食べるよ。わぁ、美味しそう!いただきます」
【違和感を感じる琴音】
——————————————なんかすげぇ〜イライラする。
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