第6話 気づかぬ想い

【カフェ】


【叶が来店する】

青葉「いらっしゃいませ。あれ?今日は朝から講義?」

叶「うん。まぁ。」【素っ気ない態度の叶】【青葉はいつもと変わらない態度】

青葉「今日は何にする?」

叶「……じゃぁ、カフェラテのホットで」

青葉「了解!」【1000円を受け取る青葉】

「はい。おつりね。すぐ作るから待ってて」

叶「あのさ…俺……彼女できたから。」

青葉「……ふーん、そっかよかったじゃん。おめでとう。」

叶「…………だから。」

青葉「【ドリンクを叶に渡しながら】大事にしろよ。大学いってらっしゃい!」

叶「【どこか腑に落ちない様子】ありがとう。」

【カフェを後にする叶】



【大学内】

叶の友達「よっ!叶〜お前聞いたぞ!ついに彼女できたんだってな〜?羨ましい!」

叶「………………」

叶の友達「ちょい!叶、もう幸せボケか?」【と、言いながら叩く】

叶「いってぇ!!!!なんだよ!急に〜…いってぇーな!」

叶の友達「ごめん、めっちゃボーッとしてたからさ」

叶「ったく!」

叶の友達「彼女って、あの時の合コンで知り合った琴音ちゃんだろ?」

叶「ってか、何でお前が知ってんだよ?」

叶の友達「あー、琴音ちゃんの友達から聞いた〜」【ニヤニヤする】

叶「お前、きもいよ。」

叶の友達「よかったじゃん!琴音ちゃん可愛いしさ。それに、久米月青葉くんから言いよられなくて済むだろ?」

叶「それもそうだな〜よかった。よかった。」

叶の友達「…………」【叶の態度が気になる】


【大学の帰り道】

琴音「あっ、叶くん」

叶「おー、ごめん。遅くなって。」

琴音「ううん。私も今来たとこ。」

叶「とりあえず、飯でも食いに行こうか?何が食べたい?」

【歩いている2人、撮影クルーを発見する】

琴音「あれ?何か撮影してるみたいだよ。行ってみよ!」【駆け出す琴音】

叶「琴音ちゃん!」【後を追う叶】

【雑誌撮影をする人たち】

琴音「あっ!あれって、叶くんがいつも行くカフェの人じゃない?」

叶【目線の先には青葉の姿】「………そだね。」

琴音「そういえば、読者モデルやってるって言ってたよね?何かカフェにいる時と全然違う〜。モデルさんって感じだね。」【笑顔の琴音】

【カフェで見せる時とは違った表情の青葉の姿に言葉が出ない叶】

叶『なんか別人見てぇ。誰だあいつ?』


スタッフ「撮影は以上です。お疲れ様でした〜。」

青葉「お疲れ様でした。ありがとうございました。」

【スタッフに向かって頭を下げる青葉】


女の子「キャー!久米月くん、握手して下さい!」【数人の女の子に囲まれる青葉】

青葉「ありがとうございます。ありがとうございます。」

【笑顔で対応する青葉】


【すると、叶の姿に気づく青葉】

青葉「(女の子たちに)ちょっとごめんね。」【人混みをぬってやってくる】


青葉「満島くん。大学は終わったの?」

叶「まぁな。お前は?撮影か?」

青葉「そう。雑誌のね。今度発売されるファッション雑誌。」

琴音「こんにちは。なんか全然雰囲気違いますね。」

青葉「ありがとうございます。確か…」

琴音「柚原琴音ゆずはらことねです。満島くんと…」

叶「俺の彼女なんだ。」

青葉「あー、彼女さんできたんだもんね。めっちゃ可愛い子じゃん。さすが!」

【親指を立ててGOODのサインをする】


スタッフ「久米月くん!行くよ〜」

青葉「はい!すぐ行きます!…じゃ、またカフェでね。満島くんのことよろしく終お願いします!」【そう言って走って行く青葉】


琴音「すっごく良い人だね。」【叶の表情を見る琴音】

叶「……………そうだな。」【なんとも言えない表情の叶】

【その表情を見て一瞬変な予感がする琴音】


————何とも言えない不思議な感情だ。

それがフツフツと湧き出ていることに、まだ気づかずにいた。

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