第3話 不思議なヤツ

【カフェ】


青葉「あっ!満島くん、来てくれたんだ。ありがとう。」

叶「お前のためなんかじゃねぇからな。勘違いすんなよ!」

青葉「わかってるよ。」【微笑む青葉】


青葉の姉「いらっしゃい。久しぶりだね。急に来なくなっちゃって心配してたのよ。青葉が後先考えず告白したって聞いてさ。ごめんね。ホント…。」

【青葉の頭を軽くこつく】

青葉「やいやい言うなよ〜。それは満島くんにも謝ったからさ。ね?」

叶「まぁ。」【そっけない態度の叶】

青葉の姉「あんたが満島くんのオーダー作りなさいよ。」

青葉「わかったよ〜。…で、何にする?」

【メニュー表を見せる青葉】

叶「じゃぁ、バニララテ。ホット。」

青葉「了解!バニララテのホットね。500円になります。」

叶「……」【何も言わず500円を差し出す叶】

青葉「ちょうどだね。席まで持ってくから、座って待ってて。」

【ドリンクを作りに行く青葉】


——————数分後


青葉「はい。おまたせ!ホットのバニララテっと。」

叶「ありがとう。」【素っ気ない態度の叶】

青葉「どういたしまして。今日は勉強?」

叶「なんで?」

青葉「いや、そろそろ試験の時期かなって思って。最近ウチで勉強している人とかも多いから。」

叶「今から友達と勉強する。」

青葉「そっか、頑張って。」

【とだけ言って去って行く途中で、携帯が鳴る】

青葉「ごめん、姉貴電話出てくるわ!」

【そう言って店を出る青葉】


【青葉の姉が叶のところに近づいてくる】

青葉の姉「満島くんさ、正直青葉の気持ち聞いてどう思った?」

叶「え!」【突然の質問に驚く叶】

青葉の姉「ごめん、突然。ちょっと聞いてみたくなってさ。」

叶「正直……驚いたし、戸惑ってしまいました。俺そういうつもりないし。友達っていうより、知り合いの領域だったんで……」

青葉の姉「まっ、そうなるよね。正常な反応だわ。あいつ変に度胸があるっていうか、肝が座ってるっていうか…。男女関係なく、好きになったら好きだし、自分の気持ちを隠せないところがあるんだよね。そういうとこは、不思議だって思うし、理解に苦しむところもあるけど、でも羨ましいって思うんだ。」

叶「…羨ましい…ですか?」

青葉の姉「なかなか自分の気持ちをストレートに表現したり、素直になるのって勇気がいることじゃん?周りの目とか反応とか気になるからさ。だって、知り合ってまだ間もない男性に告白するって、かなりハードル高い気がするんだよね。私から見たら?」

叶「………………確かに」

青葉の姉「それでも満島くんに告白したあいつはスゴイのかなって…。だからといって、アイツの気持ちに答えろとか、満島くんを責めようとか思ってるわけじゃないから安心して!」【焦りながら叶に言う】

叶「はー………」【戸惑いながらも返事をする叶】

青葉の姉「ごめん、勉強の邪魔しちゃったね。最近、カフェでの勉強を禁止してるところも多いけど、ウチは気にしないからゆっくりしてってね。」

【立ち上がってその場を去る】

叶『良い姉貴持ってんじゃん、アイツ』【関心する叶】


【青葉が戻ってくる】


青葉「(姉に向かって)姉貴、急遽、撮影の打ち合わせが入って今から行かなきゃいけなくなった〜。ごめん、行ってくる!」

青葉の姉「わかった。行っといでぇ〜」


【叶のもとに向かってくる青葉】


青葉「今から撮影の打ち合わせ行くことになってさ。勉強頑張って!ゆっくりしてってね。」【そう言いながらバックヤードに羽織を取りに行く青葉】

【そんな青葉を不思議そうに目で追う叶】


青葉の姉「はい、コレ。飲みながら行きな。」

【そう言ってアイスカフェラテを渡す姉】

青葉「(羽織を着ながら)ありがとう。いってきます!」

【小走りでカフェを後にする】


叶『ますますわからん…。』


———————————とことん不思議な奴だと思った。

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