第2話 キミの名前教えてよ。

—————————————————昨日は、楽しかった。


叶『俺の予想通り、合コンではモテモテで1人の女のコを持ち帰ることに成功した。俺は女に困ってない。むしろ有り余って困るほどだ。』


【大学】


叶の友達1「叶〜、昨日一番可愛いコお持ち帰りしてたじゃん。どうだったよ?」

叶「どうだったって…?普通〜。ホテル行ってエッチして、バイバイしたくらい。」

叶の友達1「ケー番は?聞いただろ?」

叶「うん。まぁ、一応なッ!」【LINEの着信音】

『誰だ〜?おっ、昨日のコか…。』


[昨日はありがとう♡また一緒にごはんとか行きたいなぁ☺️今度の週末空いてるかな?]


叶の友達1「わぁ〜、めっちゃ積極的なコなんだな。俺もモテたい!」

叶[こちらこそありがとう。週末、今のところあいてるよ。会おっか。]「送信っと。週末は琴音ちゃんとデート決定っと!」


『俺の人生は、こんなにも華やかだ。』


【大学からの帰り道】


叶「あー今日もだるい講義ばっかだったな。帰って何しようかな〜」

【目の前には、綺麗な夕焼けが広がっている】

叶「うわぁ、ここから見る夕焼けってこんなきれいだったけ?」

【近くのベンチに叶腰掛ける】


青葉「…あっ」【カフェを出たが、叶の姿を見つけてカフェの方に引き返す青葉】


——————5分後


青葉「こんにちは。」

【声に驚き振り返る叶】

叶「あっ!!!!」

【立ち上がろうとする叶】

青葉「何もしないよ。はい、これ。」

叶「………あ、ありがとう。」

青葉「こんなとこで何してるの?」

叶「何って……夕焼け見てた。」

青葉「あー、ここから見える夕焼けホントきれいだもんね。」

叶「(青葉がくれたアイスカフェラテを飲む)…………」

青葉「……ってかさ、カフェ、来づらくなったったよね?ごめん。俺が急にあんなこと言ったから。」

叶「……………だから俺は、」

青葉「大丈夫!キミに無理強いするつもりはないよ。でも………ごめん。キミに優しくしたくなる気持ちとか、会えて嬉しくなる気持ちとかはどうしても隠せない。」

叶「…………………」

青葉「俺のことは嫌ってくれてもいいし、嫌いでも構わない。ただ………」

叶「ただ、何?」

青葉「…………またたまにでいいから、カフェに来てくれないかな?姉貴も、今まで来てた人が急に来なくなるのは寂しいだろうし。」

叶「……………もう一度言っておくけど、俺はホモではないし、男と付き合う気なんて一ミリもない!断然女の子の方が好きだし、不自由もしてない!!…言ったからな」

青葉「わかったよ。」【笑う青葉】

叶「何がおかしい?」

青葉「…なんか小学生みたいで可愛いなって思った。」

叶「ふざけるな!俺は、21歳の大学2年生!れっきとした成人男性だ!!」

【と言って立ち上がる叶】

青葉「あっ!!名前!名前教えてよ!!」

叶「は!?俺の名前も知らないで告ってくるな!!」

青葉「…………」

叶「満島 叶!覚えとけ!!」

【プンプンしながら去って行く叶。一方、青葉は笑顔】



青葉「みつしま かなえ……か。」

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