安西先生、流石に諦めてもいいですか?
そろそろ飽きてきたわ。異世界。
いきなり何言ってるんだって?
魔法の使えない異世界はかなり暇だぞ。倒すべき魔王もいねえし、国王の命を求める輩もいねえ。
ということで、なんか作ることにした。日本の知識使って。
そのことを同じく暇を持て余してそうなクレピカに聞いたところ、なんか既に作ってるっぽい。
まあ、確かに実年齢は25以上今の見た目はクレヨ〇しんちゃんだが、ドワーフの見た目は年齢ではあまり変わらないらしく、基本ドワーフの女性は年齢不詳らしい。
聞かないのかって?それは俺にザラキ受けろって言ってるようなもんだぞ。
俺のマジックボックスにあるらしく、好きに見てもいいが、危ないものもあるので、丁重に扱えだそう。
俺は四次元ポケットからクレピカの作ったものを取り出した。
手榴弾、ライター、ダイナマイト、日本刀、銃、地雷、毒etc.....
危ないものしかないなあ。
因みに全部使用可能らしいが、魔法でこの威力が出せるからいらないと判断したらしい。
いやいや、セルフでこのレベル出来んのか、えぐ。
「まあ、鍛治王国ドワーフだから作れたんだけどね。おじさん便利だったわあ。」
おいおいおじさん。こんなものクレし〇から頼まれてんの?
断れよ。明らかに危ないじゃん。俺の優しいものしか入ってなかった四次元ポケットにとんでもねえひみつ道具あったよ。
「あーでも毒の方は簡単な雑草から採った奴だから簡単にできるし、レシピ教えておこうか?」
「結構です。絶対いらんわ。」
「いや、それがそうでも無いんだよ。」
「どういうこと?」
「ほら、この間さあ、あなたの肩に攻撃通っちゃったじゃん。あんくらいだったら私のヒールでなんとでもなるんだけど。ヘレンはあれがダメだったらしくて、あなたにもなんか武術を身につかせて最低限の護身術を身につかせたいらしいのよ。」
「なるほど。」
「それでヘレンと話してたんだけどさあ、あなたって非力じゃない。だからナイフとか使えればいいなとは思うんだけど。どう?日本では武術系なんか習ってた?」
「あーなんもやってないわ。」
「あら、ならナイフでいい?」
「まあ、あってそうだしいいよ。じゃあさっきの毒は、ナイフに塗り込むために必要になると。」
「そういうこと。ナイフじゃ首とかを傷つけない限り死なないしね。毒塗って掠らせた方がいいのよ。」
なるほど。まあ、確かにがやられるのは不意打ちとかが多いな。リーチの短いナイフでも十分だとは思う。
折原臨也とかかっけえしな。ハンス・ハンプティみたいに両手にナイフもいいしな。
てか、初号機とか、ガンダムとかもナイフ使ってたけどあれ意味あったのかな?ねえな。
まあ、ナイフはロマンがあるし、かっこいいからいいと思う。明日から訓練しよ。
訓練を初めて3日目。挫折しました。
いやきつくね?ナイフ振り回すだけかと思ったらヘレンウサギ跳び始めさせてきたぞ。
まだナイフ握れてねえし、なんならボクシングみたいなことも始めたぞ。おい。俺は何やってんだ?こんなに顔面ボコボコに晴らして。
まあ、挫折したからってヘレンが許してくれるわけはない。
鬼の兵長はこっちが血反吐吐いててもボコボコにしてくるし、下痢クソしててもボコボコにしてくる。
あいつヘレンじゃなかったよ。とっくにリヴァイだったよ。なんでホモなんだよ。絶対モテるだろ。よって来るから、ドM女どもが。
怖いのが、ヒールが筋肉の痛みを和らげる事ができるってことなんだよね。ボコボコにされても癒されるし、どんだけ筋トレしても一瞬で痛みはリセット。永遠と続く筋トレ。
魔改造だよ馬鹿野郎。
訓練を初めて1ヶ月。やっとナイフを握らせて貰えた。ヘレンとのお手合せでは、飛ぶ斬撃でちかずく前に吹っ飛ばされた。
まだまだだと言われ、ナイフは没収されてしまい、軽く泣いた。
訓練を初めて2ヶ月。やっと飛ぶ斬撃を耐える事ができるようになった。1発目は。2発目で吹っ飛ばされた。いやこいつもう無理じゃね。お前だけで十分だよ。俺の護身術いらないって。
訓練を初めてはや1年。もはや一発目の斬撃は簡単にいなし、今は20発までなら耐えられる。
勿論指1本触れやしないが。
今までで1番大きな傷はヘレンが斬撃を間違えて刃の部分で出してしまった時。一瞬で治ったが。
ヘレンとクレピカ以外に俺を傷つけたやつはあの肩に噛みつき行こう全くいない。てかなんであの攻撃が通ったのか不思議でならない。
盗賊が出た際、ヘレンの斬撃を食らった盗賊は、一瞬でR18指定の肉塊と変した。
俺はあれ20発くらってると思ったら、めちゃめちゃ強くなった気がしたが、ヘレンの削ぎ切りで俺も肉片にされかけた。
ちなみに削ぎ切りは縦に回転しながら切るというそれ女型に攻撃したリヴァイじゃね?ヘレンじゃないじゃん。お前本当は兵長じゃん。
まあ、1年たった頃には、ナイフの使い方はだいたいマスターした。まあ、兵長には敵わないけど。
そんなこんな過ぎ去ったある日、俺は日課の訓練でヘレンの斬撃が来る前に手榴弾を投げてみた。
シン....
バンッ
パタ...
「もう俺に教えることは無い...これから先、どんなことがあろうと、まあ、せいぜい、悔いの残らない方を自分で選べ。」
「カッコつけてんじゃねえぞごらああああああああぁぁぁ!!!!はあ?あんだけ肉塊に俺はされて結局手榴弾でいいのかよ。なんで免許皆伝みたいになってんの?てかそこでリヴァイの名言無理やり入れるなよ。違和感しかないわ!!!」
「でもこれでかなり強くなったよ。ステータスで言うならH30A30B30C30D30S30合計180ってとこだろうね。」
「なんでポケモンなんだよ。しかもクソ雑魚じゃねえか。誰がヒマナッツだコノヤロウ俺はフェアリータイプだ。ぶっ飛ばすぞカイロス。」
「そうか。じゃあカイロスのかえんほうしゃはいかが?」
「本当に申し訳ございませんでした。」
「てか!いつまで森にいるんだよ!もう1年潜ってるぞ?大丈夫か?」
「ああ、そろそろ出るぞ。ていうか、お前の修行が終わるまで森ぐるぐるしてたし大したところでもないしな。」
「だろうな!俺だって若干気づいてたけどさあ、いい加減にしろや!」
「じゃあ行くか?町?」
「ああ、行くよ。早く行くぞ!」
「テレポート」
「はい。ついたよ。」
.....。
マジかこいつら。
「町着いたけどさあ。検問とかないのか?不法侵入じゃね?」
「魔法を舐めてるの?テレポートで入ってくるくらいすぐにわかるわ。でも、あなたはともかくヘレンと私は王直属の兵なのよ。顔パスよ顔パス。」
なるほど。理解したわ。
「じゃあさ。暇が潰せそうなのしてえなあ。もう十分野宿とかはしたから、この街に住む方向で。」
「私はいいけど...」
「断固拒否だな。」
マジかこのクソ兵長。もうこいつ放牧で良くね?
勝手に旅して勝手に男捕まえて掘ってればいいじゃん。いずれお前にとってのエレンが見つかるよ。
「だめ。ヘレンはあなたの護衛もあるけど、監視の命もあるのよ。一生あなたの周りについてまわるわ。」
う、嘘だろ...こいつが一生俺についてまわってくるの...流石に泣いたわ。
「え、じゃあお前も?」
「私は違うわよ?3年契約。」
なんでそんな海外ボランティアみたいなんだよ。てことは俺はサトシポジションなのか?
ヒロインがコロコロ変わって自分も顔変わるのか?
なあタケシ。お前は歴代ヒロインで誰が1番好き?ジョーイさん抜きでな。
ちゃうわ。不動のお前はピカチュウポジじゃん。いや?俺がピカチュウポジなのか?もしかして?でんきタイプかあ。10万ボルト打てるようになりたいな。
「変なこと考えんな。さっきは別にいいって言ったけど私も旅したいわ。テレポートの登録増やししたいのよ。」
多数決でも負けちまったかあ。嘘やろお。ダウト。
「では今度はどこに行く?」
「あ!エルフ見たことない!私エルフみたい!」
「エルフかあ、あいつらは種族でよく固まってあまり人間の所に顔を出さないから、里に行くのもムズいのだが。まあ、時間もたっぷりあるし、そうしよう。」
エルフは賛成。だって美人で巨乳だろ?行くしかないだろ。
「そんな煩悩塗れで決めるのかお前。」
「お前も同じだろクレ〇ん」
「そう呼ぶな!色々不味いだろ!」
たーしかーに
「細すぎるをするな馬鹿!」
「エルフの里がどこにあるかはあまり明かされていないから、情報収集からしなければいけない。この町にはしばらく滞在して、1年分の疲れを取ろう。」
「「こいつにそんな心使いができたなんて....」」
「永眠させてやろう。」
翌日。俺は冒険者ギルドに来ていた。冒険者登録をしたいからだ。
お金の心配はない。なんなら豪遊しても使い切れないくらい財産は持っている。
暇なのだ。もうヘレンの斬撃25発以上は耐えれる俺はある程度の攻撃は耐えれるのではないか?と思い、暇つぶしも兼ねて、何個か依頼を受けて暇つぶししたいと考えたのだ。
とにかく暇つぶしがしたいのだ。
ギルドにはわかり易くたちの悪そうなゴロツキが酒を飲んでいた。俺らが入ってくると全員急に押し黙った。
なんならかませ犬の1匹や2匹がヤムチャのように来るのを期待していた俺は肩透かしを食らったような気分なんだが?
受付までの道がなかったのがモーゼのごとく綺麗な道ができた。
俺とヘレンは固まって動けない。理解不能すぎて、なんでや?
「お姉様!」
不意に後ろからセリフと似合わぬドスの効いた声が聞こえ、俺は怪訝な顔を振り返って、危うく倒れる所だった。
見渡す限りオネエオネエオネエ。ごっつい顔にボンドでくっつけたくらい不自然な2つ結び。ケツアゴ。馬鹿みたいに濃い化粧。ガチムチの体。10人以上いた。
やべえ集団だった。
俺はそっと後ろに後ずさるが、逆にヘレンは前進した。何考えてるんだ?自殺行為じゃん。
「おい。ヘレン!何やってんだ!死ぬ気か!」
「お前こそこんな可愛い子達放っといて何やってるんだ?」
oh......コイツモホモヤッタワア。
俺はそっとヘレンの後ろに下がって、ゴロツキたちの間を通って、死んだ目で顔の固まってる受付嬢に話しかけた。
「すいません。冒険者登録と、化け物の説明をお願い致します。」
あのオネエ達は、昔は相当柄の悪かったゴロツキだったそうで、よくここに来る女冒険者の身ぐるみ剥がして楽しんでいたそうだ。
そんな事が噂に出回り、女冒険者だけではなく、男冒険者も寄り付かなくなったある日、クレピカが現れたそうだ。
クレピカは森で襲ってきた男を瞬殺。そいつらの悪行を聞いたクレピカは、燃やしたらしい。
あすこを。
強制的な去勢手術を終えたゴロツキどもは、どんどん性格が変わり、昔の行動を反省し、クレピカを姉さんとしたって、食べるのは男になったそう。
めでたしめでたし。
じゃねえだろうがよおおお!!!!
お前なんつー生物生み出してるの?今のこの状況見ろよ!ヘレンが連れてかれたぞ?
いやまあ連れてかれたって言うよりついてったの方が正しいけどさあ 。俺も連れてかれるところだったぞ!私は好みじゃないけどB専のあの子なら頂けるんじゃないかしら。
ごめんなさい。って言われて去られたわ。
あのクソブスオネエに俺拒絶されたぞ?どういうことだよ!いや別にいいんだけどさあ!ウザくね!?
なんなら俺見て哀れみの目で見てきたよヘレン。巨人どもに汚ねえバベルの塔握られて、全然駆逐できてねえよ。駆逐してこいやああ!!!!
「しょうがないじゃない。女の子が犠牲になるなんてダメでしょ?」
「いたいけな男の子が犠牲になるのもダメだろうが!」
「大丈夫。あれは合意の上でやってるわ。」
「ふざけんな!あんだけ前半でドSかましてた兵長が後半になって巨人にぶち込まれてるのは嫌だわ!」
「いや、あの子たちないから。」
「ぶち込むの?兵長ぶち込んじゃうの!?またにぶら下がった硬質ブレードぶっ刺すの?削ぐの?俺そんな奴と一生を添い遂げるのは泣くぞ!!!」
「諦めろ。」
「諦めちゃあそこで試合終了だって安西先生も言ってたろうがああ。安西先生の言葉は大切にしろ!」
「落ち着いて。あれはただのホモなの。なんの危険もないただのホモ。」
「色々ダメだろう!なんなら俺そのホモに召喚直後に全裸見られてるから!若干うんこのついたケツに水かけて貰ってるから!かなり危ないんだよ!俺の貞操が!」
「オゲエエエエエエエエエ」
「うんこの話しただけで吐くな!!!!吐くならせめて外にしてくれよおお!!!!」
この日。ヘレンが帰って来ることはなかった。スッキリしたような、疲れたような顔で朝になって帰ってきて、珍しく昼にぐっすり寝ていた。
俺は何も知らん。
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