哨戒艦と教団の船配置図

◇◇―――――――――――――――――◇◇


        ←〇哨戒艦「さくら」

              ←〇哨戒艦「ゆい」

    ←◆教団S所属「9アース」

                  

            ←〇哨戒艦「つむぎ」

          ←〇哨戒艦「みつき」


〇:政府艦船

◆:教団S所属艦船

◇◇―――――――――――――――――◇◇




北部軍管区所属の艦船「さくら」「ゆい」「つむぎ」「みつき」の4隻は教団の船「9アース」を全速で追う。

たおやめ型哨戒艦「さくら」艦長:石崎大志は教団の信徒を一人たりとも生きて還すつもりはなかった。


「カルトは殲滅 殲滅ゥ!!~」

石崎はそう言うと、砲雷長に指示を出した

「停船に応じなかった場合は対艦誘導弾発射ァ!停船に応じた場合は艦砲射撃開始ィ!」


哨戒艦の音響装置が、停船命令を発し始める。

「こちらは大八州連合海軍、こちらは大八州連合海軍である。貴艦に対し臨検を実施する。即時停船せよ。即時停船せよ」


停船命令はこの國の言葉のみで行われる。これは、外国船であれば領海に侵入した時点で実力行使を行っても問題ないという国際的慣例に則ったものであった。

三度みたびの要求に対しても、「9アース」からの反応はない。

それどころか、当初よりさらに加速している。


砲雷長:山路やまじは痺れを切らして艦長:石崎に一つの進言を行った。

「艦長、どうせ停まらないんでやっちゃいましょうヨ!こちとら、撃ちたくて撃ちたくてたまらねぇんでぃッ!」

山路は生粋の武陽っ子である。そのため堪え性というものがあまりないのだった。


そして艦長:石崎はさらにも増して短気であった。

「よし、対艦誘導弾用意。1番.2番管繋げ。砲雷長、準備を」


彼の号令に従い、山路砲雷長は的確に指示を飛ばす。

電探でんたん繋げ、目標補足。壱弐参ひぃふぅみぃ発射サルボーッ!」


哨戒艦の連装発射管から対艦誘導弾が噴煙をあげながら飛び出す。

弾体は1段目の発射薬を使い切ると2段目に点火し、その速度は音の伝わるそれを超えた。

「さくら」の乗員一同は、轟音を聞きながらカルト教団の敗北を確信した。

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