第3話「初めての合奏」
まだ3人だけれど、確実に良い方へ向いている。
琴音はお箏を、遥は三味線を、俺は尺八を。
それぞれ自分の楽器を極めようとがんばっている。
ある日、翔太は言った。
「なあ、合奏やってみないか?」
「え。合奏」
反応したのは琴音だった。
「合奏ってメッチャ楽しいじゃん。すぐにでもやろうよ」
「でも…」
自信がなさそうに遥が言う。
「私、始めたばっかりで、うまくないし、たくさん間違えるし…」
「大丈夫だよ。俺も始めたばっかりだけどがんばればできるから!」
翔太は言う。
「じゃあ、2ヶ月がんばって、それから合奏な」
「「うん!」」
二人の声が重なり同じ返事をした。
そして2ヵ月後…
「じゃあ、合奏を始めよう。式は、琴音が取って」
「なんで?」
「経験者だから」
「なるほど」
琴音は理解したようだ。
「じゃあ、”せーの”で始めるよ」
「「はーい」」
「じゃあ、せーの!」
すると、綺麗な音色が聞こえて来る。
やがて、演奏が終わる。
「遥、思ってたより弾けるじゃん!」
そう言ったのは翔太だった。
「"思ってたより"は余計じゃ!」
遥はそう言われ怒って、思わず口が出てしまった。
「そうだよ、遥は上手だよ!」
それに便乗するように琴音が言う。
「おいおい、これどうするよ」
困り果てた翔太は部室から出て行ってしまった。
「ちぇっ。もうあいつの言い分なんて聞かなくて良いよ、遥」
「う、うん」
戸惑ったように遥は言う。
『この2人、仲悪いのかな…』
と遥は思った。
2人の仲のよさは分からないが、合奏は成功した。
合奏は成功したが、まだ人数は足りない。
これから、もっと集まり、さらに成長するのか…
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