第62話 『ミアの意外な特技』
<クリス>
通学途中でまさかのナンパ!!
普通あり得ないでしょ
最近の大学生って、頭の中はアレする事で一杯になってんじゃ?
『エロ獣は死ね!!』
そう叫んでしまいたい衝動に駆られる私
思い出すだけでムカムカする~~~!!
と同時に!!
う・・
引っ越しで社宅に戻った時、お父さんと紗耶香さんがえっちしていた光景を目撃した映像と艶めかしい声が脳裏に突然浮かんで思わず反応してしまう
快感に体を仰け反らせ、耐え切れず胱惚の表情で淫らな声を上げていたあの時の紗耶香さんの表情を思い出し・・
体の中が
『キュン』
って反応してしまう
イヤダ!!
私は絶対にあんな事しない!!
私はあんな野獣じゃない!!
思わず否定してしまう私
「クリス・ダイジョウブ?」
私の様子が変なのに気付いたミアが私を気遣って声を掛けてくれる。
私の考えていた事を思い出しチョット恥ずかしい・・・
「ダ・・ダイジョウブ・・うん、大丈夫だから」
そう言えば男達から逃げてきてから、ミアの手握ったままだったんだ・・
周りを見ると、そんな私達を皆が注目している
今さっきの大学生達とのやり取りを見られていたから?
それとも・・
『ツインテールの女の子2人が手を繋いで登校しているから百合だと思われてる?』
「ミア手つないだままだったね。手放すね」
って言って手を振りほどくとしたんだけど・・
「コノママ・・デ・・イイ・・」
う・・
このままで良いって・・
私が恥ずかしいんだけど
無理に手を振り解く訳にもいかず、そのまま無言で学校まで登校する羽目になってしまった私達
靴箱まできて
「じゃ・・じゃ・・・じゃね~」
ってちょっとぎこちない別れ方をしてしまう。
「ウ・・ウン・・マタアトデ・・」
ミアも私に引きずられちゃったかも
ちょっと悪かったかなって反省し手を振ってミアと別れ教室に入る。
別れたら別れたで急速にミアが何か遣らかしていないか気になって来る。
・・・
・・・
1限目が終わると速攻でミアの居る教室に向かう私
自然と小走りになってしまう
『落ち着け!落ち着け私』
『きっと大丈夫なハズ!!』
心にそう言い聞かせミアのいる教室に入ると・・・
自分の席でスケッチブックを開いて無心に何かを書いていた。
それにしても・・
指の間に色鉛筆を一本づつ挟んで・・4本も色鉛筆を持って描いてるって
『何?』
『この光景?』
普通あり得ないんじゃ?
ミアは私が入って来た事にも気づいていないよう
一心不乱ってこんな光景を言うのかも!!
ミアの後ろに回って見ると!!
「綺麗~」
思わずスケッチブックに描かれた風景を見て叫んでしまってた。
「こんなのどうかな?」
私の声に気が付いたミアが私に聞いて来た。
ミアが描いてたのはあの角部屋のL字型をしたウォーキングクローゼットの部屋に寡婦を置いた風景
強化ガラスの窓の前に置かれたシンプルな机に椅子、その横に2段ベット
そのマンションの窓の外に広がる品川のリバーサイドの風景
『それはまるで水彩画のよう!!プロの絵描きになれるかも!!!』
そんな事を思いながら
「うん私もそんな部屋に住んでみたくなる」
「フフッ・ジコマンゾクジジャ・ナカッテ・ヨカッタ」
ミアが嬉しそうな表情で私に笑顔を向けて来る。
つづく・・・
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