第61話 『ミアが優秀すぎて逆に心配』
<クリス>
食事の準備が出来て、ミアを起こしに行ったら、眠そうな表情で
「あれ~もう朝なんだ~私いつの間に眠っちゃったんだろう?」
って不思議そうな表情で私を見て来るミア
私達に緊縛され亀甲縛りのまま大量のおしっこを漏らしながら逝っちゃったミアの面影が強すぎてこんな普通の反応をしてくるミアの姿に思わず違和感を覚えてしまうのは何故?
そんなミアの表情を見ると、食事の準備中にレイラに掛かって来たミアのお父さんの電話の事が頭の中に浮かんでしまう。
昨日の今日だと言うのに、ミアを手放す事を決めてしまったミアのお父さんに対して私は物凄く怒りを覚えてしまってる。
何故?
自分の娘なのに?
何で愛してあげないのか?
そう私のお父さんと状況を重ね合わせているから、こんなにも苛立たしいのかも・・
私はミアのお父さんの事って思いながら、実は自分のお父さんに対して怒りが込み上げているのかもしれない。
何時までも亡くなった人の事に囚われて、そこから抜け出せないのもいけないけれど、皆を幸せにしてあげたいって気持ちになれないの?
そう思うと、イライラしてくる私。
食事が終わった私達は何時ものようにレイラにコーデされ一路学校へ
品川のマンションのエントランスを出たビルの外の歩道に出ると
「今日はミアのお父さんと契約書交わして来るから此処に帰って来るの遅くなるから心配しないでね」
って言って手を振って品川駅の方向に向かってゆくレイラ
私とミアはレイラの向かう方向と反対の道を進んでゆく
そんなミアの手には大きなスケッチブックが抱えられている。
朝も食事をしながら一生懸命にスケッチブックを開いて部屋の間取りを考えていたミア
部屋が歪なL字型の細長い部屋なのでレイアウトを考えるのに凄く悩んでいるっぽい
今日は・・
ミアも私もレイラによって何故だかツインテールにされちゃった私達
ミアはボブカットの短めの髪を両脇でツインテールに纏められて少し幼めのロリロリっ子風
私は長めの髪を頭の上の方で2つにくくられたツインテール
歩く度にふわふわと纏められた髪が左右に揺れて気持ちいい~!!
でもツインテールなんて初体験の私はちょっと気恥ずかしい・・・
「ねえねえ~かのじょたち~これから俺達っと遊びにいかないかいぃ?」
「これからいいとこいこうよぉ~」
対面して歩いて来た2人組の大学生風の男達が声をかけてきてビックリ
え?通学途中の高校生にナンパしちゃう?
『ちょっと頭がおかしいんじゃ?』
思わずそう思ってしまう私
「私達通学途中なんですけど見て解りませんか?」
私は2人の大学生風の2人を睨みながらちょっとキツ目に返答
「いいじゃんいいじゃん学校なんて休んじゃいなよ」
「学校なんていってもつまらないじゃん!それよろおれっちたちといっしょしようぜ~」
全然私の話を無視して話を進める男達
ミアは私の後ろに隠れて小さくなっている
なので逃げる訳にもいかないわたし・・・
『はっきりいって・・・こわい』
「人の話聞いてないんですね」
そう私は言ってミアの手を握った瞬間に歩き出す
「待てよ」
そう言って手を伸ばして来た身長170位の髪を金色に染めたロン毛の男
私はミアの腕が掴まれる前に男の腕を掴んで後ろに捻る
「イタタタタターーーー何しやがる」
レイラに教えてもらった護身術の応用に思わず怒鳴り声を上げる男
「こんな往来で女の子の体に手を伸ばして来るからです。このまま警察呼びましょうか?」
私達の声に通行人も一斉に私達を見る。
「わ・・解ったからはなせよ」
って捨て台詞?
こんなに目撃者が居れば男達も変な事は出来ないだろうな・・
そう思い手を離すと同時に、ミアの手を引いて一気に走る私達
何か男達が言っているようだけど無視!!
一気に歩道を走り抜ける私達
50メートル位走ってやっと止まったら
「ビックリ・・・クリス・タスケテクレテアリガトウー」
って一気に私に抱き着いて来るミア
レイラが付けてくれたミアのシトラスの香水の香りが私の脳を刺激する
ミアの汗と混じった為に少し甘い匂いに感じてしまい・・思わずドキッっとしてしまう・・
「ミ・・ミア・・学校行くわよ」
思わず変な気持ちになりかけた私は、素早くミアから離れそう言って歩き出す。」
「ハ~イデス」
そう言って私に寄り添い歩き出すミア
機能みたいに変態なミアだったら、こんなに意識しないでも良かったのに!!
変な所で文句を言うクリスだった。
つづく・・・
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