第55話 『複雑な気分』
<クリス>
エレベーターで25回の展望レストランステビアまで上がる間、私はミアに抱き着かれたまま私の横に居るレイラの姿を見つめながら・・
何故か
『ミアを引き取らないで欲しい』
そんな矛盾した気持ちが沸き上がって来る。
今までは私だけ・・
レイラの横には私だけだったのに!!
ミアが来ちゃったら
『私はレイラを独り占め出来なくなってしまう』
レイラの優しい表情を見ているとそんな思いがヒシヒシと私の心の奥から湧き上がってきてしまう。
『ミアも私と同じように父親の後妻に苦しめられているのに!!』
そう思うと、レイラを独り占めしたいと思っている私は罪悪感を覚えてしまう。
エレベータの速度が減速しだし・・
エレベータが止まり25階へのドアが開く。
この前来た時と同じ・・
あの時とは違うのは私は1人じゃない!!
ミアが私に抱き着いている。
このままじゃ・・
そう思いミアの肩を
『ポン』
『ポン』
っと軽く叩いた後
「レストランに着いたわミア。この状態じゃミアのお父さんに変に思われるから、手を繋ぎましょ」
ってミアに声をかける私。
「ア・ソウヨネ」
って顔を少し赤く染めたミアは頷いて私の手を求めて来るミア。
無意識に私に抱き着いてたんだ・・・
言って良かった!!
私はレイラの後ろについて、ミアと手を繋いだまま展望レストランステビアの受付へ向かって歩く。
「いらっしゃいませ西宮様、藤堂様、そしてお連れの方も初めまして。もうお一方も既に来れれておりますのでご案内致します」
そう言って挨拶をしてくれる私と身長が同じ位の20代の男性店員さん。
機能レイラが予約してたからレイラの苗字は覚えてくれてた?
「クリス・アナタノミョウジ・シンドウナノ?」
ミアが不思議に思って私に聞いて来る。
「前に来た時、お父さんの苗字で此処を予約してたから覚えてくれてたんでしょ。私は母親のエステラント姓だから」
「ソウナンダ・ジャ~ワタシモ・エステラントにナルノ?」
「へ?」
此処でそれを言う?
これ以上揉めてもいけないから、兎に角ここは流そう!!
「私とミアが・・け・・結婚したらなるかもね」
「うふっ」
なにミア?今の笑い?
店員さんについてゆくと少しミアの面影がある30歳後半位の痩せ型の金髪を短く刈った紳士が窓際の席に座っていた。
「ラミレス様今日は私達の都合で御呼出し致しまして申し訳ございません。今日はアイザック様の娘様のミア様の事でお願いが有りお願いに上がりました
とミアのお父さんに挨拶するレイラ
私達とは全然違って堂々としているレイラを見ると少し悔しい
だってレイラを見ていると私はなんて子供っぽいんだろうって劣等感を持ってしまうんだもの。
つづく・・・
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