第37話 『公開告白』
<レイラ>
直射日光のまだキツイ正午
ランやノン、井上さん、斎藤さん、上田さん、森田さん、原さん達と一緒に校庭の木陰に移動してお弁当を食べていたら突然携帯の着信
「もしかして仕事の電話?」
斎藤さんが何気なく聞いて来る
着信相手は・・
着信相手を見て少し不安になってしまう俺
クリス?
学校で何か不都合が有ったのかな?
「うん雑誌社の編集さんからみたい。ちょっと外れるね」
って言って食事をしている所から少し歩いて皆に聞こえない所で携帯通話ボタンを押す。
「クリス学校で何か不都合でも有ったの?」
不安な私はクリスに速攻で何か有ったんじゃないかと聞いてみる
「あ・・レイラ心配かけちゃった?ごめんね~そっちの方は大丈夫。私の友達にね今年の4月前にお父さんの会社の都合でアメリカから日本に来たミア・ラミレスって女の子が居るんだけど、私のコーデの事でレイラの話を偶然してたら、困っている事が有るのでレイラに助けて欲しいのでレイラに合わせて欲しいってお願いされちゃったの・・・
その子、○○TUBEにアップされていた動画を見てたみたいなの
今日会いたいみたいなんだけど、マンションに連れて帰っても良いかな?」
って返答が帰って来た。
学校で不都合が起こったって事では無いみたいだけど・・
『私に助けて欲しい事が有る?』
あの動画を見て助けて欲しい事が有るって誰かに脅されてるとか?
う~~~ん聞いてみないと解らないな・・・
「うん解ったわ。帰ったら一緒に聞いてみましょう」
「ありがとうレイラ」
クリスの方は動画の影響で何か有ったって訳じゃ無かったからちょっと安心
それに引き換え私の方は・・・
あ~『放課後屋上に来てください』
って・・
絶対に告白だよな~
思わず靴箱のあの場所で言葉にして言っちゃったから、あの場所に居た生徒達って全員聞いちゃってるよな~
『これって公開告白になるんじゃね?』
男からの告白なんて止めてくれ~
そんな事を考えながら皆の所に食事に戻ると
斎藤さんが再度
「仕事の電話だったの?」
って聞いて来た。
え?
どう答えよう?
そこまで考えて無かった!!
「う・・うん・・仕事の電話だった」
「どんな仕事だったの?」
え?
其処まで聞いちゃう?
う・・・
あ・・
あの話で良いんじゃね?
「この前、急遽撮影の仕事が入ってね。最初は体調崩してって話で撮影受けてたんだけど、私の受けた撮影の話は最初女優の
9月15日発売のファッション雑誌『Wit〇〇』の差し替えが無事出来たって連絡だったの」
「え~女優の水野聖子が逮捕されたの一昨日じゃない!!ラッキーだったわね。あ・・ラッキーって言ったら水野聖子に悪いわね」
「『Wit〇〇』にレイラの特集乗るんだ~」
な・・何とか誤魔化せた~~
美奈子も昨日の朝緊急会議で急遽決まった会社の方針で『差し替え』が決まったものの本当の理由を言えずに私にモデルさんが急病って事で私に話が来たって訳
タダ雑誌の印刷の関係で差し替え可能かどうかは微妙な所だったらしい。
朝、美奈子から電話が有って聞いた内容だったのだ。
なんとか誤魔化せて良かった~
まさか、クリスとの話をそのままする訳にもいかないじゃん?
『私って詐欺師になれる?』
・・・
・・・
そんな事があって・・
やって来た放課後・・
「あ~~嫌だ~~放棄して帰ろうか~」
「ダメダメ~面白いイケメン玉砕告白が見れなくなるから絶対に行くんだよ!!」
って
ラン、ノン、井上さん、斎藤さん、上田さん、森田さん、原さん何時ものメンバーに強引に引っ張られ、校舎の屋上に上がって来た私達
「えええええええええええええええええええ~~~~何~~これ~~」
「ふっふっふぅ~~~~拡散させたかいが有ったわ!!30人位は居るわね~最高のシチュエーション」
ランの奴拡散したって全校生徒に拡散したのか?
しっかし~1・2・3・4・・・・・40人は居るんじゃ?物好きも居るもんだ
『人の不幸は蜜の味?』
「はぁ~」
何で男の俺がイケメン男子に告白されなきゃいけないんだ・・
5分くらいすると・・
取り巻き5人を引き連れて秋ノ宮 朝陽が屋上への階段を上がってきて
「何此れ?」
ってビックリしている
『あ~俺も同意見だよ!!この40人以上居る中で告白受けるとかどんな羞恥プレイだよ』
「私もビックリしています。誰なんでしょうねこんなにも人数集めたの?ちなみに私じゃ無いですよこれは・・流石に私でもこれは恥ずかしいです」
って一応ランに視線を送る俺
ランは
『フンッ』
って顔を一瞬背ける仕草
無視かよ~
それにしても
取り巻き5人も連れて来るって・・
『どういう神経してんだコイツ?』
秋ノ宮財閥って3代目に社長が変わってから最近落ちぶれて昔のように影響力は無くなってるって聞いたな
こんな所で株式投資の情報が生きるとは・・
『秋ノ宮財閥のお坊ちゃんって感じなのか?』
こいつが秋ノ宮財閥の後を継げば確実に倒産するな!!
呼び出しておいて何も無しか?
何か言えよな!!
一応何か脅された時の為に録音だけしとくか・・
『ポチッ』
っと携帯の録音ボタンを押しておく
「面識のない3年2組の秋ノ宮さんが私にご用って何でしょうか?」
そっちが喋らないからこっちから聞くぞ?
と取り合えず差しさわりのない感じで聞いてみる
「ぼ・・・」
『ぼ』って何?
「ぼ・・・僕は君を見てから一度です・・・す・・・す・・・
好きになりました~~~~~~結婚してください~~~~!!」
あ~残念な奴!!
ちょっと引くわ~~
「申し訳ございませんがお断りします」
「何で?」
「今結婚って言いましたよね?私15歳なんですけど?それに今は社長としての仕事に専念したいのでお断りします」
「ぼ・・僕は秋ノ宮財閥の跡取り息子だぞ!!断ったら後悔するぞ!!」
「私これでも株式投資しておりますから知っていますよ?秋ノ宮財閥のお坊ちゃん?」
「パパに言いつけてやる~後悔させてやるからな~~」
「もう公開はされていますね~~」
秋ノ宮財閥のお坊ちゃまは5人の取り巻きを連れて不機嫌に帰って行った。
「あれ何~ダサ~~」
「イケメン台無しね」
「ザマ~」
・・
そんな皆の感想を聞きながら
『はぁ~』
っと大きなため息を付いたのだった。
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます