第31話 『女の子はイケメンロックグループに目が無い?』

<レイラ>


何時ものメンバーのランやノン、井上さん、斎藤さん、上田さん、森田さん、原さん達が私の周りを取り囲んで男達をガードしてくれている。


『やっぱりガサツな男連中よりも華やかな女性の方が断然いいよな』



周りから見れば百合に見えるかもしれないが・・

決してこれは百合じゃない!!

青山高校は1年が1階、2年が2階、3年が3階

特別教室とかは4階以上の階にある


なので1年1組の俺は学校事務の部屋の5つ隣の教室へと向かう

正面玄関左にに学校事務を行う受付

その隣が応接室

その横が職員室

その横が保険担当医がいる保健室

そしてその横が1年1組の教室、次が1年2組と続いている


女の子に取り囲まれた俺はこっそりと校内を歩くわけにもいかず団子状態になった一団を引き連れて目的の教室の前まできて、1年1組のドアを開け教室の中に入ると・・・


「あ~~レイラだ~」

「レイラ~」

「レイラだ~」

「噂をしてたら来ちゃったよ」

「動画みたよ~パンツ見えたの4回だった~」


う・・・

大体予想は出来るけど・・

またパンツが何回見えたかって話に盛り上がってんのかよ!!


絶対にあの動画の事だよな・・


朝から勘弁してくれ~


そう思いながらも取り合えず社交辞令で


「皆~おはよ~ひさしぶり~」


って朝の挨拶だ!!

でもあの動画の話からは逃げられないんだろうな~


「おはよ~レイラ~また派手に暴れたんだね~、それにあの誠心学園の制服着てた女の子って誰?」

早速清水さんが俺に聞いて来る

まあ朝の挨拶入れて来る所は評価かな


「あ~撮影で遅くなっちゃって、撮影所を出て少し歩いてたら言い争っている声が聞こえて来たんで助けに入ったら殴り掛かれたから反撃しただけ~」


「え・・あの時間まで撮影って、なんの撮影だったの?」

「『彼氏と過ごすクリスマスイブ』って企画でめちゃめちゃ忙しかったのよ」

「『彼氏と過ごすクリスマスイブ』って事は彼氏役居たんだ」

「本人曰く東条誠とうじょうまことって若者に今絶大な人気グループのリーダーって言ってた」

「え~『グリーズ』の東条誠~~~??」

「『グリーズ』だって~?」

「本当に東条誠?」

「『グリーズ』の東条誠と撮影~~?」

「羨ましいな~私が変わりたかった~」

「あんたが『グリーズ』の東条誠と撮影出来るはず無いじゃん!!」

「あんたの容姿じゃ絶対に無理ね」

「え~ひど~~~い」


東条誠と聞いて女の子達が一斉に騒ぎ出しちゃったんだけど・・

何で?

あんな人の体を嘗め回すような視線を向けて来る男の何処が良いのよ!!

う・・・思い出したら鳥肌が立ってきた・・


「うわぁ~~撮影の相手って人気ロックバンド『グリーズ』の東条誠さんだったんだ!!めちゃめちゃ羨ましい~撮影の後誘われたりとかしなかったの?」


「飲みに行かないかって誘われたけど断ったわ」

「何で何で~」

「勿体ない~~」

「電話番号とか聞かなかったの?」


「私の年齢知ってる?15歳よ?未成年よ?飲みに行ったらヤバいでしょ?それと電話番号は帰りがけに渡されそうになったけど断ったわ」


「え~もったいな~~~い」



そんな話をしていると・・





「キンコンカ~~~ン」



予鈴のチャイムが鳴った。


「ホームルームが始まるわよ~皆~席について~」


私は全員に聞こえるように叫ぶのだった。

何とか動画の話はスルーする事が出来た!!


『ラッキー』


暫くは動画言われ続けちゃうんだろうな~


つづく・・・

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