第32話 『事情聴取?』

<クリス>


やっと教室に入ったとおもったら、やっぱり動画の事で問い詰められちゃった。

急に校内放送で呼び出しに助けられたけれど・・・


『私なんで呼び出されたんだろう?』


呼び出されるって心当たりは・・

お父さんと紗耶香さんの事くらいなんだけど・・

まさか、あの2人が学校に報告なんてしてくれるとは思えないしな~


そう思いながらも職員室まで不安な気持ちを抑えながらも歩いて行って


職員室の前で一旦立ち止まり


『ヒー ヒー フー』


お産の準備

いえいえそれは冗談



『大きく息を吸って~吐いて~』


何回か繰り返した後


『ガラガラガラ~』



っと職員室のドアを開けて

う・・一斉に先生達が私を見てる

一瞬固まりかけたけど


「失礼します。クリス・エステラントです」


って声を掛ける私

すると担任の青木 しのぶ先生が

「朝から呼び出しちゃってごめんね~、社宅に電話してもエステラントさんのお父さんの藤堂 真一とうどうしんいちさんと連絡したら家を出て行ったって事で要領をえなかったので呼び出させてもらったの。


用件は一昨日の夜の件って言えば解るわよね?

今警察の方が応接室の方にいらっしゃってて、あの時の事を教えて欲しいらしいのよ」


「それって一応事情聴取って事ですよね?」

「事情聴取って言うよりは事実確認ね。動画で見る限りエステラントさんには責任は無いわ。それに相手はレイプ犯だったんですもの。

詳しい事は警察の方に話して欲しいの。

1時間目はホームルームなので時間は気にしなくて良いわ、終わったらホームルームに帰ってきて」


って早速担任の青木先生に連れられて教頭の野崎先生を伴って応接室へ・・

何か罪を犯して連行されてゆく犯人?みたいな感じ?


うう~嫌だな~

まあ警察に出頭して部屋の中で尋問って感じじゃなくって良かった。


応接室に歯2人の警察官の服装をした2人が椅子に座って待っていた。


教頭の野崎先生が

「初めまして教頭の野崎です。クリス・エステラントさんをつれてきました。一応私も役職上立ち会わさせてもらってよろしいでしょうか」


「大丈夫です。事実確認だけですから。

私は刑事の大林です。こちらの女性は巡査の野々村です」

「野々村ですよろしくお願いします」

と大林刑事さんの紹介に野々村さんがちょこんと頭をさげながら挨拶をしてくれる


「じゃ~私はホームルームがありますので退出させて頂きますのでよろしくお願い致します」

担任の青木先生が一礼して退出してゆく。

多分私が不安がったらいけないので一緒に付き添ってきてくれたんだろうな。


全員で椅子に座ると

野々村さんが録音用ICレコーダーヲ起動しノートに記入してゆく


そして刑事の大林さんが

「早速で申し訳ありませんがクリス・エステラントさんが一昨日の夜なんであの場所に制服姿でいたのか教えてもらえるかな?それと動画に映っていた容姿と大分イメージが違う感じなんですが本当にあの時の女性で間違いありませんよね?」

って聞いて来たので


「動画の事を言われているんだと思いますが、あれは確かに私ですよ。今日の姿はレイラが気合を入れてコーデした為にこんな風になっちゃいましたけど・・

それと何であんな所にあんな時間制服姿で私が居たかってご質問ですが・・・

私の父親が会社の同僚と再婚したいので奥さんになる紗耶香さんと東都ホテル25階の展望レストランステビアで合って欲しいと言われ、制服でその場所に行ったんですけど、

『私達マンション買って2人で住む予定なの。もう購入しちゃったんで、クリスちゃんはアパートを借りて一人で住んでくれないかな。マンション買っちゃったからアパートの家賃は半分くらいしかだしてあげれないの。だから残りはアルバイトでお願いね』

って言われて頭の中が真っ白になっちゃって・・

そのままレストランを飛び出したんですけど・・

道に迷っちゃってあの場所で男達に絡まれてしまったんです」


って説明


「あ~それであの場所に制服姿で居た訳なんだ。じゃ~あの助けてくれた女性は誰なのかな?」

「あの女性はファッション雑誌『CUTE』によく出ているモデルさんのレイラさんで、あの日雑誌の撮影で遅くなってたまたま通りかかって男達に暗がりに連れ込まれてる私を見て助けに入ってくれた人です。男が突然殴りかかって来たのでレイラさんが反撃してあんな風になっちゃったんです。

5人もの男性なんで再度襲われる前に逃げようって逃げたんです」


「じゃ~あの助けてくれた女性はモデルのレイラさんだったんだ」

「はい」


そんな感じで一昨日の状況の確認作業で無事に終わってほっとした私


つづく・・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る