第16話 『複雑な思い』
<クリス>
向こうの部屋ではお父さんと紗耶香の激しい絡み合いで
断続的な紗耶香の悩ましい喘ぎ声が聞こえてくる。
そんな中玄関に退避して口を押さえられレイラに抱き締められたパニックになっている私
そんな中
「藤堂さ~~~ん、昨日電話したレイラで~~~す。クリスちゃんの荷物受け取りに来ました~~藤堂さ~~~~ん!」
と大声で叫んだレイラ
うわ~~
いま!!
それ!!
言っちゃう?
この状態で言っちゃうの~~?
私はそんな大胆な言なんて出来ないよぉ!!
だってソコで2人の男女が全裸で・・アレしてんだよ~~
2人繋がったまんまなんだよ?
でも!!
このまま見てるのも、あのアエギ声聞いてるのも耐えられない・・・
「ああ~~ちょっと待ってくれないか、今そっちに行くよ」
と声がかかり、衣擦れの音が聞こえてくる
「は~~い解りました~クリスちゃんも来ていますので、玄関で一緒に待ってますね~」
と言ってレイラは
「はぁ~」
っと深~~いため息をついた。
レイラも実はドキドキしちゃってた?
そういえば・・
こうやって抱き締められた胸から、心臓の鼓動が
『ドクン』
『ドクン』
って伝わってくる。
レイラも・・・モロに見ちゃったよね・・
あの2人が繋がった所・・・
5分くらいして
「待たせて済まなかったね」
と奥の部屋からお父さんの声が聞こえる
奥の部屋から出てくる2人の足音が近づいてくるのが解る。
レイラも抱き締めていた私を離して横に並んだ頃、丁度お父さんと紗耶香さんが奥の部屋から出てきた瞬間私とレイラを見て
「え?
「え?」
っと二人とも目を大きく開けて
『固まった』
確かに!!
私はレイラに髪型をゆるふわウェーブのかかったくせ毛の髪からストレートの髪型に変えられ所々に編込みをされレイラにナチュラルメイクをされた私は全く別人
そしてレイラも黒髪のモデルのレイラの面影が全く無いストレート金髪の美少女になっている
まあ驚くのも無理はない・・・っか・・
はぁ~
お父さん・・シャツのボタンかけ違えてる・・・
紗耶香さんもブラウスのボタンかけ違えてる・・・
言わない方が・・良い・・っか・・
レイラが早速
「今日は朝早くから無理言ってすみません。早速クリスの引越し荷物引き取りたいんですけど良いでしょうか?」
って要件を伝えたけれど・・・
「クリスなんだよな?」
と私の変わりようの方が衝撃だったみたいで私に確認してくるお父さん
「そうよ。レイラがお出かけするならお化粧してあげるってこんな風にお化粧してくれたの」
「じゃ横に居るのがレイラさんなのか?」
「そうよ。レイラも私が金髪ストレートだからって私に合わせてくれたの」
ってお父さんに言うと
まだ信じれないようで
「そ・・そうか」
とまだ困惑中?って感じ
こんな風に私お化粧なんて今までした事もなかったんだもの、お父さんの反応も案外そうなって当然の結果なのかも!!
なんて妙に自分で納得
お父さんの後ろでお父さんに抱きついている沙耶香さんは・・・
ほんのり顔をまだ染めたまま・・
あ~・・それに首筋に・・・キスマーク・・付いてるし・・・
う・・お父さんと沙耶香さんが・・アレ・・してるところ・・思い出しちゃったじゃない!!
沙耶香さん?
私を見てるっていうより・・・
私の付けてるダイヤのネックレスとダイアのイヤリングを気にしてる?
紗耶香さんって・・結構目利き?
これだけで100万以上するアクセサリーを普通の高校生が付けてるんだもん
ビックリもする・・よね
私だって値段聞いた瞬間卒倒しそうになっちゃったんだもの
レイラはそんな挙動不審になっている2人に向かって
「ではこれから引越しの準備始めさせてもらってもいいでしょうか?」
「ああ~始めてくれていい」
って事でレイラが外にいる二人に声をかけて中に入ってもらう。
そして
「クリス持って出たいものだけ指示して、後は私達で運ぶわ」
って言ってくれる。
そして引越し荷物を纏めてみたけれど、案外少ない・・
ビックリしたのは勉強机!!
それにチェスト!!
全部レイラ一人で肩に抱えて運んじゃった!!
何で?
何でそんな重たい物が一人で運べるの?
普通女の子じゃ絶対無理!!
20分程度で私の全部の荷物をトラックに詰め込んじゃった
お父さんと紗耶香さんに最後の挨拶をした後レイラと私の2人はトラックの幌の中に潜り込む。
最後に挨拶した時もお父さんと沙耶香さん、心ここにあらずって感じだった。
まだアレの余韻が残っていたのかな?
結構激しくやってたし・・・
なんかもう2人の世界に入りきっているって感じで、私の挨拶も上の空?って感じで対応してた感じ。
沙耶香さんもタダ淡々と対応してたって感じ。
沙耶香さんにとって、私はお父さんの前妻との連れ子でしかない。
沙耶香さんにとっては、私は見たくもない人間なのかもしれない・・
私もその方が楽だった。
アソコで涙なんか流されたら、私逆にどういう対応したら良いか解らなくなってしまってたと思う。
私とレイラはトラックの荷台の幌の中で何枚か束ねた梱包用に持ってきていた毛布の上に並んで座って居たのだけれど、そんなお父さんと紗耶香さんの事を考えて辛そうな表情をしていたのだろうか・・・
レイラの胸に私をそっと抱き締めてくれる。
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます