共同生活それとも同棲?
第3話 『同い年だとは思わなかった』
<クリス>
レイラさんの案内で部屋の物を一通り説明してもらった
玄関入って直ぐが縦長の30畳も有るリビング
そして左側がキッチン
リビング右側が中間くらいで通路で分断され窓際に前と奥に2部屋
前の部屋がレイラさんの使っている部屋らしい
そして奥の部屋を私が使って良いって言ってくれたので開けてみると、12畳位の洋室で全面と右側は窓で角部屋になって凄く見晴らしが良い
「この部屋本当に私が使って良いんですか?」
って思わず聞いてしまってた私
「どうせ空いてるから使って使って、その方がお部屋も喜ぶでしょ?」
ってレイラさん
『お部屋は喜びません!!』
って思わず突っ込んでみたい気分になっちゃった私
レイラさんって凄く面白い人だな
「そこにベッドがあるのは出版社の美奈子がたまに泊めてって来てたから買った物なの良かったら使って」
え・良いの?
社宅って狭かったから布団だったから丁度良かった!!
「ありがとう、社宅では布団だったから使わせてもらうね」
「どうぞどうぞ」
通路を隔てて、お風呂と脱衣所、トイレ、洗面所と洗濯機ブースになっているって感じかな。
めちゃくちゃ広い!!
4LDKの部屋を2LDKにした感じ
気になったのは・・
入って真っすぐのリビングの左側にある収納!!
壁一面ドアが付いている!!
「この壁一面にあるドアみたいなのは何ですか?」
って不思議になって聞いてみると
レイラさんは申し訳なさそうに
「ごめんね~そこは仕事で使う物が入ってるの」
と言いながらその扉を開けてくれると・・
開けたドアの向こうはウォークインクローゼットだった
どこのドアを開けてもその部屋に入れるようになっているから・・
多分、普通のクローゼットだった物をウォークインクローゼットに改装したっぽい
『中には整然と釣られた衣装、そして棚に並んだハンドバックやポーチや小物類』
「着たいのや小物で欲しい物が有ったら使って良いわよ」
「これ全部仕事で使った物ですか?」
って思わず私は聞いてしまってた。
「あ~これはね私がデザインした服やバックや小物が入っているの、仕事で貰った服や小物は自分の部屋に置いてあるからここには無いわ」
ってバツが悪そうにレイラさんが頭をかきながら話してくれた。
「え・・という事は、あのレイラさんの作ったブランドの会社の商品って事ですか?」
「えへへっ~そういう事になっちゃうわね」
「うわ~レイラさんって凄い人だったんですね」
「凄く無いよ、この業界にいるとねこんな風な物があったら良いなって思っちゃうのよ。だから無いから作ったって感じかなっ?」
って笑顔で可愛く小首を折って人差し指を自分の頬につけちょっと考える素振りをするレイラさん
もうその仕草が萌え萌えですよ~
その仕草が自然に出来ているのが凄い
そんな風に平然と話してくれるけれど、正直凄い!!
お父さん達と話してた時
ブランド『レイラ』の売り上げが20億、純利10億って話してたよね
「私にはとてもじゃないけど真似出来ないわ」
とため息まじりに言うと、レイラさんは私を後ろから抱き締めてくれて
「誰にだってできるよ。今はクリスは思いを形にする方法が解らないだけ。その方法さえ解かればクリスも出来るわ。これからは私と一緒にやっていこうね」
って言ってくれる。
「私でも出来るかな?」
と後ろから抱きしめてくれているレイラさんに振り向きながら聞くと
「今直ぐにはは出来ないけどね」
と言って
「くすっ」
っと笑われてしまう。
「え~~~それ何なんですか~上げて、直ぐに落とさないでくださいよ」
「だって~直ぐにクリスが出来ちゃったら私の努力は何だったのって事になっちゃうじゃない?」
「努力しなきゃいけないんだ~」
「当然!!」
やっぱり努力は必要って事なんだ・・
何もしないでそんな能力が手に入るって事はいくらなんでも無いわよね。
レイラさんは壁に設置された扉をひとつひとつ開けてゆくけど・・
この壁一面が洋服?
それに洋服を掛けた上に作られた棚にはレイラブランドのポーチやバック
物凄い量の洋服!!
これを毎日一日一着着たとしても5年以上は確実にかかるんじゃ?
私は可愛いフリルのついた薄黄色の夏物のワンピースを手に取って体に合わせてみる。
うわ~良いな~
凄く!!
可愛い~!!
「これ全部レイラさんがデザインした服なんですか?」
と私が服を体に合わせている後ろでそんな私を見ていたレイラさんに聞くと
「そうよ。初めはこの部屋はブランド『レイラ』のデザインをする為に借りた部屋だったの、だから壁一面が試作品の洋服置き場になってるのよ。遅くなって実家に帰る時に襲われる時が多くって結局此処で住む事にしたの」
今シレっと凄い事追われたような・・襲われることが多い?とか・・
「え~レイラさん、頻繁に襲われちゃってたんですか?」
「私って結構テレビとか出ちゃってるじゃない?、私って無防備っていうのか、暗い夜道でも平気で歩いちゃうから男の人に狙われやすいみたいなの」
うわ~レイラさんって平気で夜道も一人で歩いてたんだ~
でも襲われる時が多いって?
そんなに襲われてたの?
私はあんな怖い思いは二度としたくない!!
5人の男達に取り囲まれた時は、私なんて恐怖で震えてたもの
「レイラさんって、襲われ慣れてるからあんなに強かったの?」
「襲われ慣れてるって言い方は止めてよ~私襲われ好きみたいで変態みたいじゃない。CUTEの編集長の美奈子がレイラは可愛いから男に襲われそうだって格闘技や護身術を強制的に習わされたのよ。そのお陰で大体の男は撃退できちゃうの」
「すみません。襲われるのが好きだって人は居ませんよね。レイラさんって格闘技や護身術ならってたんだ。道理で強いはずですね」
「何時も私がクリスの傍にいてクリスを守る事は出来ないから、自分の身を守る為、護身術くらいは出来るようにして欲しいな。クリスこんなにも可愛いんだから今日みたいな事が起こらないか私心配なの。私が護身術教えてあげるから覚えてみない?私としては覚えて欲しい」
レイラさん私を心配してくれるんだ。
私が・・か・・・可愛いって・・・
ううう~こんな美人のお姉さんに言われると私・・
『ドキッ』
としたっちゃじゃない!!
思わず大きく跳ねた心臓の鼓動を止める為、自分の胸をギュッと押さえる。
その私の動作を見て
「そのワンピース気に入ったのなら私の部屋にドレッサーが有るから着てみたら?」
ってレイラさんが勘違いをしたみたい。
良かった~
レイラさんに可愛いって言われてときめいたなんて絶対に言えない!!
「じゃ~このワンピース着てみようかな」
って私が言うとレイラさんの部屋に案内してくれる。
レイラさんの部屋のドアを開けると・・
全ての家具が真っ白で統一された部屋
テーブル
椅子
真っ白なアイアン製のお姫様ベッド
そして部屋の中央に置かれたテーブルと椅子
そのテーブルの上に置かれたノートパソコン
そして壁際にウォークインクローゼットの入口
そしてドレッサー
チェスト
物凄く女の子っぽい部屋
良いな~
「私もこんな部屋に住んでみたいな~」
私は部屋を見回しながら私の口から思わずそんな言葉が出てしまっていた。
「クリスもこの部屋で一緒に住む?」
「へ?良いの?」
レイラさんの問いに私は即効で答えてしまっていた
一瞬レイラさんが困ったような表情を?
へあれって社交辞令?
一瞬そう思ったけれど直ぐに
「じゃ~この部屋で一緒に暮らそうね」
と満面の笑顔で答えてくれた。
レイラさん・・嫌じゃ・・無かったんだよね?
改めて部屋を見回して・・
不思議なものを見つけた!!
それは・・
壁に掛けてあった
『青山高校の女子制服』
その胸ポケットに挟まれた名札が・・
1年1組
西宮 麗
あのお父さんと紗耶香の前に置かれた・・
名刺の名前・・・・取締役社長!!
「えええええええええええええええええええええええええええ~~~もしかしてあの制服レイラ・・さんの制服・・ですか~~~~~?」
「そうだよ青山高校の私の制服」
「じゃ~私と同い年なの?」
「クリスって誠心学園の1年生なの?」
レイラさんは私と同じ高校1年生
そして女性ファッション雑誌CUTEの専属モデル
最近テレビにも出演してて、清涼飲料水のCMにも出てる。
そしてブランド『レイラ』の取締役社長
そして
そして
そして
私を2000万でお父さんと紗耶香さんから買った人!!
うわ~~お姉さんとばかり思ってたのに~~~!!
つづく・・・
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