第2話 『私・・買われちゃいました』

<クリス>


今日の朝お父さんから

「合わせたい人が居るから会って欲しい」

と突然言われてビックリしてしまった私。

私の父親は日本人

株式会社日本フード〇〇カンパニーのアメリカ支店に16年前に転勤してやってきて私の母親のアリッサと熱愛のすえ結婚して私が生まれた。

私の為にと父親は母親姓エステラントを選んだ

海外勤務はアメリカでは最大10年しかいれないのだ

だから父親の本当の姓名は


藤堂 真一とうどうしんいち

でも母のアリッサは1年前にガンで亡くなった為に、父親と日本に帰ってきた私。

日本語は父親が日本人だから小さい頃から喋っていたから、私は英語も日本語も両方話せる。

日本に帰ってきて何もかもが不安だった。

今までとは全然違う世界

私の周りは殆どが日本人

髪の色も、肌の色も全然違う全く知らない人達

全く解らない日本の風習


少し幸運だったのは帰国子女が多く居る誠心学園という高校に入れた事

そこは、アメリカからの帰国子女とかも多くて何とか友達も出来たと思った時だったのに・・・

株式会社日本フード○○カンパニー本社に勤務する人達で新入社員歓迎会をした時、22歳の大学新卒の女の子と意気投合したらしく、そのまま酔った女の子をホテルにお持ち帰りしてホールインワン!!


どうもその時、赤ちゃんが出来ちゃったみたいで、結婚に踏み切ったみたい。

相手は新東京大学を今年卒業した

大竹紗耶香おおたけさやかさん22歳

結構幼さが残っていて、見た目高校生って言われても疑われない位若くみえる。

私と7歳しか違わない・・・

歳の離れた姉妹みたいな感じ


そんな女の子が父親の奥さんになる訳だから、初婚の紗耶香さんにとっては、父親の連れ子の私と住むのは嫌だったんだろうな・・


新宿の東都ホテル25階の展望レストランステビアで、夜の9時に待ち合わせをしていて、お父さんは紗耶香さんを連れてくるって早く出て行ったから、紗耶香さんも私と歳が近いって事もあって、紗耶香さんと被らない服装って色々と着替えては見たけれど、結局着る物に困って結局高校生らしく誠心学園の制服で行く事にした。


9時5分前に新宿の東都ホテル25階に上がって受付で

「9時に藤堂で予約を入れている者です」

と声を掛けると女性が

「ご案内します」

と私の前を先導して私を窓際の席に案内してくれる。

案内してくれる窓際の席の方には、お父さんと聞いていた紗耶香さんという綺麗な女性がすでに席で座って待っていた。


紗耶香さんは22歳って言ってたけど、白い清楚な薄手のワンピースに粗めの手編みにカーディガンを羽織っていて凄く似合っている。


私は制服できて本当に良かったと思えた。

私が紗耶香さんと同じようにワンピースなんかにしていたら同い年に見えてしまっていたと思う。


私は

「はじめまして紗耶香さん。私は父親真一の娘のクリスです。今後ともよろしくお願いします」

と社交辞令

すると

「こちらこそはじめまして。真一さんもう籍入れちゃったから良いよね?私は同じ会社に勤務している藤堂紗耶香とうどうさやかです。私のお腹の中には真一さんの赤ちゃんがいます。もう妊娠5ヶ月なの」

と突然に入籍後の名前で自己紹介されちゃった私は驚いちゃった。

全く寝耳に水状態!!


お父さんから私は全くそんな事なんて聞いていなかった!!

既に入籍までしちゃってる?

それに

紗耶香さんのお腹の中にはお父さんと紗耶香の赤ちゃんが居る?

いつの間にそんな事になっちゃってたの?

もう妊娠5ヶ月?

そんなに前から?


食事が来るまでお父さんとそ紗耶香さんの馴れ初めを聞いた後・・

紗耶香さんから急に


「私達マンション買って2人で住む予定なの。もう購入しちゃったんで、クリスちゃんはアパートを借りて一人で住んでくれないかな。マンション買っちゃったからアパートの家賃は半分くらいしかだしてあげれないの。だから残りはアルバイトでお願いね」

ともう決定事項のように笑顔で手を合わせて私に話してくる。


『結局私は2人にとっては邪魔者』


そう言っているように聞こえてくる


実際そうなんだろうな


お父さん何で何も言ってくれないの?


2人の愛の巣に邪魔者は要らない・・

そう言われてると思うと涙が一気に溢れてきた瞬間、私は椅子から立ち上がってその場から走り去ってしまってた。


何処をどう歩いたのかさえ解らない・・・


『お父さん何故?』


『一言も言ってくれなかったの?』


『私は邪魔者?』


『私は邪魔者?』


『私は邪魔者?』


『私は邪魔者?』


『私は邪魔者?』


・・・


・・・


『アパート』


『家賃の半分』


『残りの家賃と生活費は自分でアルバイト』


『そんなのでこれから生活出来るの?』


・・・

お母さん・・

何で私を置いて死んじゃったの?

私も連れて行ってよ・・・


そんな風に頭の中でぐるぐるといろんな事を無意識に考えていたら、いつの間にかネオンが一杯の路地に迷い込んでいた私


「ねえ~ねぇ~かのじょ~~」

「今暇~~?

「一緒にいい事しようよ~」

「俺達と遊ぼうぜ~」

「可愛いね~君~~」


そんな声に気がついて周りを見ると若い男5人に周りを囲まれていた私

いつの間にこんな所まで来ちゃってたんだろう?

『男の人怖い!!』


私はそんな男の一人に肩を掴まれ

「やめてください」

「いいじゃん。いいじゃん~俺達と遊ぼうぜ~」

「離してください。誰か呼びますよ」

「呼んでみろよ。こんな所へなんか誰も来ないぜ」


そう言われた瞬間に周りを囲まれた男達5人に私は暗い裏路地へと連れ込まれそうになっていた。


このままじゃ!!

私!!

襲われちゃう!!


『誰か助けて!!』


私はそう叫んだつもりが怖くて声にならなかった。

そんな時

「遅れちゃってごめんね~待った~?これ頼まれていた物ね」

凄く綺麗なお姉さんが私と私を取り囲んだ男の間に割り込んできて何かを渡してくれる。

『何処かで見た事ある気もするけど、私こんな綺麗な人なんて知らない!!』


それに何も私は頼んでいない!!


そんな男達は彼女に向かって

「ちっとま待ちなよ。この女は俺達のもんだ。お前がこの女の代わりをしてくれるのか?」

「良いね~良いね~2人同時にあそんでもらおうぜ」


と私達が行こうとする方向に立ち塞がってくる男達


そんな男達に向かって

「死にたくなかったらどけよ」

と彼女が叫んだ!!

でも!!

その声は男の人の怒鳴り声?

え?

私の聞き間違い?

そんな私の思考を遮るように


「お望み通り俺達で犯してやるよ」


そう言って綺麗なお姉さんに殴りかかってきた男達

「キャーーーー」

私は襲ってくる男達を見て思わず悲鳴を上げていた!!



私が悲鳴を上げた瞬間!!

私の周りにいた男達の体が次々に吹き飛んでゆく

信じれなかった!!

5人が吹き飛ばされるのに10秒も掛からなかった

気がついたら私はその女の人に抱えられて、その男達の居た場所から逃げていた。


私は夢を見ているんじゃ?

まるで私は魔獣の群れから颯爽と現れた王子様に助け出されたお姫様の気分

まるで映画を見ているようで現実味が無かった・・・


私は本当に夢を見ているんじゃ?

そう思って

その綺麗なお姉さんに


「あの~・・・」


と声を掛けるとやっと答えてくれた。

『これは夢じゃ無かったんだ!!何処かでみた事あるようんんだけどな・・?』


そう思って私が綺麗なお姉さんの顔ばかり見ていたら

急にビックリしたように


女性ファッション雑誌『CUTEキュート


専属モデル


レイラ


東京都新宿区新宿未来舎ビル10階

ファッション雑誌CUTE事業部

03-3342-XXXX


という名刺を私に渡してくれたんだ。

その時、私の疑問は一気に吹き飛んだ!!

『良く見る顔だなって思ってたら、CUTEっていう女性ファッション雑誌とかは知らなかったけど、最近テレビ清涼飲料水のCMに出ている人気モデルだんだったんだ』


モデルさんで、それも女性であんなに強いなんてビックリ!!


何で私があんな所に居たかを聞いてきたので、理由を話したら自分の事のように凄く怒ってくれて凄く嬉しかった。

『紗耶香さんがレイラさんみたいな人だったらどんなに良かっただろう』

ふと、そんな思いが頭の中を過る。


そして一瞬おいて

「そっか~じゃ~いっそ私と住む?私モデルやってるから品川にあるリバーサイドタワー20階の2LDKの部屋に1人で住んでるの。部屋は空いてるしどうかな?」

って見ず知らずの私に提案してくれたレイラさん。


レイラさんって凄く頼れるお姉さんって感じで凄く素敵な人

それにテレビのCMにも出ている有名人

そんな人と一緒に住めるなんて!!


お父さんと紗耶香さんにさっき言われた冷たい私にとって冷酷な言葉が私の思考を一気に加速させる

『あの2人の傍から一刻も早く逃げたい!!離れたい!!』


そんな気持ちが今日初めて会っただけのレイラさんと一緒に住む事を一瞬で私に決めさせた!!

『まるで私の事じゃ無いような・・映画館で映画を見ている観客のようなそんなそんな気持ちで私は流されちゃった?』

レイラさん私の事を心配してくれたのかな・・

勝手に決めてもダメだからって私のお父さんと奥さんになる紗耶香さんに話を通して今後私に変な事を言ってこないようにするって言ってたけど何をするんだろう?


不安そうに私がしていたのが解ったのかな?

レイラさんは私に手を差し出してきて、私の手を恋人つなぎで握ったままホテルまで歩いてきてくれたんだ。


レイラさんって凄く気配りの出来るお姉さん!!


私はホテルから1キロほど夢遊病者のように歩いていたみたい

新宿の東都ホテル25階の展望レストランステビアに着いたのはそれから10分後


ここに来るまでレイラさんと色々と話していたら、レイラさんは朝からスタジオでクリスマス企画のファッション雑誌CUTEで使う写真の撮影をして今さっき終わった所だったみたい。


展望レストランステビアの受付に再度行くと全員が私達に注目してくる

皆が注目しているのは・・・


『レイラさん!!』


テレビのCMとかで頻繁にレイラさんの映像流れてる有名人だもんね。

受付の人もビックリしているみたいで


「す・・直ぐに・・・いえご案内致しますのでこちらにどうぞ」

と言った後、おどおどしながら私とレイラさんをお父さんと紗耶香さんが座っている席まで案内してくれた」


私とレイラさんがお父さん達の席の前に止まると

「え?」

「え?」

っと2人ともビックリして声を上げてしまっている。

レイラさん有名だもんね


レイラさんは

「はじめましてモデルをしているレイラです。お父様の真一様そして奥様の紗耶香様今日はクリスさんを譲り受けに来ました。座ってもよろしいでしょうか?」

とお父さんと紗耶香さんを交互に見ながら聞いている。


レイラさんの顔は笑っているけれど・・少し怒ってる?

私の為に怒ってくれているのかな?


私の席を引いて先に私を席に座らせてくれた後、お父さんと紗耶香さんの席の前に行き名刺を渡しながら

「女性ファッション雑誌『CUTEキュート』の専属モデルをしているレイラです。お二人にはクーリアの清涼飲料水のCMで見られる時の方が多いかもしれませんね」

と挨拶してから私の横の席に着いたレイラさん。


ポケットの携帯を椅子の下でいじって録音ボタンを押してまたしまった?

レイラさん何するつもりなんだろう?


そしてお父さんと紗耶香さんを交互に見ながら

「今日此処に来させて頂いたのは、クリスさんの事です。お父様の真一様と紗耶香様がご結婚されお子様もお生まれになるご予定で新居も構えられるとお聞きいたしました。

紗耶香様と歳のお近いクリスさんと一緒だと中々夫婦生活も気苦労がお有りと思いまして、この際私がクリスさんを引き取らせて頂けないかなというお願いに参りました。

タダでとは申しません。

今までお育て頂いたご苦労もお有りでしょうから、クリスさんを頂く見返りにそれに見合う金額をご用意させて頂きますがどうでしょうか?」


そう言ってレイラさんはポシェットから小切手帳を取り出して


『¥20、000、000円』


と書いて小切手を切ってお父さんと紗耶香さんの前に差し出し

「私としましては、このお金でクリスさんを私に売って頂きたいという思いなのです。それが真一様、紗耶香様御夫婦及びこれから生まれてくるお子様の為には宜しいのではと考えるのですがどうでしょうか?」


と言って笑顔で小首を折ってお父さんと紗耶香さんを見る。

私もその言葉にビックリ!!


だってその場でポンと普通に出せる金額じゃないもの!!

お父さんはその差し出された小切手を手に取って紗耶香さんに見せながら


「この株式会社レイラというのはどこの会社でしょうか?」


とお父さんがレイラさんに聞いてきた。

それに答えてレイラさんがお父さんと紗耶香さんの前に別の2つの名刺を置きながら

「インターネットでお調べ頂けると解ると思いますが、私が運営しているブランド『レイラ』の会社登録名称が今私がお渡しした名刺です。

その取締役社長 西宮 麗 が私の本名ですね。麗から私の芸能界での名前を決めました。年商20億、純利益10億のブランド『レイラ』での実績です。


了承して頂けるなら、その小切手は貴方方の物です。その代わりクリスさんを私に譲渡したという契約書を書いてもらいますが?」


私の横でシレッと答えるレイラさん。

そんなに凄い人だったんだ。

お父さんと紗耶香さんは2人でこそこそと話し合っているみたい・・

2~3分の間、2人は話し合っていたみたいだけれど話し合いは纏まったようで


紗耶香さんが

「良いでしょう。今後このクリスちゃんの事に私達が口出しなければ良いって認識で良いのね?」

「はい今後このクリスちゃんの所有権は私にあるって事です。真一様もそれでよろしいでしょうか?」

とレイラさんが言うと

「ああ~解った」

とお父さんは一言言って頷いたよう。


レイラさんはその返事を聞いて紙を取り出して、手書きで

私、クリスの所有権が今後レイラさんの手に有るって事を書いて、私をレイラさんが2000万で私をお父さんから買ったという証文を書いて、拇印を2人に押させた。

そして領収書も・・・


こうして私はレイラさんの物になった?

私の荷物は明日日本フード○○システムの社宅の私の部屋に取りにゆく事で話がついたみたい。

私とレイラさんは先にレストランから出て直ぐに録音していた携帯の録音を停めた後何処かに電話をしているようだった。

東都ホテルの最上階からエレベータで降り東都ホテルの玄関ロビーから出ると何故かタクシーが一台止まっていて、レイラさんが近づくと自動的にタクシーのドアが開いて、レイラさんは私を先にタクシーに乗せると後から乗り込んでくる。


「いつもの場所でお願いします」


とレイラさんが言うと

「今日は結構遅かったですね。そちらの方は?」

と運転手さんが聞いてくる。

レイラさんってお得意様なんだろうな。良く使ってるから顔覚えられちゃってるみたい。

運転手さんの問いかけに

「今日は撮影が長引いちゃって遅かったの。こっちの女の子は私の彼女って事で、今日から一緒に住むの」


「え~またまたご冗談を~レイラさんにはやられちゃうな~」

なんて運転手さんに冗談にされちゃってる?


『私が・・レイラさんの彼女?』

うわ~意識しちゃったじゃないですか~~

レイラさん女の子なのに・・

もしかして・・

あんなに格好良く助けてくれたから・・私も意識しちゃってる?


レイラさんがそんな挙動不審状態になった私を見てか

「クリス今日の事はあまり気にしないで良いよ。大体あの契約書だって正直正式に裁判沙汰になったら紙くずみたいな物だからね。大体人身売買なんて本当にやったら犯罪だからね。あの人達にクリスに手を出さないように釘をさしておきたかっただけなのよ」


と私を気遣ったのか、そんな事を話してくれる。

そう今日は何から何まで衝撃的な出来事だった!!

私はまだ夢をみているよう。


今日はお父さんと紗耶香さんから衝撃的な話を聞いて

ショックで夢遊病者のように歩き回って道に迷ってしまい飲み屋街を徘徊していたら5人の男達にレイプされかけ

レイラさんに男達から助けだされ

お父さんと紗耶香さんから私は2000万でレイラさんに買われ

一緒に住む事になっちゃった・・・


何なのこの展開?

何でレイラさん私を買っちゃったの?

何故かドキドキしちゃう

買われた衝撃に・・・

『私レイラさんの奴隷にされちゃう?』

ううう・・

なんか私とんでもない事考えちゃってるような・・

ダメダメ!!

変なこと考えちゃ!!

別のこと考えなきゃ!!

・・・

「レイラさん社長さんだったんですね」

と私は何気なく聞いてみると運転手さんが

「ビックリしたでしょ?私もあのブランド『レイラ』の社長さんだったの先日テレビのインタビューを見てビックリしたんですよ」


と教えてくれる。

「成り行きでね。ブランド立ち上げるようになっただけよ」

とレイラさんは普通だと言う。


タクシーは新宿西ロータリーを過ぎ街中の交差点を次々に過ぎて、新宿首都高4号線に入ってきた。

私タクシーに乗るなんてこっちに帰ってきて以来

30分位で品川まで帰ってきたみたい。


レイラさんは私の手を握ってくれている。

私が不安定なってるように見えるからなんだろうな・・・


タクシーが止まりドアが開くと目の前には30階建てのリバーサイドタワーの前だった。

凄く高くて大きい!!

此処がレイラさんが言っていたリバーサイドタワー

私の住んでいる社宅とは大違い

本当に此処に住めるんだ


「支払いは何時もの通りこのタクシー券でお願いします」

とタクシー券を運転手さんに渡して私の手を握ってマンションの入口に向かって私を先導して歩いてゆく。


駐車スペースから玄関までは白樺の林があって此処が都会だと一瞬忘れてしまいそう

マンションの入口でICカードを翳すと一つ目のドアが自働的に開き2つ目の自動ドアまでの間に守衛室がある。

私達が進むと2重になった2つ目の自動ドアが自然に開いてゆく。

完全セキュリティー完備って凄い!!


レイラさんってスキンシップが多いのかな?まだ私の手を握ったままで私と並んで歩いている。

こうして並んで居るとレイラさんってスタイル良くって羨ましいな

私が身長170だからレイラさん背丈は180以上ありそうなのかな?

あ・・ハイヒールを履いてるからそこまで無いかも

でもレイラさんに手を握られると安心するな


2重になった通路を潜ると広いエントランスがあり、このエントランスの待合ブースで来客者と会える場所にもなっているみたい。


私の手を引いたレイラさんはエレベータの前まで来るとICカードを翳すとエレベータのドアが開いて私達は地上20階までノンストップで上がってゆく。

エレベータを降りると奥まで通路が伸びていて、レイラさんは一番最初の201号室にICカードを翳して私を部屋に入れてくれる。


そして玄関のキーボックスからICカードとキーを取り出したレイラさんは私に一揃い渡してくれ

「基本このICカードが有ればこのマンションでは困らないから出る時は必ず持っておいてね。それとドアはオートロックになってるから外に出る時は絶対にICカードを忘れないようにして。忘れたら部屋から閉め出されちゃうから注意して。

明日守衛室に行って手続きしましょう。そうしたら守衛さんに言えばカギを忘れても連絡すれば開けてもらえるわ」


と説明してくれる。

玄関を入って真っ直ぐ入ると30畳近くもあるめちゃめちゃ広いリビングそしてリビングの前方は前面ガラスガラスの向こう側は品川の街の夜景が広かっていた。


「すっご~~い。綺麗~~」

私は思わずそう叫んで窓際に走り寄って窓の外の景色に見とれてしまってた。

無邪気に真その外の景色に見入っている私の横にレイラさんが歩いてきて

「気に入ってくれたんなら嬉しいわ。そしてようこそ。ここが此れから私とクリスが住む所よ」

と言いながら私の横で私と同じように外の景色を眺めている。


街の灯りに照らされたそんなレイラさんの人間離れした横顔の綺麗さに思わず私は見蕩れてしまっていた。


つづく・・・

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