彼女買いました

シャーロット

プロローグ

第1話 『女の子助けちゃいました』

「レイラちゃん、笑って~」

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

「良いよ!良いよ~凄く可愛いよ~」

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

眩しい撮影用のライトに照らされた中で私は可愛いふりふりの赤いワンピースを着てカメラマンの指示に従ってポーズを取っている。

私の前には20人近くのスタッフさん、控えているモデルさんがその様子を見学している人や、撮影用のライトを設定したりと忙しくスタジオの中を走り回っている。


「レイラちゃん視線こっちに下さ~~い」

カメラマンの指示に従って視線をそっちの方向に向ける

「良いね良いね~そんな感じ」

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

「良いよ良いよ凄く良い~」

・・・


私は、10代20代に絶大な人気を誇る女性ファッション雑誌


CUTEキュート


の専属モデル レイラ

そしてこのスタジオで撮影を指揮しているのは、女性ファッション雑誌『CUTE』の編集長、斎藤美奈子さいとうみなこ32歳


因みに独身

仕事が恋人・・と本人は言っているが・・

彼氏はいるみたい・・

どうも彼氏が美奈子さんにゾッコンラブ

『俺と結婚して~~』

と猛アタックを受けているらしい!!


美奈子さん曰く

「少しウザいんだよね~」

なんて一緒に食事をしている時に文句をよく聞かされる私。


編集長の斎藤美奈子さんは、私の実家のお隣さんで私をこのモデル業界に入れた張本人でもある。

美奈子さんが10年前に青山大学を卒業してファッション雑誌などを出版している未来舎みらいしゃに就職

その未来舎で子供服の雑誌編集を担当した時

レイちゃん子供服のモデルをやってみない?」

と女子子供服のモデルをお願いされてからの縁だ。


あれから10年

私は

西宮 麗にしみやれい

15歳

身長175センチ

体重48キロ

バスト  88

ウエスト 55

ヒップ  80

現在 青山高校 1年生

女性ファッション雑誌『CUTEキュート』の人気ナンバーワン専属モデルのレイラとして活躍している。


今は8月下旬

外はまだまだ焼けるような日差しが燦々と注ぐ蒸し暑い真夏日

冷房が効いているスタジオとはいえ、撮影ライトで四方から照らされた私にとっては凄くキツイ!!


何枚か写真を取るとメイクさんが駆け寄って汗をぬぐってくれている

私達はこんな真夏日の広いスタジオを借り切ってもう12月のクリスマスコーデの撮影をしているのだ。


今日の撮影は


『彼氏と過ごすクリスマスイブ』


という題名で冬のデートコーデ特集が組まれていて、今日はその撮影が朝からぶっとおしで行われている。

今は私一人での撮影

今10着目の撮影中で私はポーズを取りながら満面の笑顔でカメラに向かっている。


「レイラちゃんそのまま」

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

「はい!!レイラちゃんお疲れ様~これで一人での撮影は全部終わったよ~」

とベテランカメラマンの内藤さんが手を挙げながら私に声をかけてくれる。

内藤さんは長い髪を後ろで括った40歳になるダンディなおじさん

カメラマンの内藤さんとは、こんな風にカメラを向けられてからもう3年にもなる気心の知れた仲


内藤 勉ないとうつとむさん40歳

5歳も年下の可愛い奥さんの

内藤沙織ないとうさおりさん35歳

そして私と同じ青山高校に通う 内藤七海ないとうななみちゃん15歳

2つ下に 愛子ちゃん 愛菜ちゃんの双子ちゃんがいる。

男の子が欲しかったと言いながら、結局みんな女の子が生まれちゃったみたいだけど・・

子供達にせがまれて家族全員を撮影の見学とかに良く連れて来ているけれどロリコン好きの内藤さんは娘達に囲まれるとデレデレユルユルのダメおやじになってしまっている。

だけどカメラマンとしては超~一流!!

編集長の斎藤美奈子さん曰く

『日本で3本の指に入る』

らしい・・・

確かに!!

私の今取った写真をパソコンに取り込んで今見せてもらっているけれど、パソコンに取り込まれてディスプレイに映った姿はまるで私じゃ無いみたい。

そんな現実離れした自分じゃ無いような写真を見ながら


「何でこんな偽物が良いんだろう」


なんて無意識に独り言を言っていた私

「偽物なんかじゃ無いわ、本物のレイラの方がずっと可愛いわよ」

と私の後ろから私を抱きしめながら美奈子さんが私に声を掛けてきた瞬間!!



『モミモミ』


『モミモミ』


と私の胸を鷲掴みにしながら私の胸を揉みながら

「うふっレイラまた成長したわね」

なんて満面の笑顔で揉み続ける美奈子さん。

「うん確かに3年前と比べるとめちゃめちゃ成長したな~レイラちゃんワシにも触らせてみてくれ」

とそんな私の胸を覗き込みながら両手を私の胸に伸ばしてくる内藤さん!!


「内藤さんそれセクハラですよ~!!まさか七海ちゃんの胸揉んでないですよね内藤さん?」

と睨みつけると

「いや~~・・」

と頭をかいている内藤さん?

空かさず私は

「うわ~七海ちゃんの胸揉んでるんだ~」

「ちょ・・ちょびっと・・ちょびっと・・だけな・・だけどな、七海にボディーブロー食わされちまったよぉ」



あちゃ~本当にやっちゃったんだ!!

本当にロリコンだった・・


「そりゃ~七海ちゃん怒りますよ。そんな事は奥さんの沙織さんとして下さい」

と私が突っ込むと

「沙織の胸って洗濯板なんだぞ!!ツルペタじゃ~、揉むに揉めないだろ?」

うわ~ここでそんな事言われても・・・

夫婦生活の事で私に文句言わないでよね

「じゃ~吸い出してあげたらいいんじゃないですか?」

と私が言うと

「レイラちゃんも吸引とかやってるのか?」

ととんでもない事を聞いてくる内藤さん!!


「内藤さん!!そんなに死にたいですか?そんなに刺されたいんですか?刺しますよ!!」

と言って笑顔で内藤さんのお腹を手で刺す仕草を見せる。

「うをぉ~~怖いよレイラちゃん。綺麗なバラには刺があるを地でいかないで欲しいな」

と言って内藤さんが両手を上げて一瞬後ろに下がる。

「くすっ」

「あはははっ」

「ふふふっ」

っと私と内藤さんそして美奈子さんとで顔を見合わせて笑い合ってしまっていた。

撮影の後はこんな調子で3人で冗談を言うのが日課みたいになっている私達


「美奈子さん?いい加減私の胸を揉むの止めてもらえます?」

と美奈子さんにお願い

あの会話中ずっと私の胸を揉んでいる美奈子さん

「うふっ。ごめんなさい。ついやっちゃった」

と悪びれた様子もなく美奈子さんが答えてくるから

私は

「そんな事は2人だけの時にベッドの中でやってください」

とシレっと答えると・・

「え?」

「え~~?」

っと想定外の反応


「冗談ですよ!本気にしないでください!!」


と2人の顔を交互に見ながら笑顔で小首を折り可愛くお願い。

美奈子さん真っ赤になってるけど、まさか、本気にして無いよね?

そんな少しおどおどとしていた美奈子さんはなんとか立ち直ったようで


「10分休憩後に今度はカップルバージョン撮るから今の内に休んでおいて」


と言ってクーラーボックスからスポーツ飲料を取り出して私と内藤さんに渡してくれる。

今日は内藤さんが凄く乗っちゃって


「今日はインスピレーションが溢れてくるんだ~」

とか

「芸術は爆発だ~~」

とか言っちゃって

朝の10時から食事も取らずにぶっ続けで5時間連続で写真を撮り続けていたのよね。

まあ私がお昼は食べないって皆知ってるからそんなスケジュールが自然に出来上がっちゃって私と美奈子と内藤さんが揃えば毎回こんな感じになっちゃってる。


10分の休憩はあっという間に終わり今度は男性モデルさんとのカップル撮影

向こうから髪を茶色に染めた20代の男性が近づいてくる。

身長は170センチ?位

やせ型で・・

世間いうかっこいいタイプ?かも


私の所までその男の人は歩いてくると

「今日一緒に撮影をさえてもらう東条誠とうじょうまことよろしく」

と言って私に右手を差し出してくる。

まあ好感度はもてるんだけど・・・

舐めまわすような視線が・・


『厭らしい!!』


男だもんね~

話すときは人の目をみて話して欲しいよね~

私もプロだから仕事はキッチリとするけど!!


私もその男の人の出された手を軽く握り

「今日ご一緒させて頂くレイラですよろしくお願いします」

と社交辞令。


私達は早速指定の服に着替えてメイクさんにメイクと髪をセットしてもらい2人同時に並ぶ。

私は清楚に真っ白な清楚なワンピースにゆるふわの髪

東条さんはブイネックの手編みのセーターにジーンズ

「レイラちゃん流石、可愛いね~」

と声をかけてくれるけれど・・


美奈子さんと内藤さんは私達を見て怪訝な表情をしているよう?



『チグハグね』

『合わないな』


2人とも同時にそんな風に言ってため息をついている。

多分・・男性の東条さんよりもハイヒールを履いた私の身長の方が高くて私だけが目立ってしまってる感じなのだ・・・


私は

「美奈子さんローヒールの靴有りますか?」

と聞くと

「それしか無いみたいね」

とため息をついたあと美奈子さんは勝手知ったる何とかで、私に合う服とお揃いのローヒールを持ってきてくれた。

今更ながらに気がついた東条さんはバツが悪そう・・


気を取り直して

私達は今度は撮影セットを変えてテーブル越しに2人が寄り添っているシーン

内藤さんの

「は~い2人もっと顔を近づけて見つめ合って~」

「そうそうそんな感じ」

「そのまま動かないで」

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

「じゃ~今度はポーズを変えて2人向い合わせになって、見つめ合ってるシーンいってみようか、レイラちゃん少し恥ずかしがる感じにお願い」

「そうそう~良いよ良いよ~最高にい良い~」

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

・・・・

そんな感じで服を変えていろんなシーンを撮ってゆく

最後はタキシードを着た東条さんとふりふりの淡いピンクのドレス姿の私で締めくくった内藤さん。

パソコンに取り込んだ写真を見ながら満足そうに美奈子さんが

「今日は遅くなっちゃってごめんなさいね、お陰で今日は凄く良い写真が撮れたわ2人ともありがとう。2人とも気をつけて帰ってね」

とお礼をいってくれお土産のお弁当を私に渡してくれる。

時計を見るともう夜の10時前!!

そんなになっちゃってたんだ。


「変なのが襲ってきたら、返り討ちにしちゃいますから大丈夫です」

と私が言うと

「うふっ、そうだったわね」

と笑って手を振ってくれる美奈子さん

意味深に笑われちゃった・・

東条さんは

『へ?何?』

って感じね。


美奈子さんと内藤さんはこれからまだ撮った写真の打ち合わせを行うらしい。

私が帰ろうとすると東条さんが

「レイラちゃんこれから俺と飲みに行かない?」

と帰ろうとする私の体を遮るようにして私の顔を覗き込むように聞いてくる。


「私飲めませんから行けません」


と断ると

「大丈夫大丈夫ちょっとだけ飲むだけだから」

と再度私を無理やり誘ってくる東条さん。

「東条さん断る未成年に飲酒を強要するのは犯罪ですよ?それにレイラちゃんは女の子が好きですから誘っても無駄ですよ?それにレイラちゃんは知人の親御さんに預かった大事な人ですからレイラちゃんに何か有ったら東条さん潰しますよ?」


「マジですか?」

「マジです」


そんな話をされた東条さんは青くなって

「レイラちゃん・じゃ・・じゃ~~またね~」

と私に手を振って帰っていった。


あの様子だと・・

私を酔わせて、そのままラブホとかに連れ込む気だったんだろうな~

私は誘われても行かないけど!!


あんなヤル気満々な視線を向けられて付いて行く女の子の気がしれないわ!!

私も美奈子さんとカメラマンの内藤さん、それに残っているスタッフさんに

「お先に失礼します。お疲れ様でした」


と深く頭を下げてスタジオを後にした。

スタジオは新宿の飲み屋街の近くのエトレアタワービル4階にあるネイリアスタジオ

4階のエレベータで一階に降りてビルを出ると土曜の夜という事もあって結構人通りも多い。それにエトレアタワービルの奥は飲み屋街のネオンは真っ暗なビルから出てきた私の目には痛い位に感じてしまう。


それに、冷房の効いたスタジオから出てきた私には、真夏の日差しで温められたアスファルトから立ち上る湿度を含んだ熱気は耐えられない。


一気に汗が噴き出してくる。


帰らなきゃ!!

タクシー券は貰ったけど・・

まだ時間があるし、電車で帰ろうかな・・

新宿駅すぐ近くだし!!


そう思って、新宿駅に向かって歩き出そうとした時、飲み屋街の方から言い争うような声が聞こえてくる。

「やめてください」

「いいじゃん。いいじゃん~俺達と遊ぼうぜ~」

「離してください。誰か呼びますよ」

「呼んでみろよ。こんな所へなんか誰も来ないぜ」

女子高生?

金色の髪?

5人くらいの男が取り巻いて、暗い路地に連れ込もうとしているって感じだな・・


ああ~~もう~~

ムシャクシャする~!!

帰りがけに、東条とかいう男に飲みに行かないかと口説かれるし最悪だな!!

『丁度良い!!暴れてやるぜ!!』


暗い路地裏に女の子を連れ込もうとしている男達に割り込んで

「遅れちゃってごめんね~待った~?これ頼まれていた物ね」

といって女性にお弁当の入った包を渡して女の子を男達の中から連れ出そうとすると


「ちっとま待ちなよ。この女は俺達のもんだ。お前がこの女の代わりをしてくれるのか?」

「良いね~良いね~2人同時にあそんでもらおうぜ」


と俺たちが行こうとする方向に立ち塞がってくる男達

「死にたくなかったらどけよ」

と声質を変えて威嚇すると


「お望み通り俺達で犯してやるよ」

と言った瞬間俺達に殴りかかってくる。

そんな男の顎を下から蹴り上げ、金髪の高校生を軸にして左横の男を回し蹴りで蹴り飛ばす。

蹴り飛ばされた男は3メートル程飛んでビルの壁に当たりそのまま頭からゴミ箱の中に頭から落ちてゆく。

その左側の男を蹴り飛ばした反動で一気に女の子の右側二回り右側に居た男の股を蹴り上げる


「うっ」


小さな呻き声と共に垂直に2メートルくらい飛び上がりそのまま地面に落下してゆく。

私はその反動で女性の真上で空中一回転女性の後ろに回り込み後ろに居た2人を交互に回し蹴りで左右に蹴り飛ばしそのまま金髪の女性を小脇に抱えてダッシュ!!


攻撃から撤退まで10秒弱

手加減出来なかったから骨くらいは折れてるかも?

周りにはまだ数人しか居なかったから大丈夫とは思うけど・・・


「あの~・・・」

私が小脇に抱えた女性が私に声をかけてきた?

思考が戦闘と逃走に割り振られててそこまで気が回らなかった私。


最近暴れていなかったから感覚が今一つかめない私

そう言えば私最近仕事忙しくって体鍛える暇なんて無かったな~

いけない!いけない!自分の世界に入っちゃってた

女の子が俺を見つめてるよ!!


それに!!

ここまで逃げてくれば大丈夫だろう・・・

あれだけ痛めつけてれば、此処までは追っては来れないだろうな。

そう思い抱えていた高校生を路上に降ろした後

「ごめんね。何か私強引に間に入っちゃった感じで」

「いえ私こそ、助けて頂いてありがとうございます。考え事している間に道に迷っちゃって気がついた男の人に声を掛けられてて、路地に連れ込まれそうになってたんです」

「考え事って何か気になる事でもあったの?」

と私が聞くと

「えっと・・・」

と気まずそうに下を向いてしまった女の子

何かはあったみたいだな・・

何も関係のない人間に自分の事を話すのは難しいよね・・

そう思った私はポーチから




女性ファッション雑誌『CUTE《キュート》』


専属モデル


レイラ


東京都新宿区新宿未来舎ビル10階

ファッション雑誌CUTE事業部

03-3342-XXXX





と書いてある名刺を取り出して

「私はレイラよろしくね」


と彼女に渡すとその名刺を見て

「え?」


「嘘?」


「本当に?」


「モデルさん?」


と矢継ぎ早に独り言を言っている彼女に見るにみかねた私は

「えっと~CUTEっていう女性のファッション雑誌って知らないかな?」

と聞くと

恐縮したように

「すみません。私最近母をガンで亡くしちゃってお父さんの里に帰ってきた所なので日本の事あまり良く知らなくてすみません。あ・・私クリス・エステラントって言います。日本の高校に入る為に昨年の11月に日本に返ってきた所なんです。父は・・・」

って口ごもっちゃったクリス

そっか~

大体解って来たかな・・

母親を亡くした後なのに他の女の人を連れて来られたら・・

それは落ち込むよね。

「もしかして日本で良い人を見つけて連れてこられて結婚したい・・とか言われた?」


と言うと

「な・・何で解っちゃったんですか~?」

「貴方の行動と話から想像したらそういう結論になっただけよ?で・・それで自分は2人の生活に邪魔なんじゃないかと思ったって感じ?」


クリスは私の問いかけに

「実は今日お父さんに食事に誘われて、ホテルのレストランに行ったら『この人と結婚したい』とその女の人を紹介されて、その時『アパートを借りるお金を半分出すから1人で住んで欲しい』とその時その女の人から提案されたんです。私何が何だか解らなくなってその場から逃げて来たんです」


「そっか~でもその女の人家賃半分しか出せないって事は自分でバイトしろって事だよね」

「それも有るんです。お父さんその女の人とマンションを買うみたいで余裕が無いって、だから家賃の半分しか出せないって言うんです。他にも食費も、電気代も色々とお金が掛かるのにこれからどうやって生活したら良いのかなって不安になって、それを考えたらもう訳わからなくなってしまったんです」


クリスって子、父親と父親が出会った女との熱愛の末2人が結婚する事になって、娘が邪魔になったって感じだな・・

両親の再婚で邪魔になった子供を殺して埋めたとか捨てたなんてニュースを良く聞くもんな~

そんな親だったら、この子をそんな環境に置いておくのも危険

う~どうすれば・・

私にどうこうする力なんて無いし・・・


ウワ━(。・ω・)ァァ━・゚・

彼女落ち込んでしまってるよぉ~

『父親とその女にあんたは要らない子って言われたようなもんだもんな・・落ち込むよな・・』


ま~部屋だけだったら空いてるし・・

それにめちゃ可愛いし・・

・・・

・・・

それに・・・


・・・                               


「そっか~じゃ~いっそ私と住む?私モデルやってるから品川にあるリバーサイドタワー20階の2LDKの部屋に1人で住んでるの。部屋は空いてるしどうかな?」


「え?良いの?」

「良いの良いのでも忙しい時は私の仕事も手伝ってもらうかもだけど」

「モデルの仕事?とかかな?」

「そんな感じかな」

「私に出来るかな?」

「こんな私にも出来てるんだから大丈夫だよ!!」

「じゃ~お願い・・・出来るかな?」

とクリスは恥ずかしそうに手右手を出してくる

私はその手をシッカリと握って

「商談成立だねこれからよろしくねクリス」

「此方こそよろしくねレイラ」

と私達は互いに握手をして手を握りあう。


「でもお父さんの結婚相手ちょっと横暴だよね。何かギャフンと言わせてやりたいな。クリスに手出し出来ないようにしておきたいしな~そうだクリスお父さんに電話して私を合わせてくれない?」


私の提案に不思議そうに

「お父さんに電話して私は何をすれば良いの?」

と聞いてくるクリス

「これから私とクリスで会えないか聞いて欲しいの」

「それだけで良いの?」


「それだけで良いわ!!クリスのお父さんとお父さんと結婚する女の人に会いに行って、今後何が有ってもクリスに干渉出来ないようにお願い?するだけよ」


そう私が言うと


「え?」


っとクリスが驚いた。

あ・・いらないことまで言っちゃったか・・

「大丈夫!!私がうまくやるからクリスちゃんは何もしなくていいからね」

「そ・・そう」

と私の言葉に安心したようで、鞄から携帯をとりだして電話をかけ始める。


「もしもしお父さん?」

「何処に行ってたんだ心配したんだぞ」

「あのね友達の所に行ってたの。その友達に話したら一人暮らしだから一緒に住まないかっていってくれて、お父さん達にその友達が今から会えないかって言うのよ?どうかな?」


「ああ~それなら良いよ。さっきのホテルのレストランにまだ居るから一緒に連れてきなさい」


「じゃ~直ぐに連れてくね」


と彼女は携帯の通話を切った。

じゃ~戦いに行きますか~~!!


つづく・・・

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