第14話

「そういえばセラたちのクラスはメイド喫茶だったっけ?」

「うん!そうだよ?」

うーん…ちょっと嫌だな…

「響くん?どうかしたの?」

「いや、セラのメイド服の姿をみんなに見せたくないなって…」

セラはキョトンとした顔になって

「ふふっ…私は厨房が多めになっているから大丈夫だよ」

あ、そういえばセラはめちゃくちゃ料理がうまかったな…

「それはよかった」

文化祭はやはりナンパや女子生徒への痴漢が起こる

セラほどの美少女などは特にターゲットにされやすいだろう

まあ、セラに触ろうとする奴がいたら、その時は……

そう考えていると、何故か大勢の人が集まっていた

「ねえ、響くんあれはなに?」

「わからないけど見てみる?」

「うん!」

えーっと何々?

〈愛を叫べ!〉

・参加条件:カップルであれば誰でも!

・賞品:優勝 2日間の温泉旅行

   準優勝 遊園地の無料券


お、おう…こういう大会って本当にあるんだな…

「なあ、セラ出るか?」

少しセラをからかってやろうとして聞いたのだが…

「え、いいの?」

と、言われたので参加することになった

いや、自分で言い出しといて嫌だよとかいえないだろ

「それではエントリーを締め切りますよ!いいですか!?」

司会者ノリノリだな…

「それではまず今年のカップルさん達はこちら!まずエントリーNo.1田中&野田ペア、

エントリーNo.2山下&山本ペア、エントリーNo.3木下&坂田ペア、そして、天童&天瀬ペアの4つです!」

パチパチと拍手が起こる、てか、人多くないか?ざっと40人以上はいるな…

「んー今年は思ったよりカップルが少ないですね…じゃあ、間違えたら即脱落!毎年恒例の

恋人同士でどれくらいお互いのことを分かっているのかで決めたいと思います!」

うん…随分と雑だな

「さあさあリア充ども早く出てきやがれ!」

本当はこの人カップル嫌いだろ?いや絶対…

「頑張ろうね、響くん!」

「あぁ…そうだな」

…………………………………………………………………………………………

「まずは第1問!彼女・彼氏の誕生日は?」

こんなの余裕だろ…

「4月5日」

セラも簡単に答えていた

「…みんな正解かよクソが…」

ん?なんか司会者言いましたよね?

「き、気を取り直して第2問彼氏・彼女の身長は?」

これもまだ余裕だな…

「154cm」

「おーっとここで山下&山本ペアが脱落!!残念でした!!笑」

うん…この司会者まじで…

「さあ…次は難問ですよ!?」

「第3問!今度は彼氏さんだけに質問!彼女さんの1番好きなものは?」

うーん…好きなものは確かぬいぐるみだったな…あれ?セラは恥ずかしいそうにしてるな

あ、もしかして!

「お、俺…?」

恥ずかしいな…

「…くっそ!!2ペア残ってるのか?…いつもならここでおわるから次の問題残ってないぞ…」

田中&野田ペアが脱落して残りは俺たちと木下&坂田ペアだけになったようだ

「君たちなかなかやるねぇ…」

「木下さんですよね?貴方もなかなかやりますね…」

木下さんが話しかけてきたので、少しびっくりしたな…

「負けないよ…!」

「負けませんから!」

ここからは男同士の戦いだ!

「さあ第2の試練を始めます!」

ようやく司会者が戻ってきた

「次の試練はお姫様抱っこです!より長い時間お姫様抱っこしていた方が優勝となります!」

え、ここに来てまさかの筋肉がいるのか…?

「ふふ…この勝負もらったよ!」

まさかこの人も…

「僕は毎日筋トレをしているんだよ!」

やはり…この勝負はかなりきつい戦いになるだろう…

「それでは構えてください!」

セラが不安そうに見てくる

「響くん大丈夫?私重いかも…」

「俺も毎日筋トレしてるから気にすんな」

「よーい、ドン!」

…………………………………………………………………………………………

10秒ほど経過した…

「や、やるな…天童くん!」

「そ、そっちこそ…!」

俺と木下さんは限界だった…

まあ、筋トレといっても腕立て10回、腹筋20回ほどだった

木下さんも同じくらいだろう

「ぐぬぬぬぬ…」

「お、落ちる………」

「頑張りなさい!秀光!」

木下さんの彼女がそう言った

「おーっとここで坂田さんが応援を使った!この試合中では1度しか応援出来ないので、使い所を見極める必要があります!」

何そのルール…

そんなことより…やばい腕がちぎれる…

「すまない、セラ、もう…」

諦めかけたその瞬間、

「響くん、頑張って!!!」

おう…なんで1回になっているのかわかった…

力がみなぎってくる…

「まだそんなに力があったのかい…」

「やっぱり恋人の応援は効きますよね」

「はは、違いないね」

木下さんは微笑んで言った

1分ほど経っただろうか…

「ぐぬぬぬぬ…」

「負けるか…!」

そしてついに…

「すまない、真里…もうギブ」

木下さんは彼女さんを下ろした

「ここで決着!!優勝は、天童&天瀬ペアです!!皆さん拍手を!!」

俺が勝ったのか…?

「やったよ響くん!優勝だって!」

「お、おう…」

「優勝したペアは2日間の温泉旅行が送られますこれで終わります!来年もよろしく!」

こうしてデパートでのイベントが終わった

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