一夜の夢

町中に溢れるベルの音 クリスマスソング

赤や青にきらめくオーナメント

テーブルを埋め尽くすご馳走たち


偉大なものを信じているわけでもないけれど

それはまるで

静かに降り始めた雪のように そこに在る


腕を振って 高らかに鳴らすハンドベル

さざ波のように流れる 聖なる歌

煌びやかなライトアップ

お祝いを求めて弾むかかと


やはり信じているのだろう

何かを 何かが存在することを

降り積もる雪のように 確実に


そっとロウソクに火を灯して

甘い香りで部屋を満たしたら

口ずさむ クリスマスソング


翌朝には失われる 一夜ひとよだけの儚い夢

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《詩集》冬のひととき K・t @kuuuuu

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