7.制服
「アレス様に媚び売っちゃって」
「アレス様は誰に対しても優しいのですから勘違いしないで欲しいわ」
「アレス様を呼び捨てにするなんて失礼極まりないですわ」
「平民のくせに」
「アレス様に関わらないで」
「平民が調子乗るな」
私は耳を傾けない。私にはアレスが居るのだもの。
一度荷物を置いていたロッカーからこの学園の制服を取り出す。制服は白い生地を使用していて腕と胸辺りには青い線が入ってある。肩にはこの学園の校章と思われるマークが刺繍されている。
私は素早く誰もいないことを確認して着替える。
ちゃんと私のサイズに合い気心地は良い。一つ違和感があるのはいつも黒を基調とした執事服だったので白はなかなか慣れそうにない。
そして、私は体育館へと戻る。
体育館ではもうすでにたくさんの生徒がおり、上級者だと思われる生徒もいて体育館が人で賑わっている。
私はエーシアを探します。少し心配になってしまってまたお話ししたいです。
中々探しても見つけられない時、後ろから声をかけられました。
「あの...。アレス様」
「これはセーリア。またお会いしましたね」
「奇遇でございますね。それでアレス様...」
「どうされましたか?私でお役に立てることがありましたら是非お聞かせください」
「ご迷惑でなければ、アレス様の隣で学園長のお話しをお聞きしてよろしいでしょうか?」
「私などでよろしいのでしょうか?」
「アレス様が良いのです。ダ、ダメでしょうか?」
「いえセーリアの様な可憐な方とご一緒出来るなんてありがたい限りでございます」
「か、可憐...」
「ただもう1人ご一緒させてもよろしいでしょうか?先程「また後で」と約束したので破るわけにはいきません。ご了承頂けないのでしたら私はその方と...」
「良いですよ。ご一緒しましょう」
「ありがとうございます。セーリアの優しさに感謝いたします」
「や、やめてください。わ、私が誘ったのですから、アレス様に感謝される謂れはありませんわ。むしろこちらがお礼を言わなくてはなりません」
「そんなことないです。私は誘ってくださりとても嬉しいです。お礼は不要でございます」
「何てアレス様は...お優しいのでしょうか」
「では私はエーシアを連れてきますので、セーリアは少々お待ち下さい」
「えぇ。お待ちしてますわ」
私はセーリアから離れてエーシアを探すため、見渡します。少しながら皆さんより背が高い私は茶髪のエーシアを見つけるのは難しくなさそうです。
先程私たちが話していた辺りにエーシアを見つけました。
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